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補助金・助成金を「正しく」活用する

SPECIAL

バトン承継コンサルタント

承継イノベーション研究所(株式会社think shift)

代表取締役 

これまで後継経営者を100名以上支援・指導し、自身も後継経営者として実績を出してきた、後継者支援の実績と後継経営者としての経営実務の実績とをあわせ持つ、バトン承継コンサルタント。
後継経営者が「ただ」事業を引き継ぐだけではなく、「自分らしい」経営を行うことで経営の革新を引き起こす、「承継イノベーション」を提唱している。

バトン承継コンサルタントの浅野泰生です。

気がつけば、今年もあと1ヵ月。

これまでは夕方に、コロナの感染者数を確認して一喜一憂するのが日課となっていましたが、最近は翌朝の情報番組で知るくらいになりました。

日が経つにつれ、関心事も変化していきますね。

年末で一区切りという心境になりがちですが、コロナで停滞していたものを取り戻すために来年に向けて切れ目なく準備をしていきたいものです。

さて、本日は補助金・助成金の活用方法についてついてお伝えいたします。

補助金・助成金の「問題点」とは?

コロナ禍の影響もあり、今年も補助金や助成金の施策がたくさん公表され、活用されました。こちらをお読みの方も申請されたり、受給し事業へ活用されている方も多いのではないでしょうか。

ところで、補助金と助成金というものを区別せずに使っている人を見かけますが、皆さんはその違いをご存知ですか?

補助金は、主に経済産業省の管轄で、要件を満たした上で事業計画等の審査を経て支給されるか否かが決まります。申請したからといって支給されるものではありません。

一方助成金は、主に厚生労働省の管轄で、定められた要件を満たせば基本的にはすべて支給されるものです。

今回は、これらの違いをお伝えしたいわけでありません。
補助金や助成金(以後「補助金等」)の活用において感じる問題点について、まずはお伝えしていきます。

補助金等の支給額は多いもので数千万円のものもあり、会社経営において少なくないインパクトがあります。
借入金と違い基本的に返済する必要はないので余計にありがたい存在です。

ですが、私が問題だなと感じているのは、補助金等の受給自体が目的になってしまうこと。補助金等が欲しいために、会社の方針や重要なルールを補助金等の要件に合わせてしまうことです。

例えば分かりやすいところですと、ある助成金の要件に、就業規則の作成があります。

10人未満の会社には作成義務もなく、そればかりか実態としてほとんどの中小企業は就業規則などつくっていません。

だからと言って、就業規則がないことを正当化するつもりもありません。

問題なのは、助成金の申請代行をする会社などに勧められて、助成金受給の要件に合致した雛形をそのまま自社の就業規則にしてしまうことです。

本来であれば労務に対する方針とも言える就業規則は会社の重要なルールといえます。
事業の戦略や、経営者の考えが反映されるべきものであり、あればいいというものではないはずです。

また、今年の大きな目玉の施策といえば事業再構築補助金。

コロナ禍で業績の悪い業界などに向けて、事業の大胆な再構築をめざし、事業や業種転換をさせるなどの事業の再構築を促す目的の補助金です。

現在4次公募が始まっておりますが、最初の公募が始まったときには、補助金欲しさに安易な新規事業で申請している会社が少なくなかったと聞いています。

またこちらのケースでも申請代行をする会社が補助金ありき、もっと言えば支援する自分たちの手数料ありきで勧めているケースも見られました。

新規事業の開発はどの会社にも大きなテーマです。

長期スパンでの目標設定や戦略づくりが前提となり、そのために新規事業を開発する必要がある。そこに補助金の要件が当てはまれば申請するというのが本来の姿です。

このあるべき姿から考えると、補助金や助成金の要件や審査のために、実態に合わない制度を導入したり、審査を通過するために新規事業を考えたりすることは、本末転倒ではないでしょうか?

補助金・助成金はあくまで手段

補助金等がいただけることは、会社経営にとって非常にありがたいことは確かです。

ただ、会社の方針を曲げてまで、ましてや社長の意図と違う規程をつくってまで、補助金等の要件に合わせることは愚の骨頂です。

会社の方向性や社長の方針があくまで「主」であり、実現させるための「手段」として補助金等の活用があります。

来年も様々な補助金等の施策が活用されると思います。
すでにいくつかの補助金等の見直しの話も耳にはいってきています。

繰り返しになりますが、補助金等の要件にあわせて経営方針を変える、制度を変えることは本末転倒であるということを忘れず、経営の目的・目標のために手段としての補助金等を積極的に活用していきましょう!

 

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