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理解して、考えて、行動する

SPECIAL

オルタナティブ経営コンサルタント

合同会社オフィス西田

チーフコンサルタント 

カーボンニュートラル、SDGs、サステナビリティ、サーキュラーエコノミー、社会的インパクト評価などへの対応を通じた現状打破と成長のための対案の構築と実践(オルタナティブ経営)を指導する。主な実績は、増客、技術開発、人財獲得、海外展開に関する戦略の構築と実現など。

ある日何の前触れもなく、それまでとは違う新しい経営課題に遭遇して、何をどうしたらよいか判断に迷う。経営者であれば誰もが経験するシーンです。多くの場合、それには予兆があって、その時にしかるべき行動を取っていれば大事にはならなかったのかもしれないのですが、予兆の段階で何をどうすれば良いか判然としなかったことから、様子を見ているうちに影響が大きくなってきた、というような場合です。

最近の例では、カーボンニュートラルへの対応がそれに当たると思います。ある日突然、取引先からCO2発生量の報告を求められる、さらには具体的な排出削減策と目標値について報告を求められるなどの事例がすでに出始めています。しかしながら、多くの中小企業にとって、何をどうすれば良いのかが皆目わからないと言うのが本音ではないかと思われます。

そういうときの対応については、物事の基本に戻って考えるのが何よりです。私は「理解して、考えてから行動する」という3ステップの原則を基本とすることをお勧めしています。これは元々経営者としても評価の高いリコーの桜井正光さんの教えだと聞いていますが、どうしたらよいかわからない課題に素直に対峙することによって、経営者として対応しなければならない仕事がおのずと明らかになるという利点があります。

まず「理解して」が第一ステップとなります。カーボンニュートラルについては、パリ協定とNDC(国別削減目標)、菅首相の施政方針演説との関係を把握し、民間企業に何が求められているかを整理しておくと良いでしょう。先日のCOP26の結果や、来年4月に予定されている東証プライム市場の気候変動に関する情報開示要件くらいまでを理解しておけば十分だと思います。平たく言えば、よんどころない事情によって多くの大企業はCO2排出量の情報を開示することになった、開示の対象範囲に取引先の中小企業も含まれることになる、という話です。

その次は「考えて」が第二ステップです。何が自社の選択肢になるのか、どの選択が最善なのか、自社のビジネスとの関係から熟考します。具体的には、通り一遍の計算で良いのか、この際専門家を入れてしっかり計算したほうが良いのか、削減努力は前倒しにすべきなのか、それとも時期を待つべきなのか。個社のみの対応で良いのか、サプライチェーン全体で対応すべきなのか、などがそれに当たります。このプロセスでも、「理解して」に引き続き専門家の知恵を借りるのが時間を有効に使う上ではベターチョイスになることが多いでしょう。

そして最後の第三ステップが「行動する」となります。言い換えれば、理解と考えが不十分なうちは行動を起こすべきでない、と言うことになります。3ステップ原則の、これが最も重要なポイントです。十分に理解し、考えつくすまでは行動を起こすべきでないということですが、他方で経営者としては儲けのチャンスを見過ごすわけにも行きません。チャンスの女神は後ろ髪を持たない、とはよく言われる例えですが、タイムリーな経営判断ができるかどうかが業績を大きく左右します。

CO2排出量のデータを提供できるようになった段階で、それを使ってさまざまな取り組みを実施に移すことが考えられます。サプライチェーン全体での貢献を訴求する方法もあれば、個社の技術開発に注目した訴求法もあるでしょう。金融機関向けのプロモーションから潜在顧客向けのCMみたいな宣伝もあって良いと思います。いずれの場合も、早く動いたもの勝ちなのが2021年末の状況です。

年が明ければ、地球温暖化対策には一層のアクセルがかかるものと予想されます。この機会を逃さず活躍できるような経営判断こそが生き残りへの大きなカギになるのです。そんな要素を大事にするあなたの会社を、当社は常に全力でサポートいたします。

 

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