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社長が持つべき、自社の優位性を築くために欠かせない視点

  キラーサービス(特別対応の標準化) 中川洋一 SPECIAL
中川洋一 SPECIAL

キラーサービス(特別対応の標準化)コンサルタント

株式会社キラーサービス研究所 代表取締役 中川洋一

経営革新コンサルタント。特別対応を標準化することで、ライバル不在で儲かる、「特注ビジネス」づくりの専門家。倒産状態に陥った企業の経営再建から、成長企業の新規事業立ち上げまで、様々なステージにある数多くの企業を支援。イレギュラー対応を仕組みで廻して独自の市場をつくりだす画期的手法に、多くの経営者から絶大な評価を集める注目のコンサルタント。

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ヘーゲルの弁証法という考え方があります。テーゼ(安定)、つまり世の中で広く信じられていることや受け入れられていることに対してアンチテーゼ(否定)をぶつけ、その対立する両者を合わせ飲んでアウフヘーベン(止揚)することで、高い次元の新たな解決策(ジンテーゼ・新たな安定)を示すというもの。

なにやらカタカナが並んでしまいますが、要は「人や社会は否定によって成長する」という考え方です。

哲学者や思想家というのはこのような弁証法に基づき、どう考えても正しいと思われていることをわざわざ否定し、それを乗り越えて新たな世界観を示すことを生業として生きるという、言ってみれば苦しい生き方を選択する人々でありますが、実はビジネスにおいても全く同じことが求められます。つまり、この資本主義社会で生き抜くためには、「否定によって成長する」ことは避けられないということです。

ビジネスにおいてテーゼとは業界で「いい」とされる事業や商品・サービスということになりますが、多くの企業がこのテーゼをなぞり、基本的には同じ路線で「より良いもの」を提供しようとします。特に日本企業はこれを得意としてきました。オペレーショナル・エクセレンス(OE)という言葉がありますが、「同じ事業を同業他社より上手にやる」という発想です。

右肩上がりの「大きな物語の時代」にはこのOE型の経営でもやっていくことができました。需要が画一的、しかも供給を上回っているので、他社と同じことをやっていてもそれでよかったわけです。

しかし、需要が細分化された「小さな物語の時代」を迎えた今、いくら「いい」商品やサービスを提供したところで、それが他社でも提供できるものであれば選ばれず、はっきりした「差」をつける必然に迫られて価格競争に陥ってしまうのです。

この部分はセミナーでも時間を割いてご説明していますが、企業の利益の源泉というのは、「いい」商品やサービスを提供することではなく、「他社とは違う」ものを提供するということ。これがこの資本主義の構造であり、現実です。

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一方で、ならば差別化が必要だとして、ライバルのやり方にアンチテーゼ(否定)を投げかけ、自社の優位性を訴える。これも多くの企業がトライしますが、その差別化の手法が品質、素材、機能、利便性などを改良するといった、競合と同じレベルの発想にとどまるため、結局のところ大した差とは認めてもらえない場合が多いのが実態です。

類似は差異に先行する」といいますが、差をつけているつもりが大枠では似てしまっていて、お客様からしたら「同じ穴の貉(ムジナ)」。そのレベルの差別化で自社の優位性をいくら訴えても、痛い感じでセールス色が出てしまい、やはり選ばれないということになります。

業界のテーゼを追従しても、テーゼと同じレベルでアンチテーゼを投げかけても、いずれにしても競争優位性を築くことはできません。ライバル会社よりも優位に立ち、お客様から選ばれるためには、テーゼもアンチテーゼも飲み込んだ、一段も二段も視点の高いところから発想した新しい価値を提供する必要があります。これがアウフヘーベンするということです。

そのためには、自社がどう、他社がどうという視点をグッと引き上げ、業界を構造的に俯瞰し、お客様のために業界全体を変えていくという意識レベルの高さとリーダーシップが求められます。

過去の時代は業界の“ベストプラクティス”を真似すればなんとかなりましたから、コンサルティング会社も業界縦割りのところが多く、「不動産専門」「飲食業界専門」といったコンサルタントが重宝されました。

しかし、いまの時代にコンサル会社にお金を出して、自分の業界の「テーゼ」をなぞっても意味がないどころか、自社をどんどん埋もれされるだけということになります。やるべきことは真逆です。テーゼを追従するのではなく、アンチテーゼを投げかけ、業界に対して新しい価値(ジンテーゼ)を示していく。この世界が資本主義である以上、これは企業規模の大小を問わずすべての企業に求められる姿勢です。

そして、業界のテーゼを否定するということは、少なからず自社のやっていることも自己否定することになります。自分たちが正しいと思って長年やってきたことも、一旦突き放して客観的に視点で見直していく。そうした自己否定を乗り越えて、「自社のあり方」を昇華させることが真の差別化につながります。

こういった自社も他社も、当然顧客も含んだマーケットという構造に切り込んでいくという視点が自社の優位性を築く上で絶対に必要です。現場レベルの「仕事の進め方」をいくら一生懸命にカイゼンしたところで、お客様に対して新しい価値を提示することにはつながりません。

なにごとも全体設計ありきです。戦略的優位性(Strategic Excellence)あっての業務プロセスの優位性(Operational Excellence)ということです。戦略的アプローチを抜きにして、OE型の発想で新商品を開発しても、いまの商品を刷新しても、仕事のやり方を仕組み化しても、営業を強化しても、すべて無駄になります。部分最適をいくら積上げても全体最適にはならないということです。

自社の優位性を確保するため、そしてお客さまに新しい価値を提供するために、自社のあり方からアンチテーゼし、自己否定を乗り越えて成長していきましょう。

 

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儲かるキラーサービスを つくる社長の視点
中川洋一

キラーサービス(特別対応の標準化)コンサルタント

株式会社キラーサービス研究所代表取締役

中川洋一

執筆者のWebサイトはこちら http://ksli.co.jp/

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