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お客様の「殻」を破る商品リニューアルのやり方

SPECIAL

商品リニューアルコンサルタント

りぼんコンサルティング

代表 

商品リニューアルに特化した専門コンサルタント。「商品リニューアルこそ、中小企業にとって真の経営戦略である」という信念のもと、商品の「蘇らせ」「再活性化」「新展開」…など、事業戦略にまで高める独自の手法に、多くの経営者から注目を集める第一人者。常にマーケティング目線によって描きだされるリニューアル戦略は、ユニークかつ唯一無二の価値を提供することで定評。1969 年生まれ、日本大学芸術学部文芸学科卒。

会食でのこと、「“苦しくてもしんどくても努力は報われる”っていう言葉に、感動しました! 」と競泳の池江璃花子選手の話題で持ちきりです。池江選手は4日行われた日本選手権兼五輪代表選考会の女子100メートルバタフライで優勝。東京五輪パラリンピック出場を内定させました。コロナ禍だからこそ、経営者、生活者、多くの人が励まされ彼女の言葉をかみしめています。しかし注目したいのは別の言葉です。

その言葉は、化粧品ブランド「SK-II」が発信するキャンペーンフィルム第1作目「センターレーン」の中にあります。映画監督の是枝裕和氏が手がける5分の短編で、クライマックスの3分10秒、池江選手がひとり、プールサイドで何かを考えている姿が映し出されます・・・。やがて顔をあげ、そして立ち上がります。次のシーンではスタートレーンに立ちナレーションが入ります。

自分が泳いでいるだけで、

勇気をもらったって

言ってくださる方も

たくさんいたりするので

だけどよく考えたら、

その周りの人たちのために

泳いでいるわけじゃなくて、

自分が水泳が楽しいから

泳いでいるわけであって

人に左右される話ではないかなって

思っています

だれかのために泳いでいるのではなくて、楽しいから泳いでいる。池江選手は力強い言葉でわたしたちに語りかけています。

いま多くの企業が「パーパス」と利益の両立を叫び始めています。パーパス=Purposeとは、目的や存在意義を表します。日用品を扱う会社であれば、持続可能な暮らしを約束する「サステナブルリビング」を掲げ、まず自社の存在意義を掲げた上で、商品サービスをお客様に買っていただき、利益をあげることが求められています。一方、企業の使命や存在意義のコミットだけでは、お客様は商品やサービスを選びません。

大手コンビニエンスストアチェーンのセブン-イレブン・ジャパンは、昨年の9月から「お会計セルフレジ」を順次全国で導入すると発表しました。半年経って、町のセブンイレブンでセルフレジが浸透しています。

キャッシュレス化も浸透し、企業側の高効率化が進んでいます。「手から手」の商売は「コロナ禍」ますます淘汰されています。生産効率をあげるためのIT化、ロボット化こそが、わたしたちを幸福にする道筋。それは本当? 「手から手」じゃなくなったからこそ、失ったものがある。ここに新しい商品やサービスが生まれる「タネ」、商品リニューアルのタネがあります。

コロナ禍、わたしたちは「接触」を避ける生活が続いています。巣ごもりの時代が続いています。生活者は「巣」という「殻」に閉じこもっている状態です。「ネット通販、時々コンビニ」というライフスタイルさえも無人化です。何が足りませんか? 何に飢えていますか? そして、飢えさえ感じない「心の殻」に閉じこもったお客様をどうやって動かしますか?

わたしたちの多くが池江選手の言葉に動かされています。池江選手の何にわたしたちは心を動かされ、感動するのでしょうか。それは、全身から発せられる喜びのオーラ、楽しんでいる表情、目の輝きです。つらくたって、苦しくたって、好きだから、楽しいから泳いでいるんだという思い。充実感あふれる表情に感動するのです。「いいなぁ」「すてきだなぁ」「自分もそうありたい」と抱える己の苦境と照らし合わせながら、池江さんの笑顔にエネルギーをもらい心を動かすのです。

翻って、リアルにおいても、ネット通販においても、何かに突き動かされるような強い気持ち、想像するとゾクゾクして鳥肌がたってしまうような、細胞がシャンパンの泡のごとく騒ぎたつような、エネルギーが自分の中から立ち上がるような、そんな肌の感覚を欲しています。心が動かなければ、行動(購入やオファー)できないのです。ネット通販や無人化する店舗に欠けているものはなんでしょうか? 「便利」で「ラク」で「安く」て「早い」、そして「清潔」な暮らしに欠けているものは何でしょう? 皆が同じ方向へと進んでゆく中、同一の価値観のなかで、欠けているものは何でしょう? 

感動したい! 心の殻を破りたい! 昨日よりたのしい今日にしたい!  すなわち、この商品サービスを「手に入れてみたい! 」「好きだから欲しい!」。この商品やサービスで「夢をこの手でつかんでみたい!」「憧れを手にしたい! 」「店員さんのはじける笑顔を見たい! 」。そんな風に、実人生において、暮らしの中で「心」を動かしたいのです。「心」に届く商品サービスを求めているのです。

自社でできることがたくさんあります。自社の商品サービスの原点に帰り、人の心に届き、人の心を動かす商品サービスにリニューアルする取り組みが待たれています。「殻」にとじこもった生活者の心を打ち破る商品サービスが待たれています。大手企業がやらないし、できない唯一無二の市場をつくることに、この世に存在している自社の存在意義を、魂を打ち込んでいくのです。

効率化の時代、IT化、DXが勝つことのようにコマーシャルされている時代です。それは、本当? それをそのまま鵜呑みにしてよいの?  例えばSNSの「安全神話」もいまや幻想だと気づかされる毎日です。一方「大切なものは決してお金にかえてはいけない」と生涯伝え続けてきた宇沢弘文氏が再注目されています。常識は移り変わり、生活者の価値観もまた日々変化しています。

今ある「当たり前」や「常識」にすでに強い影響を受けていませんか? 商品やサービスを再創造するわたしたちこそ、夢を大きく深く、そして高く描くことです。人の心に届き、人の心を動かす商品サービスにリニューアルしていくこと。時代の変化をつかみながら、ここに一点全集中することが求められています。

 

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