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第29話 社長が”社員と対話する癖”をつけるべき本当の理由

SPECIAL

プラチナ社員づくりコンサルタント

株式会社園田コンサルティング

代表取締役 

労使交渉1千回以上の実績から、社長と社員の夢を一体化する仕組みを体系化、「プラチナ社員づくり」コンサルティングを行う注目のコンサルタント。ブラック社員をつくらず、社長の夢に共感して一緒に働いてくれる社員を独自の対話方式で生み出す仕組みづくりは、人手を多く活用する企業から熱い支持が集まる。

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「ソノダさん、同業者間での人材の争奪が激しくて、人手不足に頭を悩ましています。できるだけ長く当社で働きたいと思ってもらうためには、どうすればいいのでしょうか・・・」

顧問先の社長の言葉です。業界内で働く社員同士の間で、「あそこの経営者は社員を大事にしない」、「子供が病気の時も休めない」、「ワガママな社員が幅を利かせている」といった、経営者のマネジメント姿勢や職場実態に関する口コミがすぐに広がり、自分の希望に見合った会社へ、短い期間で転職を繰り返す社員が、後を絶たない状況のようです。

実は、顧問先の経営陣も、ここ数年、事業拡大に力を傾注する一方で、現場に対しては、「現場の管理職がなんとかしてくれ!」が口癖で、社員との対話もほとんどなく、仕事の進め方や労働時間管理を丸投げしていました。その結果、「仕事や休みに偏りがある」、「社長は職場の実態を何もわかっていない」といった相互不信が蔓延して、人間関係が対立し、社員の離職率が高くなっていました。

さらに悪いことに、自分自身の利益誘導にしか関心のない一部の社員が、こうした人間関係の対立の元凶は、現場に無関心な経営者にあると周囲を扇動し、「私にについてくれば問題ない」とうそぶきながら、実は、自分だけに有利な仕事の進め方を、物言わぬ社員に強制し、その社員が退職するという悪循環に陥っていました。

この会社・業界に限らず、子育てや介護にたずさわる社員が普通になり、ライフスタイルや価値観が多様化している中で、「自分自身にとって、この会社で働く意義とは何か?」、「この会社で仕事と家庭が両立できるのか?」と思い悩み、仕事に無気力になり、できることなら転職したいという願望を持つ社員が急増しています。

特に、労働集約型産業で、業界内での人材流動が容易な場合、転職率が高い(=定着率が低い)ことは、人手不足が原因で事業活動が停滞する重大な要因になることから、こうした社員の悩みに正面から向き合い、社員と対話することが、今こそ肝要になってきているのです。

当たり前のことですが、「社員と対話する」と言って、社員を飲み会に誘って愚痴を聞いてあげたりするだけでは、大いに不足が残ります。なぜなら、それらは対処療法であり、会社の風土や仕組みを根本から変えない限り、また別の社員が同様の悩みを抱えることになるからです。

経営者や管理職は、平時から「対話する”癖(くせ)”をつける」ことが大切だということを肝に銘じておかねばなりません。

「癖をつける」とは、経営者や管理職が、「意識しなくても社員と対話ができる」ということです。ただ、ほとんどの会社が最初からそうした「癖」があったわけではありません。まず「対話の仕組み」を確立し、最初はぎこちない所があっても、ブラッシュアップを繰り返しながら、経営者や管理職が変わっても、組織として自律的に仕組みが回るように、継続的に取り組むことが不可欠なのです。

「対話の仕組み」には、「毎日、現場を歩きながら、社員の動向、お客様への対応、施設・設備の状況等を確認する」、「勤務表作成時に、現場・社員の現状と課題を確認し合う場を定期的に実施する」、「会社の経営目標と社員の目標をすり合わせるための人事面談を、半年に1回は実施する」と言った、様々な取り組みがあります。そして、それらが相乗効果を発揮できるように組み合わせることが肝要なのです。

「対話の仕組みを確立し癖をつける」とは、経営者や管理職が、社員の夢・目標、仕事、そして努力に、「関心」や「敬意」を払う癖をつけ、最終的には経営戦略や業務の策定・遂行に社員の声を反映するということに他なりません。

それはまた、「この会社で働くことで、自分(社員)自身の夢・目標も実現する」と、社員が肌で感じることができるようになるということです。そうした社員が、できるだけ長くこの会社で働きたい・・・と思うのは、当たり前のことでしょう。

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