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モノを変えずに売る「クチ」3つの秘策。

SPECIAL

商品リニューアルコンサルタント

株式会社りぼんコンサルティング

代表取締役 

商品リニューアルに特化した専門コンサルタント。「商品リニューアルこそ、中小企業にとって真の経営戦略である」という信念のもと、商品の「蘇らせ」「再活性化」「新展開」…など、事業戦略にまで高める独自の手法に、多くの経営者から注目を集める第一人者。常にマーケティング目線によって描きだされるリニューアル戦略は、ユニークかつ唯一無二の価値を提供することで定評。1969 年生まれ、日本大学芸術学部文芸学科卒。

繭玉、コクーンのパッケージを開くと、出てきたのは生まれたての「犬」。ソニーの犬型ロボット「AIBO」の最新モデルが、今、続々と出荷されているそうです。

さまざまなご家庭に納品され、実際に人やリアルなペットたちと暮らす様子を、今朝のニュース番組で検証していました。

注目すべきは、幼稚園くらいの子供たちの行動です。

子供たちは、AIBOのお家をつくったり、籐籠にブランケットを入れ「AIBO用ベット」をつくってあげたり、朝ごはんをあげたりしている様子が映し出されていました。

今までペット用だったアイテム、そして幼児対象のおままごと用のアイテムが、AIBO用に生まれ変わる瞬間を目にしました。わたくしたち作り手が思いもしない方法で、使ったり、楽しんだりするのが消費者です。商品サービスを変えなくても「売れる」方策がここにあります。

毎回わたくしのブログをお読みくださっている経営者様からご質問があり、「先生のブログを読んでから、時代がすごく変わってきてる、っていうことに気がつきました。自分が変わっていかなければいけないですね。そこで相談なんですが、、、」とのことで、社長はご自身が変わらなくてはならないことに気がつき、いままで先送りしていた定番商品のパッケージがなんとも古臭い、ぜひリニューアルしたい、と。

わたくしは、変える必要はありません。そうお伝えしました。

社長は突き放されたような気分になったのか、えっ?、と曇った表情です。確かに、毎回当コラムでは「変わりつづけながら売る」ということをお伝えしています。2018年になって、さまざまな媒体で「時代の転換点、変わろう。」と過剰に煽っている流れがあります。結果、焦ってさまざまな施策に駆け込む経営者が増えているように感じます。

わたくしどもの商品リニューアルの基軸は「商品サービスを変えずに売る」です。本質的な視点から、まずは「変えなくていい」部分を見極めることがキモとなります。

冒頭でご紹介したAIBOのケースを思い出してください。犬型ロボットは、四角い箱から生まれるのではなくて「繭型」のパッケージに包まれて届きます。繭のカタチ、といえば、今までの事例ではシルク関連の製品がこうした意匠を採用しています。パッケージデザインの視点に立てば、繭型デザインは変えずに、中に入ってくる物を変える。つまり商圏が変わる、ということを意味します。

では、トイメーカーの視点ではどうでしょうか。今までは、人間の幼児向けの商品サービスをたくさん造ってきたはずです。「おままごとアイテム」はそのままに、使い手を人から「犬型ロボット」にする。商品価値は変えないで、使い手を変えることで新しいマーケットが動き出す例です。

変わるために変わらない」。世の中が「変わろう変わろう」と言いはじめてきた今、安易に迎合しないことが重要です。

話を戻して、ご相談者の商材は地元特産(北関東)のお茶。静岡県、鹿児島県など全国各地に競合がありますが、そもそもが地元の生活者に「知られていない」という状況でした。まず着手するべきことはパッケージのリニューアルではないことに、直感的に気づくことが求められています。

そのためには日頃から、商品サービスを3つの「クチ(口)」視点でチェックしてみてください。その3つのクチとは、

 ・クチコミ

 ・クチに合う

 ・入口、出口

です。弊社独自の視点ですが、

1.クチコミ→知られているか、口コミの仕組みがあるか?

2.クチに合う→今のお客様の感覚にフィットしているか?

3.入口、出口→ビジネスの入口と出口が設計してあるか?

ということです。わたくしどもの商品リニューアルコンサルティングでは3つの「クチ」が揃ってはじめて「商品」と呼び、クチ3つ”のリニューアルこそが、商いの道。そう定義しています。

「変わらなきゃ」という熱い想いを持つことも必要。それ以上に大事なことは、冷徹な視点で3つの「口」を俯瞰することです。

「変えること」だけをお考えになってはいないでしょうか?

「変えない」「変えてはいけない」基軸が事業における「どこ」なのか?

「変える」と「変えない」を明確にし俯瞰した設計図はありますでしょうか?

商いに口、口、口で「商品」です。全体性からの点検、検証、改善が求められています。

 

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