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開業カウンセラーが説得力を生み出すためにやるべきこと

  開業カウンセラー 矢場田勲 SPECIAL
矢場田勲 SPECIAL

開業カウンセラーコンサルタント

有限会社ライフビジョン 代表 矢場田勲

開業カウンセラーに特化して指導する、専門コンサルタント。自らカウンセラービジネスを立ち上げ、軌道に乗せた経緯から、カウンセラーとして独立、活躍していくために最も重要なビジネス的視点と実務アドバイスを惜しみなく提供。稼げないカウンセラーが多い中、救世主的存在。

プレゼンテーション1

悩みを抱えているクライアントに対して、どんな風に語ったら納得してくれるだろうか。

どんな順番で語れば、気づいてもらえるだろうか。

どんな手法が有効だろうか。

カウンセラーであれば、クライアントが来られる度に、その人に合ったカウンセリングの組み立てや接し方を工夫するはずです。

 

相手の表情から本音を読み取ったり、

しぐさを注意深く観察したり、

クライアントの年齢に応じた事例を用いたり、

否定することなくとことん話を聴いたり、

話すスピードを調整したり、

タイミングを見計らい助言したり、

カウンセラー自身の体験談を語ったり、

どの心理療法の手法を使うか考えたり、

いろいろと細かいテクニックや手法を交えてカウンセリングを行います。

しかし、十分ではありません。これだけでは決定的に欠けているものがあります。

 

欠けているものは、例えばカウンセリング中、不登校のお子さんを持つお母さんから学ぶことができます。

通常は、不登校になったお子さんへの接し方だけを学ぶためにお母さんがカウンセリングに来られるケースが多いです。接し方だけを学びたい方は、テクニックだけを身につけようとしているのと同じです。

「子供が再び学校に通えるようにサポートしてあげたい」「そのためのテクニックを身につけたい」というお母さんの気持ちは間違っていません。

ただし、お子さん側の視点に立つと、「自分を変えようとするためにお母さんは接し方を変えようとしている」と感じているのです。

人は他人にコントロールされまいと、無意識に反発します。たとえ良い方向に進むことが頭ではわかっていたとしても、説得されたくないのです。

お母さんが接し方だけを変えても、説得力はないということです。むしろ、テクニックを学べば学ぶほど、お子さんは殻に閉じこもっていきます。

 

一方で、カウンセリングの場でこのように言われるお母さんがいます。

「この子が再び登校できるようにしてやりたいんです。そのためには、まず私自身が変わらなければいけないと思っています。」

お子さんよりも先にお母さんがカウンセリングを受けると言うのです。お母さんが率先してカウンセリングを受けると、状況はガラッと変わってきます。

 

まず、お母さんの「このまま不登校の状況が続くとこの子はどうなってしまうのだろう」という未来の不安が落ち着いてきます。なんとしても子供を学校に行かせなければという焦りが減ってきます。

そうすると、子供をコントロールしようとする気持ちもなくなります。当然、お子さんは多大なプレッシャーから解放されることになります。

 

そして、お母さんが変化、成長していく様子をお子さんは間近で目撃することになります。

お母さん自身が困難に立ち向かうために一生懸命チャレンジしている姿を見せていると、その姿勢自体がお子さんの心を動かします。

その上で、お子さんへの接し方も変化させていくのです。すぐに成果が得られるわけではありません。以前とお母さんの接し方が異なると、お子さんも違和感を感じるからです。

 

しかし、めげずに根気よく接している内にお母さんの努力は必ずお子さんの心に響いていくのです。あきらめずにチャレンジし続けるお母さんの姿を見て、不登校のお子さんは自分の課題は自分で受け入れていこうと決心していきます。

これはもう必ずです。お母さんが成長していくにつれて、お子さんも必ず変化していきます。

 

お子さんの不登校という事態を通じて、お母さんが自分事のように捉えて、自分自身を変えることを中心に据えたからです。生きる姿勢自体が悩みを抱えている人の手本となることで、説得力を生み出しているのです。

 

これは、カウンセリングの現場でカウンセラーがクライアントに対するときも全く同じことが言えます。

何を伝えるか、どんなテクニックを使うかよりも誰が伝えるかが大切です。伝える人がどんな姿勢で生きているかで決まるのです。

 

もちろんテクニックや手法は大切です。しかし、テクニックや手法を習得することに夢中になりすぎると最も大切なことを忘れてしまいがちになるので要注意です。

他人事として上から目線でアドバイスしても、クライアントには一切響きません。上から目線という意識がカウンセラーにはなかったとしても、クライアントにはそのように感じさせてしまうことがあるので要注意です。

 

こういうときは、クライアントの悩みを自分事としていったん受け入れる覚悟が必要になります。

自分が今まさに、クライアントの悩みに直面しているとありありと想像するのです。今に至るまでの経緯や背景を訊いた上で、どのような感情に襲われるか、どのような状態になるのか、いったん体験してみます。

その上で、この事態をどのように受け止めるか、どのような姿勢で生きていくか、どのように行動していくかを想像してから心理療法の手法を自分自身に使ってみます。

要するに、他人事ではなくいったんクライアントの悩みを自分事として体験してみて、そこから良い状態になるまでチャレンジし続けることをやるのです。

この一連の流れを一通り取り組んでから、実際にカウンセリングを行うとクライアントの納得の仕方がまるで違います。当然、その後の行動も全く違ってきます。

 

また、円満な家庭、良好な夫婦関係、適切な親子関係を築いていきたいと願うクライアントも多いです。そのため、カウンセラー自身が身近な人たちとの関係性を良好に保つ意識が常に必要です。

毎日接する身内ほど甘えが出やすいので難しくなります。身内に尽くす。気を配る。尊重する。これらを地道に実践していくことで説得力が生み出されていくということです。

 

説得力を生み出すためにじっくりと取り組んでいることはありますか?

【開業カウンセラー】
矢場田勲

開業カウンセラーコンサルタント

有限会社ライフビジョン代表

矢場田勲

執筆者のWebサイトはこちら https://no1-support.jp/

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