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お客様の声の奴隷になった事業の末路

SPECIAL

波及営業コンサルタント

有限会社 日本アイ・オー・シー

代表取締役 

取引先のネームバリューで次々に新規開拓を実現する「波及営業戦略」を体系化した辣腕コンサルタント。特に技術系のメーカー企業や、特殊な加工、取り扱い品、異色サービスなどを手掛けている企業の販売戦略の再設計、大きく売れるようにする仕組みづくりに定評。

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「既存商品のバージョンアップを図り、営業の活性化を図る計画でした。営業からは既存客の意見を反映させるべき…との声があがったので、リニューアルの際に織り込んだのですが…ほとんど成果に繋がっていません。営業に問いただしても、言い訳ばかりで困り果てています」

既存商品の活性化を図る為に、会社をあげた立て直し策が空振り。

なぜ、このような結果になってしまったのか…。

答えは非常にシンプルです。

商品開発の手綱を事業責任者が手放してしまったためです。

しかも最悪なことに、営業マンに聞いてしまっている。

そんなことをしたら、目先の利益ばかりを着眼して、本質的な「顧客の創造」が出来るハズもありません。

経営の神様と言われたドラッカー氏も、経営の目的は「顧客の創造」であると言いました。

新商品の開発に限らず、既存商品のリニューアル、新市場開拓、いずれも顧客の創造に直結している仕事です。

なぜ、営業マンに聞いてしまうと、顧客の創造ができない(できにくい)のか…。

それは、とかく営業マンは、目の前にいるお客様から言われたことが「全て」だと錯覚してしまいがちだからです。

これは、受注を獲得したい! と強い念を常に抱いている“売れている営業マン”であればあるほど、そういう傾向に陥りやすいです。

また、お客様は、とかく「今の不満」に焦点をあて改善要求を出したりしがちです。

これをベースに商品のリニューアルをしたところで、マイナスをゼロにもっていくだけのこと。

新規客から見たら、何の魅力にもなっていません。

ただ誤解しないで頂きたいのは、お客様の声を聞くな!と言っている訳ではありません。

そのまま鵜呑みにしてはいけないだけです。

「なぜ、お客様はそのような要求をするのだろうか?」

「お客様は、そもそも何を満たそうとしているのか?」

「本来のあるべき姿は、なんだろうか?」

商品の機能やデザイン、仕様や性能など、表面的な要求から「根っこにある欲求」を見つけることが大事なのです。

表面的な要求を聞いたら、様々な角度から欲求や顧客が抱えている問題点を掘り下げ「本質」を追求していくこと。

そして、その本質を追究したら「それを実現するために最良・最高な手段は何か?」と、商品レベルにフィードバックしてみる。

こうすることで、「ある顧客からの願望」を「多くの人が求める願望」へと昇華させていくことが出来ます。

これが本当のプロダクトアウト。

お客様の声を聞いて、商品開発にフィードバックするマーケットインと似ているようで、全く別次元ということが分かると思います。

プロダクトアウトというと、メーカーの押しつけ…と勘違いする方がいますが、そうではありません。

マーケットや購買行動を良く観察し、彼らの発言や行動から「本質的に求めていること」を察して、それを満たす「商品やサービスを提供すること」が本来のプロダクトアウトです。

売れる商品、売れる切り口は、売り手である我々自らの脳みそから生み出すことが大事。

顧客の聞いてその通りに従うだけなら、小学生でもビジネスは出来ます。

商品開発の方向性、リニューアルの方針、すべての手綱は事業責任者が握るのであって、マーケットの声の奴隷になってはいけません。

顧客の本音、購買行動の本質を察して、そこに勝負をかけることが、成功をもたらすことは、数々のロールモデルが証明しています。

御社の組織活動では、顧客の表面的なニーズを鵜呑みにする文化は醸成されていませんか?

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