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相手の判断基準を知ることの意味

SPECIAL

ブランディング営業体制コンサルタント

H&Cブランディングマネジメント株式会社

代表取締役 

中小企業のための、「ブランディング営業体制」を構築するコンサルタント。営業スタッフのみならず、全社をあげて、企業価値をしっかり守り、価格競争をせずに確実に売れていく体制づくりを指導する。

「もう断る理由がありませんね、どうぞよろしくお願いします。」

 以前、お客様に言われてとても嬉しかった一言です。弊社のサービス導入を検討して頂くこと数ヶ月。様々な可能性を想定し考えられる問題点を一つ一つ丁寧に潰して行くと、「後はやるだけ」というところに行き着くのです。

経営者の皆様であれば、このように顧客のニーズや課題に一緒に向き合い、突き詰めて行くというシーンを思い浮かべていただけると思いますが、ここまで来ると何やら“同士“のような関係になり、コトが始まる前から達成感に近いものまで感じてしまうことがあります。不思議ですよね、

お互い初めは無論アカの他人ですが、相手が抱える課題に対して、「いったいどうしたらこのトンネルを抜け出せるのか?」「どうすれば次のステージに上がれるのか?」という同じテーマで知恵を絞って行くウチに、いつの間にか“信頼”という心の架け橋ができ、相手が欲することや課題を感じているところ、心の闇の部分まで見えてきたりするものです。この仕事をやっていて良かったな~と思う理由の一つです。

このような出来事は保険営業マン時代にもよく経験しました。当時、他の営業マンと違い、「件数」や「効率」を追うのではなく、常にじっくりと相手と向かい合い、お互いの可能性を見い出せるかどうかに時間を費やす営業スタイルで、どちらかと言えば「質」を大切にする考え方を持っていました。そのせいで、スタートダッシュが遅く、いつも期の途中までは目標未達が続くのですが、後半一気に追い上げる感じの成績表でした。(ちなみに私は…ウサギとカメならカメさん、北風と太陽なら太陽が好きです、余談ですが)これは、どちらが良い悪いというお話しでは無く、営業マンでも経営者でも、ある一定期間の目標をいかに達成するか?を求められていることに変わりは無いが、そのやり方をどうするか?によって結果の出方が違いますよね、というお話しです。

最近よく耳にする「付加価値サービス」や「高単価商品」などは、多分、しっかりと信頼関係が構築できた(又は、公に信頼できる情報がある)状態でないと販売・導入は難しいと思われます。

一方、既にある一般的な商品やサービスの場合はそのモノ自体が認知・信頼されていますので、信頼関係の構築という工程は必要無く、むしろそんな面倒なコトはいいからさっさと持って来てよ…という世界になってしまいます。この場合、相手の判断基準は明確で、概ね「早い」か「安い」か「多い」が喜ばれます。

しかし、前者の場合はどうでしょう?確かに「遅くて(手間を掛けて)」「(値段が)高くて」「少ない(希少)」には価値がありそうですが、相手が何を良しとするのか?想像が難しいケースがほとんどです。

先日も、あるエステサロンの経営者と話していた時のこと、「一番人気のあるコースはどれですか?」とお聞きしたところ、「お顔からボディまでのトータルコースですよ」と。「お客様の年齢層は?」とお聞きすると、「40代~50代の主婦層です」と。きっとお肌や体系に悩みを抱えた美意識の高い女性がたくさんいらっしゃるのかなと思って聞いていると、「この地域は、持ち家率が高く、中でも両親と同居の家庭が多いんです。平日、ご主人のご両親とずっと一緒にいるとストレスが溜まっちゃうから、なるべく長い時間居ることができるトータルコースが人気なんですよ」とおっしゃっていました。

全てがそうと言う訳ではありませんが、エステの腕前や使っている化粧品のブランド、金額などの前に、「家から出られる」「愚痴を聞いてくれる人がいる」というのが選ばれている理由の一つだと聞いて、面白いなと思う反面、妙に納得しました。ここの経営者はこれに気づいているからこそ、“豪華な店づくり”では無く、“落ち着ける対話型の空間づくり”に徹底しリピーターが後を絶ちません。一般的な商品やサービスではなく、不要不急の付加価値を求める顧客のニーズは本当に多岐にわたり、判断基準の幅の広さに驚かされます。これは法人営業も個人営業も同じことです。

経営者の皆様。御社の顧客が求めるものは「早い」「安い」「多い」ですか?それとも「遅い」「高い」「少ない」ですか?もしも後者の場合、ただ聴いているだけの営業スタイルに終始していませんか?相手の判断基準は理解できていますか?

付加価値を求める顧客のニーズは多様化し、これまでと同じやり方、これまで通りの考え方では満足してもらえません。まずは自社の顧客を“知り”、何を基準に判断されているのかを“知る”ことから始めましょう。御社の価値は常に顧客からジャッジされているんですよ。

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