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「MY」からはじまる商品リニューアル

  商品リニューアル 古崎千穂 SPECIAL
古崎千穂 SPECIAL

商品リニューアルコンサルタント

りぼんコンサルティング 代表 古崎千穂

商品リニューアルに特化した専門コンサルタント。「商品リニューアルこそ、中小企業にとって真の経営戦略である」という信念のもと、商品の「蘇らせ」「再活性化」「新展開」…など、事業戦略にまで高める独自の手法に、多くの経営者から注目を集める第一人者。常にマーケティング目線によって描きだされるリニューアル戦略は、ユニークかつ唯一無二の価値を提供することで定評。1969 年生まれ、日本大学芸術学部文芸学科卒。

当コンサルタント開催セミナーがあります。

最新号の日経ビジネス(2018.12.03 No.1969)の特集“「残念な商品」の法則〜物はいいのになぜ売れない?”は、興味深いレポートです。キャッチコピー、パッケージデザイン、プロダクトデザインなどの観点から「消費者から受け入れられない理由」を現場の声を中心に検証した楽しい内容になっています。

コンサルティングにおいても、まさにクライアントさまの第一声が「物はいいのに売れない」という言葉です。「昔は人気だったけど、今は売れなくなっている」「支持してくれるファンがいるけれど確実に減ってきている、高齢化が原因で…」というお話も出てきます。

さらに、自社でプロジェクトチームをきちんと組んでリニューアルに取り組まれる会社もあります。現実的には、商品コンセプトをリニューアルできない、既存商品に似てしまう、商品コンセプトが出てきても「何が売れるのかがわからない」し「お客さんが買ってくれるかわからない」と悩まれます。そして、ご相談にいらっしゃるケース。プロジェクトでの限界を感じ早々に見切りをつけていらっしゃった場合は幸運です。第三者を交えて考えるという発想がない場合は、先送りしてしまう。その間に半年、一年が過ぎ・・・という場合もあります。

日経ビジネスをお読みになったとき、たいていの方は「確かにこの事例は残念だよなぁ」と共感できるはずです。こうした記事を一歩引いた目で読むときは「なるほど、その通りだ!」と頭で理解できています。しかし、現実はどこの企業でも「自社のことがわからない」のです。そして「わからなくなってしまう」のが現実です。わたしたちが己の姿を360度ぐるりと俯瞰して見ることができないことと同じです。

ゆえに、わたくしたちコンサルタントが第三者として俯瞰しながら伴走した上で、わからなくなっている自社商品について、ごちゃごちゃしている問題、課題を交通整理する必要があります。その時に、商品リニューアルによるヒットの根幹となる「方程式」があります。それは、

 〈S〉×〈T〉×〈M〉

という掛け算です。この3つの要素を深め、掛け合わせてゆくことが商品リニューアルによるヒットの鉄板的方程式です。

 〈S〉ストロングポイント・強み

 〈T〉トレンド

 〈M〉マーケティング

リニューアルヒットの法則はシンプルな3つの要素のかけ算です。中でも最も重要なのが、いちばん最後に掛け合わせる(マーケティング)です。

このマーケティングは「顧客のいる市場に対するアクション」という一般的なマーケティングではありません。弊社方程式のマーケティングとは「Marketing Yourself=自分にマーケティングする」ことです。Marketing Yourselfのアクションこそが商品リニューアル戦略における起点であり、キモです。

これは四半世紀の実務経験を通して編み出したオリジナル、かつシンプルな方程式です。先ほどお伝えしたように、商品リニューアルの第1回目のコンサルティングにおいて、ほとんどの経営者さまが「何が売れるのかわからない」「どうしていい物をつくっているのに売れないのか」ということで混乱されています。

そこで〈S〉×〈T〉×〈M〉の掛け算を導くための整理をします。この時「自分にマーケティングする」という意味を理解できるかたは一握りです。大抵の場合「自分にマーケティングって、わたしは購買層じゃないですよ。私自身に質問したって、考えたって売れるか売れないかわからない」と口を揃えておっしゃいます。ここが、大事な分かれ目です。

Marketing Yourself=自分にマーケティングする」とは「ご自身をどうとらえるか」という問題であり、一度「生活者としての自分」を取り戻すことが求められています。ここに気づくかどうかです。

商売のプロフェッショナルである経営者も、裸になればひとりの生活者。顧客と同じひとりの「人間」です。お母さんがいて、お父さんがいて、何も持たずに生まれてきたはずです。たくさんの人の中で育ち、やがて友ができ家族できます。そして、生活者として朝があり夜があり、生活者としての24時間があるはずです。Marketing Yourselfとは生活者として自分自身の日常を考えることです。

ターゲットが絞られていない既存商品を、ワーキングマザー向けの商品にリニューアルするのであれば、ご自身のお母様、奥様やお嬢様、姉妹の日常を思い巡らせてみてください。その時、ご自身の実感はどうでしょうか。???であれば、そこから始めればいいのです。そこから始めずして、Marketing Yourselfの起点なくして、ぜったいにヒットは生まれません。

わたしたちは自分の頭でしっかりと「自分ごと」として商品について考えない限り、人の心を動かすようなパワーのある商品はぜったいに生まれません。自分ごとでない商品リニューアルの企画は、必ず自分以外の他者(他社)に依存してゆきます。広告代理店の誰々先生、市場調査などなど、いくらでも「売れない理由」を後付けすることになります。

自分ごとでなければ、人を説得することもできないし人の心に訴える言葉も弱くなり、戦力商品としては力の弱いものになります。つまるところ、どれだけ「ご自身で想像し、ご自身の頭で考えたか」が全ての起点なのです。

自社商品について出てくる「物はいいのに売れない」「売れるかどうかわからない」「このコンセプトでいいのかわからない」等々の問題の根源はMarketing Yourselfが弱いからです。自分にマーケティングし、仮説を生み出す強い確信があってはじめて、リニューアルヒットに近づきます。

商品リニュアールの基本である掛け算〈S〉×〈T〉×〈M〉。もっとも大事で、内包する問題の多くを解決するのは「Marketing Yourself=自分にマーケティングする」ことです。わたくしは、Marketing Yourself、の頭文字をとって「商品リニューアルは“マイ”からはじまる」とお伝えしています。ヒットは、だれのものでもない「私」の想いから生まれるのです。

 

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【社長直轄】商品リニューアルの着眼点
古崎千穂

商品リニューアルコンサルタント

りぼんコンサルティング代表

古崎千穂

執筆者のWebサイトはこちら https://rbnc.jp/

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