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伸びようとする会社が確保すべきもの

SPECIAL

環境戦略コンサルタント

合同会社オフィス西田

チーフコンサルタント 

環境戦略アドバイザー。数々の多国間環境条約や、国連が提唱する2030年のための持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)を参照しながら、サーキュラーエコノミーなど企業として取るべき環境戦略や、環境対策を通じた長期収益構造の改善などをアドバイスしている。

いわゆるスタートアップと言われる段階の企業などがそうですが、今から伸びようとする会社にとって、取り組みの成否を占うために重要なチェックポイントがあります。それは「労働分配率」をしっかりコントロールできているかどうか、という点です。

いささか小難しいこの指標は、人件費÷付加価値で計算されます。付加価値とは、売上高から外的購入価額(原材料費や外注費)を控除したもの、とされますが、簡便法であれば売上総利益で代替することができます。

ポイントは、この比率が50%前後に収まっているか、という点です。社員が満足する給与を払って、なおかつ付加価値の50%前後を固定費と利益に充てられるだけの儲けを確保できているかどうかです。

ちなみに一般的な企業の労働分配率は60%前後と言われており、70%になるとだいぶ厳しい経営状態であるとされています。

また、マクロで見た日本の労働分配率は55~57%で低下傾向にあると言われています(https://jp.reuters.com/article/cmpny-labour-idJPKCN1PX0KU)。景気が良くない分だけ、賃金も下降傾向にあると言うことだと思います。

50%は低い数字に見えますが、従業員は比率で給与をもらうわけではないため、仮に50%であっても満足する水準の給与がきちんと支払われていれば問題はないわけです。

よく言われる話として、「良い人材を集めたいなら、地域の平均水準より10%高い給与を設定せよ」という定説があります。人手不足のご時世に「良い人材」の価値はいつにもまして高まっている、ということですが、他社より10%高い給与を払ったうえで、なおかつ50%の付加価値を手元に残すためには、それだけ厚い粗利を取っていなくてはならない、ということになります。

固定費を削減し、商材の品質を上げ、あらゆる努力で達成すべきターゲットが「競合より10%高い給与を払ってなおかつ労働分配率を50%に抑えられるだけの粗利」であることがお分かりいただけると思います。

さて、ここが重要なのですが、一般的とされる60%と目標値の50%の差は何か?それこそが「会社を伸ばすための武器」、平たく言えばボーナス原資ということになります。きれいに10%確保できなくても、ある程度のまとまった金額を確保しておくことで、たとえば新規事業や多角化など、伸びるための取り組みを下支えする切り札を手に入れられることになるのです。

伸びようとする会社にとって、ビジネスモデルの確立も顧客確保も、販路獲得も極めて重要な経営課題であることは論を待ちません。しかし本当に成長を実現しようとするならば、最初の数年をかけて「労働分配率50%を達成する」取り組みにこそ重点を置かれてください。

これをクリアすることで、成長軌道はぐっと実現性を増すのです。コロナ禍にもめげず、成長を模索する企業を当社はいつでも全力で支援しています。

 

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