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売上イコール?と言われたら(2)

SPECIAL

環境戦略コンサルタント

合同会社オフィス西田

チーフコンサルタント 

環境戦略アドバイザー。数々の多国間環境条約や、国連が提唱する2030年のための持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)を参照しながら、サーキュラーエコノミーなど企業として取るべき環境戦略や、環境対策を通じた長期収益構造の改善などをアドバイスしている。

先週は、「売上=客数×客単価」と言う黄金の方程式を前提に、客単価を上げるにはお客様が納得するだけの価値提供が必要であること、社会善の提供はそれだけで客数増につながる価値であることまでをお伝えしました。今週は「ではなぜ社会善が客数増につながると言えるのか」についてお話したいと思います。

このところ、特に大企業の間では社業を通じた社会善の追求を当然視する考え方が急速に高まってきています。平成の30年間を通じて発生した、度重なる経営の不祥事がもたらした変化だと言うこともできますが、眼に見える大きな転換点としては2019年に米国のビジネスラウンドテーブルによって宣言され、翌年のダボス会議でも支持された「ステークホルダー資本主義」によって、企業は株主のためだけに存在するわけではない、社会のために存在するのだと言う考え方が支配的になったことが決定的だったと思われます。

顧客の側、特にB to Bの世界では需要家側もこの変化を尊重しないとビジネスが成り立たないと言う意識が次第に強くなってきています。具体的にはCO2削減への対応が先行していますが、それ以外にも生物多様性保全への取り組みやジェンダー平等への対応などが注目されています。

これにより、企業会計原則も大幅な見直しが進められており、社会善への取り組みがすなわち企業価値である、とされる日も遠くないと言われています。

他方でステークホルダーという冠がつこうがつくまいが、「~資本主義」である以上コスト追求の手が緩められるはずもなく、価値が同じならより価格が安い方が選好されるという原則にはいささかも変わりがありません。

つまり、少しばかり社会善を実施しているからと言って、かつてのフィランソロピーやCSRのように、それが追加的なコストである、だから追加的に負担してくれというままでは顧客に受け入れられるはずもないのです。価値相応の価格に加えて社会善への対応をしっかり取っていることで、価格以上の価値を認められてこそ、初めて客数(実際の顧客数と、顧客ごとの取扱量の両方が該当します)を増やすことができるのです。

とはいえ相応の価値には相応のコストがかかります。CO2削減もタダで実現できるほど生易しいものではありません。会計制度の見直しは、それを含めて企業努力を正当に評価するために行われているのです。

コストをかけて社会善への対応を進めるなら、それに合わせてぜひ可視化の努力を実施してください。そうすることで価値を訴求し、相対的に客単価を上げる(顧客からみればお値段以上の価値を得られる)ことが可能になります。

価値訴求に成功すれば、その事業は世の中から求められるようになり、客数(実数も、取扱量も)は確実に伸びてゆきます。

売上イコール、客数×客単価。この方程式はそんな未来を端的に表現しているとも言えるのです。

 

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