話し相手がもたらす効能


そもそも、自身がそんな難しい課題に遭遇しているのかどう、日常的な場面が連続する日々の中ではしっかりと認識しづらいものです。他方で企業経営は、常に新しい課題への答えを見出し続ける必要があるという側面がついて回るため、経営者でいる限り「難しい課題」から逃げおおせることは不可能です。そしてその多くが、被雇用者である社員とは所詮共有できない、経営者一人がすべてを背負って解決しなくてはならない性格のものであることが多いのです。
そんな時に役立つのが、「話を聞いてくれる話し相手」を確保しておく、という方法です。相手は、あなたが孤高の経営者であることをわかってくれて、あなたの話を聞いてくれる人であれば、それ以上の資格要件を必要とするものではありません。場面に応じてそれは、人生の先輩だったり家族だったりしますが、あるいはスナックのママであったりするかもしれません。
いずれにせよ「ただあなたの話を聞く」というだけの役割なのですが、そういう人がいるだけで、あなたの心にある重荷がひとときでも聞き手の心に仮置きされ、あなたの心にほんの少しだけスペースが生まれます。実はこのスペースこそが最大の効用で、そうするとその空きスペースを活用して、あなたのアタマはいろいろな工夫を始めます。人と人の組み合わせを考えたり、ビジネスとビジネスの接点を検討するなど、それまで心にスペースがないためにできなかったあれこれが、まるで氷が溶けてゆくように働きだすのです。
これこそが、人と話すことで得られる最大のメリットであることを自覚している経営者は少なくありません。営業に係る大方の話であれば、社員がその相手という場合も少なくないかもしれません。でも経営者である以上、どうしてもそうできない部分は必ず手の中に残るはずです。資金の問題、相続の問題、事業承継の問題その他、そういう部分についてもなお、相談相手がいるだけで心の軽さがぐんと違ってくるのです。
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