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賃上げに関する経営者の基本的なスタンス

SPECIAL

成長支援部づくりコンサルタント

ヒーズ株式会社

代表取締役 

会社の大元となる「総務」を革新すれば、すべての事業部に影響を与え、顧客志向になり、驚くほど業績が伸びる。経営者が着手すべき、「成長支援部づくり」を指導。

賃上げに関する経営者の基本的なスタンス

最近クライアント先の社員さんとのセッションで、よく使っているのが、「給料が今の5倍になったら、どう感じますか?」という質問です。

「嬉しい!」「やる気が出ます!!」という回答もあれば、「(嬉しいけれど)何か裏があるのでは・・・」「(やる気は出るが)また下がったらどうしよう」というように、ちょっと複雑な心境を口にする回答もあります。

安倍首相自ら企業に対して、3%の賃上げを要請するなど、賃上げに対する関心は例年以上に高まっています。

もちろん、経営者としては、ブラック企業でなければ、日頃の働きに応えるためにも、社員の給料を上げたいという気持ちは持っておられるかと思います。しかし、お金の投資効果という点から見ると、3%給料が上がったからといって、売上高が3%以上伸びるとは限りません。

また、社員の方から見ても、給料が3%増えたとしても、下がらないよりはいいけれど、それで今まで以上にやる気が増すという状況にはならないのではないでしょうか。そして、中小企業の場合、利益率が低いと、3%の賃上げで赤字に陥る場合だってありえます。

一方、2018年度税制改正に盛り込まれる法人税減税案では、「大企業は1人当たりで前年度比3%、中小企業は1.5%の賃上げをすれば、法人税の負担を最大で20%減らす」というように、賃上げしなければ会社じゃないというような雰囲気すら生まれつつあります。

このような時、経営者に求められるのは、冷徹な計算感情を読み取る力嫌われる勇気です。

冷徹な計算という点では、中長期的にキャッシュフローを確保するという視点を忘れずに、他社動向に関わらず。当社の場合、いくらまでなら賃上げが可能なのかという数字をはじき出しましょう。その時、3%という数字に囚われないことがポイントです。

次に、感情を読み取る力という点では、社員が本当に力を発揮するためには何をどうすればよいのかを一歩踏み込んで捉えることが求められます。社員の不満や不安は給料以外のところにもいろいろ潜んでいます。

そして、たとえケチだと思われても、できない時はできないと決断することが大事です。経営者が自分の評判ばかり気にして、社員の人気取りに走ると、ろくなことになりません。

給料が上がれば、社員はもっと働いてくれると思うのは、経営者の幻想です。一方で、社員が会社のために働くのは、給料をもらえるからというだけではないという実態もあります。

「今回3%の賃上げは見送るが、3年後には給料を5倍に増やす」

自社の事業に大きな可能性があれば、そんな会社があっても、良いのではないでしょうか。

 

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