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インセンティブをどう考えるか

SPECIAL

オルタナティブ経営コンサルタント

合同会社オフィス西田

チーフコンサルタント 

カーボンニュートラル、SDGs、サステナビリティ、サーキュラーエコノミー、社会的インパクト評価などへの対応を通じた現状打破と成長のための対案の構築と実践(オルタナティブ経営)を指導する。主な実績は、増客、技術開発、人財獲得、海外展開に関する戦略の構築と実現など。

ビジネスの仕掛けを本格稼働させようとするとき、ついて回るのが社内対策です。特に新規事業を立ち上げようとするときにはこれが大きな課題となることがあります。社員としては、たとえどれだけ社長の話を聞かされても、それだけでいきなり新しい仕事への強い情熱など湧きようがないからです。長年携わってきた手ごたえのある仕事を任されている社員の場合は特にその傾向が強いと思います。

まずは現場に言われたとおりやってもらい、何らかのフィードバックをもらう、そんな態度で臨むしかないというのが実施責任者の本音でもあったりします。そういうとき、ポイントになるのがインセンティブの設計です。

ベンチャービジネスであれば、社長と社員といっても実質的には個人対個人の色彩が強くなりますので、「どれだけコミットするか」に対して「報酬はどれだけ欲しいか」を確認することは別に難しい話ではありません。

ところがいったん成熟した組織文化をまとってしまった会社の場合、従業員との間で改まってこの点を確認することが意外と難しい、と言う事例が少なくありません。

後者の場合、私がお勧めしているのが「プロジェクト型ボーナス制度」です。ボーナスであれば、基本給の上昇による構造的なコスト増にはなりにくいですし、プロジェクト型として一過性の扱いになることで全社が一体となって継続されている人事システムや給与体系に掉さすこともありません。

この場合、重要になるのは「それが有期のプロジェクトであること」、「ボーナスは別財源で確保されており、成功報酬として提供されること」、そしてこれは言わずもがなですが、「すべては社長が責任を持つこと」を、できれば直接社長の口からリアルな場面でしっかりと伝えることです。

財源として、全体で労働分配率を6割以内に収めるような財源措置を講じるのが良いでしょう。金額は可能であれば平均的社員の年収手取り金額の半分程度を目安とし、「半年分の実入り」は社員にさまざまな夢を見させてくれます。これが3か月分だと、インパクトがやや弱いと感じる人も出て来ます。何よりも先立つもの(財源)あっての話ですので、金額決定に先立って具体的な財源の規模と対象となる人員を決定します。

いわゆる賞与として、年二回定期的に薄く広く配布するおカネとは違い、プロジェクト型ボーナスは「手を挙げて成功した人」に対する報いです。それだけのリスクを背負って頑張ろう、と言う人に向けて見える化されたチャンスそのもの、と言えるかもしれません。

具体的な金額はプロジェクトの採算性や会社の規模によっても異なりますが、売上高10億円超の会社で労働分配率が50%~55%くらいの会社であれば、ぜひ検討してみては如何でしょうか。

従業員のインセンティブを工夫することで社員の能力を最大限引き出そうとされる経営者を、当社はいつも全力で応援しています。

 

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