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変化に備えるために

SPECIAL

環境戦略コンサルタント

合同会社オフィス西田

チーフコンサルタント 

環境戦略アドバイザー。数々の多国間環境条約や、国連が提唱する2030年のための持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)を参照しながら、サーキュラーエコノミーなど企業として取るべき環境戦略や、環境対策を通じた長期収益構造の改善などをアドバイスしている。

コロナ禍で市場環境が大きく変わったと言われるビジネスは少なくありません。つい先日も、「出張がなくなって、飛行機や新幹線に乗らなくなった」「カードのマイルが貯まらないし、旅行にも行けないので減らない」という声を聞きました。仮にコロナが完全に収束しても、移動せずに人と会ったり話したりできる利便性を、私たちもそして本来の旅先にいる人たちも気づいてしまったという事実は、厳然たる変化だと思います。つまり、この分野についてビジネスモデルは大きな見直しを求められているということになります。

コロナ禍は誰も予想できなかった大きな変化ですが、ビジネスにはいつ何時変化が訪れるかわからないという側面が確かにあります。変化に備えて、という警句はしばしば耳にするのですが、他方で何にどう備えて良いかわからないという声も聞こえてきます。

コンサルタントが良く提案するのがBCP:Business Continuity Plan (事業継続計画)の策定です。これは主に地震などの大規模災害を想定して、緊急時の対策や手順をあらかじめ決めておこうとするものです。確かにBCPを準備しておくことは有用ですし、事業体であれば一定の効果は期待できるので、汎用的でもあると思います。でも残念ながらBCPは、作ってさえおけば変化に対応できるという魔法の道具ではありません。

非常時の事業継続への備えと根本的な変化への対応は、そもそも全く違うカテゴリの経営行動なのです。コロナ禍では発生後のスピードも急激でしたが、根本的な変化とはむしろ長期的な視点で捉えられるべきものです。その意味で、冒頭のべた出張の減少などはコロナ禍以降も続く変化でしょうから、根本的かつ長期的なものであると言えるでしょう。他方で非常時の事業継続は、それが災害対策であるならば即応的で比較的短期的な対応だと言えます。その後の復旧プロセスを経て、ビジネスモデルは元あった形へと戻ってゆくことが想定されるのが一般的だと言えます。

根本的かつ長期的な変化への備えをどうやって準備すればよいのか?ここでご提案できるのが、社員や関係者と雑談をすること、なのです。しかも「今から30年後を想定して」とりとめもない話をすることがとても重要だと申し上げておきます。なぜそうなのか?

日常業務で顔を合わせる方々とは、本来運命共同体を形成しているはずなのに、実はかなりの純度で日常業務に関する話題、つまり短期的なことしか話さない関係です。これは何も日本だけでなく、それがビジネス関係である限り、世界のどこに行っても事情はさほど変わりません。長期的と言ってもせいぜい3年から5年の中期計画があればマシな方、どうかすると再来年の姿が良く見えないという事例も珍しくないことでしょう。

「30年経ったら、うちのお客さんはうちの製品やサービスを使っているか?」「そもそも30年後にうちのビジネスは残っているか?」「30年後の技術や社会はどんなふうになっているか?」など、話題は何でも構わないのですが、とにかく自分たちが生きていないかもしれない遠い将来のことを話してみます。

最初は話題も続かないかもしれません。でもあれこれ考えていると、今から30年前の平成3年あたりのことなら割と思い出せる部分も出てくるのではないでしょうか。インターネットやスマホがなかった当時の話、CDショップやビデオレンタルショップなどが全盛でしたね。それが今や過去のビジネスとなりました。そういうノリで考えたとき、30年後になくなっているサービスやプロセスは何なのか?たとえば仕事で使うFAXは生き残っているのか、みたいな話であれば、何となく見えてくるのではないかと思います。

まじめな顔して考える話題でもありませんので、お茶の時間や飲み会トークでも全く結構です。リラックスしておちゃらけず、少しはアタマを巡らせること。一度や二度では十分とは言えませんで、何度か繰り返し「2050年の自分たち」について考えると、そのうちどこかで誰かがきらりと光るアイディアを出し始めます。

できればそれを関係者で共有する機会を持ってください。ゆるーい全社キャンペーン、みたいな感覚で取り組まれるのが良いと思います。結果については、みんなで共有できればしめたもの、多くは何も見えないと思います。キャンペーンと言っても即効性はほぼ全く期待できません。

でもそうすることで、超長期の問題意識のタネを心に植え付けることができるのです。それをめげずに1年続けてみてください。知らず知らずのうちに、未来を意識するよう社員の考え方に変化が出てきます。長期の変化を先取りしたかったら、先取りする形で変化のタネを植え付けること。辛抱強く続けることできっと変化は表れてくるはずです。

変化を先取りして動こうとする会社を、当社は全力でサポートします。

 

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