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「Moment of truth」の改善 現場マネジメントの重要性 

SPECIAL

商品・技術海外大ヒット化コンサルタント

フォワード・インターナショナル株式会社

代表取締役 

海外進出支援コンサルタント。海外ビジネスに携わって25年以上の実務経験を持ち、独自の「展示会攻略」方式で、企業の海外進出、海外販売を実現させることで、多くの企業から評価を博している。

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海外展示会は「製品」なり「サービス」を販売したい企業が、潜在的なお客様と接する可能性のある「現場」です。

あの大ヒット映画「踊る大捜査線」ではないですが、ビジネスでは、すべては現場で起こるので、私は現場を見る機会をできるだけ多く作るようにしています。現場を知らないコンサルタントの話ほど説得力のない話もないと思うからです。

一方、コンサルティング事業はサービス業ですから、当然「人」がサービスを提供します。特にサービス業では、トップマネジメントより現場のほうがむしろ大切であると 思っております。例えばホテル、レストラン、航空会社、不動産賃貸業、学校などそれぞれの現場で サービスを提供するスタッフの「質」が会社の命運を握っていると言っても過言ではありません。

たとえば、奇抜なアイデアがあり、戦略、内装、味が素晴らしいレストランでも、 お店でのスタッフの接客が悪ければthe endです。味がすごく良くても 「こんな店、二度とくるか!」となってしまいます。

同じく、私が得意とする海外展示会でも展示会での瞬間的な接点でビジネスの命運を決してしまうことがあります。つまり偶々来場した現地の大手代理店候補とのやりとり がうまくいかなかっただけで、その先何年かのビジネスの行方が決まってしまうこともあり得ます。

このようなことが起こりうるので、特に展示会においても現場のマネジメントが大切だと思っており、よくお客様と一緒に海外の現場に出掛け、できうる限り現場の様子を伺い必要に応じ現場に立ちます。

視点を少し変えると、一般に大企業に比べ経営資源に乏しい中小企業も、こういう狭い「現場」では大企業に十分に勝つことができるチャンスがあります。というのは、現場は一般に「局地戦」ですから、ひとりひとりのスタッフの質の戦いとなります。

大企業は大規模な予算を投下するような、いわゆる「空中戦」が得意ですが、中小企業は同じように戦っていては、大企業には勝ち目はないですから、できるだけ「局地戦」に持ち込まないといけません。 局地戦になれば経営資源の多寡はそれほど影響してきません。素手で空手を使って相手を倒す場面もあります。

この考え方はランチェスター戦略と全く同じです。もう少し拡大解釈すると、いかに「ニッチトップ」になるかが中小企業成功のひとつの勝ちパターンであると思っています。

現場のことを経営用語では「Moment Of Truth」と呼ぶことがあります。日本語では「真実の瞬間」です。そういう意味で、難しい場面に遭遇するのは、大切なお客との接点である「現場」(Moment Of Truth)をアルバイト社員など、必ずしもエースでないスタッフにまかせないとやっていけない業界です。例えば比較的安いレストランとかスーパーがその典型です。

当然いいサービスを提供しようとするとコストがアップしますから、採算との兼ね合いが 常にあるので、エース社員を投入するわけにもいきません。各企業が頭を悩ませているところです。最近では、アルバイト社員をいかにモチベートしサービスの質を上げるか というような試みを行う企業もいくつかでてきているようなのでそのようなアドバイスをうけることもよいと思います。

結局、この「Moment Of Truth」をいかに改善していくのかが「経営 」とも言えます。これには正解はなく企業のトップとしては「現場」を常に意識し改善を繰り返すしかないでしょう。

現場に丸投げというのが一番悪い結果を招く可能性が高いですが、競争原理をいれた現場への権限委譲はうまくケースも多いです。そのあたりについては最近読んだ 「ドン・キホーテ」の創業者 安川隆夫氏の最新著書 「安売り王一代」(文春新書) に詳しく書かれておりますので 是非一度読んでみてください。

商品・技術 海外大ヒット化コンサルタント
 フォワード・インターナショナル株式会社 代表取締役 山本利彦

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