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重点取組課題で目的が大事になってくる理由

SPECIAL

6ヶ月増販増客コンサルタント

有限会社 乾コンサルティング

代表取締役 

わずか6ヶ月間で、顧客・取引先を増やし、売上を伸ばしていく「増販増客の仕組みづくり」を専門に指導する、販売戦略のスペシャリティーコンサルタント。これまで20年以上にわたり大小300以上の会社や販売店を指導。営業・販売の実務指導では述べ1千名以上に直接関わり、業績向上に大きく貢献。その様々な知識や経験の中から、より短期間に業績向上に直結する実務として、「6ヶ月増販・増客プログラム」を開発。

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前回のコラムで重点取組課題の推進で“いつから”を大事にしていることを伝えました。すると、コラムを見た方から、「“いつから”という視点が抜けていました。これからは、“いつから”を一番始めに決めるようにします」というメールをいただきました。

コラム読者からメールをいただくことは嬉しいことなのですが、実は、上記のメール(抜粋)の文章にはちょっとだけ落とし穴があることに気づきました。

文章のコラムなので、こちらもうまく伝えきれていないという反省もあるのですが、“いつから”という項目なのですが、当方のコンサルティングでは、一番始めには決めておりません。実は、始めではなく最後に決めております。

“いつから”は、一番始めに決めるのではなく、大事にしている項目というのを前回のコラムでお伝えしたかったのです。

振り返りとして、前回のコラムの中で重点取組課題を推進する対策として重要視している項目は次の6つ(「いつから」、「いつまで」、「誰が」、「何を」、「なぜ」、「どのように」)を挙げていました。

いただいた、質問を引用させていただくと、実は上記の6項目の中で、当方のコンサルティングでは、常に一番目に取り組む項目があります。当然、これは、方法なので色々なやり方があるのですが、当方のコンサルティングに限っては、常に一番目に取り組んでいる項目があります。

皆さんは、いかがでしょうか?

特に意識せずに、思いつきで取り組んでいるでしょうか?

それとも、天性の動物的勘で、そのとき大事だと思うものを実施しているでしょうか?

物事を明確にする手法として、5W1Hがあるかと思います。前回のコラムでも説明しましたが、5W1Hとは、「いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)」という6つの要素のことを言います。当方は、これをさらに細分化して9項目にしております。その中で、重要視している項目が、「いつから」、「いつまで」、「誰が」、「何を」、「なぜ」、「どのように」の6つです。

重要視している項目の6つの中でも、当方のコンサルティングでは、常に一番目に実施する項目があります。

それは、“なぜ”を明確にするということを一番始めに行います。

“なぜ”を別の言い方にすると目的になります。

そう、重点取組項目を実施する目的を一番始めに明確にします。

では、“なぜ”の目的を一番始めに明確にするのか・・・。

それは、目的によって取組の行動内容が変わってくるからです。

ここ、重要なので、もう一度、言いますね。目的によって取組の行動内容が変わってくるからです。

勘の良い方からは、「そんなことは、当たり前だ〜」というお叱りをいただきそうですが、もし、このことが今ひとつピンとこなければ、売上アップの大きなチャンスです。

では、少し例をあげながら説明しますね。

例えば、家電製品を取り扱う電気工事の職人が昨年設置した、オール電化の給湯器の点検を実施するということを当月の重点課題に取り上げていたとします。昨年、オール電化の給湯器を設置したお客様が30人いたので、この1ヶ月で全て訪問するという取組です。

ここでの、重点取組課題は、「昨年設置した給湯器(オール電化)の全顧客の点検訪問」です。

重点取組課題が決まれば、次は、目的を決めます。給湯器の点検をする目的です。皆さんなら、どのような目的があると思いますか?この会社は、家電商品を取り扱う電気工事店ですが、ちょっとしたリフォームもできます。

ちなみに、この会社は次のような目的でした。

  1. お客様と接点を持つことで人間関係を構築し、また、電気に関してトラブルがあった時に電話をいただける関係を構築しておく。(人間関係構築)
  2. フォロー対策もしっかりしているという、自社に対して安心・安全のイメージをお客様にもっていただく。(会社イメージ向上)

の2つでした。

別に、上記に対して正解・不正解を問うというものではありません。目的の設定は会社ごとに自由だからです。

ちなみに、上記以外に以下の目的を持っていたらどうでしょうか。

  1. お客様と対話ができるので、給湯器以外の家電商品で困っていることや使い方などでわからないことがあるかという顧客情報を収集してくる。(家電の顧客情報収集)
  2. その顧客情報を基に展示会等で紹介する提案商品の見定めを行う。(見込み商品探り)
  3. 築年数を把握して、今後、想定される家のリフォームの情報提供の実施。例えば、梅雨時であれば畳交換。夏場であれば、網戸交換、冬場であれば浴室乾燥機等(リフォームの見込み探り)

本来は、大事な項目がまだあるのですが、ここでは、カットしますね。

今回押さえておいて欲しいことは、重点取組課題の目的が変われば行動が変わるということです。始めの例の目的は、人間関係の構築と自社イメージの向上です。この目的であれば、給湯器の点検が終わればすぐに次の家に訪問します。大事なのは、1日に何件のお客様に訪問できるかになるからです。

この目的に、家電の顧客情報収集、見込み商品探り、リフォームの見込み探りという目的が追加されれば、行動はどのように変わるでしょうか。

給湯器の点検が終わった後、すぐに次の家に訪問するのではなく、対話が必ず生まれます。そして、1日に何件のお客様に訪問できたかだけではなく、どんな情報が収集できたか、そしてどんな見込みができたのかということも重要になってきます。

なんとなく当方の言っている意味は理解できるでしょうか。

ある会社で新規開拓を実施するときにチラシを配布して手渡しをしていくという取組がありました。

目的が、チラシの手渡しである人は、多くの人にチラシを渡していきます。

目的が、チラシの手渡しと、チラシを渡す時に競合の情報が入手できれば入手するということであれば、競合の情報も集まってきます。競合の情報がわかればチラシの内容を変えることができます。

これが、重点取組課題の目的を明確にする重要性です。

目的によって、行動が変わってきます。

ここからは、少し余談になりますが、上記の例はまだ良い方です。ひどい会社になれば、取組課題の目的を社員に確認すると、「会社がやれと言っているから」という言葉が普通に返ってきます。

あるいは、「その取組課題をやる目的は」と聞くと、目を丸くしてキョトンとしている営業マンもいます。

このような場合は、完全に上司の責任になります。目的が社員に理解されていないのに、結果だけの責任を追及するのは本末転倒になります。

重点取組課題が決まっている会社は、なぜ、その取組をするのか、社員ひとりひとりに聞いてみることをお勧めします。もし、答えがバラバラであれば、これを改善するだけで成果は変わってきます。

この当たり前のことが出来ていないのに、重点取組課題の項目だけを変えて、新しい取組をやっている気になっていれば要注意です。

あなたの会社では、重点取組課題の目的が決まっていますか?

 

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