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「なんでも自社で」がいいとは限らない

SPECIAL

知財・ライセンスの収益化コンサルタント

株式会社 IPMaaCurie(アイピーマーキュリー)

代表取締役 

知的財産、マーケティング、マネジメント…を融合し、ライセンスによる収益を恒常的に得る仕組を創るコンサルタント。「見えない有益資産」である知的財産を見える化し、将来、億単位の収益向上に繋がる新たな収益力を引き出す独自の仕組みづくりに定評がある。

「社長、貴社がある会社と進めている製造販売委託契約の骨子ですが、ここに、商標を使用してよいという項目がありますが、相手は商標登録をしているのですか?」

「後藤さん、それがしていなんです。こちらで商標登録をして自社ブランドとして売りたいんですが大丈夫ですか?」

これは、先日私が支援をしている会社で、ある会社との製造販売委託契約の骨子を定める交渉をしており、その骨子案を拝見した上での私と社長とのやり取りの一部です。

私からは、まだ売れるかどうかわからない(社長も、どれだけ売れるか疑問を感じておられます)製品に対して、委託されているだけの会社が独自に権利を取得・保有する際のリスクを説明し、現時点では委託元で商標登録をしてもらい、貴社は使用許諾を受けて販売し、合わせて特許、商標保証してもらったらどうかというアドバイスをしました。

「相手が保有していないから権利を取得する」
 「自社で権利取得しないとブランディングできない」
という考えも確かにありますが、そこには、将来のビジョンと現状のリスクを天秤にかけて判断する必要があります。

今回の事例の場合は、製品が後発であり、売れるかどうかわからないということと、製品にはネーミングと製造元が記載されることから、両方セットでブランドになる、つまり自社で商標を保有していなくてもブランディングはできるという判断のもとでのアドバイスでした。まずは委託元でしっかりと知財管理をしてもらうことが肝要ということです。

もし製品が売れたら、そのときに自社が販売する地域だけ商標権の譲渡をしてもらえばよいのです。

必ずしも自社で権利保有することが得策ではない場合もあります。

よくよく検討しましょう。

 

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