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住宅・工務店コンサルタント

株式会社 家づくりの玉手箱

代表取締役 

住宅・工務店コンサルタント 。規格住宅を高付加価値化させ、選ばれる工務店となる独自の展開手法「シンボルハウス戦略」を指導する第一人者。
営業マンとして自分が欲しいと思わない住まいをお客様にお勧めする仕事に疑問を持ち、ある工務店でどうしても家を建てたくて転職、鹿児島へ 。15年間で173棟の住まいづくりをすまい手目線で担当。そこから編み出された、選ばれる工務店となる具体戦略を、悩める中小住宅会社ごとに実務指導中。

東京の川辺の緑

 

子供の頃、大阪の淀川河川敷で毎日遊んでいました。淀川は滋賀県の琵琶湖から流れてくる大きな川です。もう少し流れていくと海という場所でしたから川幅は広く、堤防を越えると野球のできる四角い河川敷がたくさん出来ていました。休日にはその場所を取りあって子供も大人もいっしょになって早起きを競っていました。なんと早い者勝ちだったのです。

通っていた小学校の校歌の歌詞には「葦」が歌われていました。作曲当時の淀川は土の堤防で「葦」だらけだったそうです。でも私たちの在学中には、その近辺では実物の「葦」は見たことがありませんでした。コンクリートの堤防と、ただ埋めたてただけの河川敷しかありませんでした。それでも、野球のできる場所が出来てみんな喜んでいました。当時は子供も多く、あらゆる公園・車の少ない道路では野球をしている子供だらけでした。

東京都内で歩いていると、気持ちのいい緑が多い気がします。多摩川にも広い河川敷があって、野球場がいくつもあります。大きな木も生えていたりして、夏場はよい休憩場所になっていました。仮設トイレもいくつか常設されていて、トイレを気にせずにゆっくりできるのです。先日行った時には、テントを持ち込んで犬たちと遊ぶ人たちに出会いました。

 

↑大きな木陰もあって、犬も人も幸せそう(多摩川の河川敷)

 

もっと街中である八丁堀あたりを歩いていた時に、川辺にベンチのある公園がありました。座ってみると、そこから「葦」が生えているのを見つけました。「半世紀前に淀川でも見られなかったのに」と思って近づいてみると、人口的に育ちやすい植え込みスペースが作られていて、ちゃんと管理されているようでした。

近所の人に尋ねてみると「東京湾を通る船からの波を消すために最近になって植えられたのだ」とのことでした。満潮時には船による波がいろいろと悪さをしていたのだそうです。

 

↑川辺に整然と葦が生えています(隅田川支流の亀島川)

 

↑よく見ると、人口的に管理されています(川の街路樹みたいな感じです)

 

 

世田谷区の等々力には有名な『渓谷』があります。夏場のそこは山の中のように涼しくて、大人気スポットになっています。「渓谷っていうけど大したことないんやろう」と思っていましたが、一度見てみたくて歩いてみました。そうすると『渓谷』感十分の場所でちょっと驚きました。

高校時代、有名な滝のある箕面というところに通っていました。関西のちょっとした観光地です。学校からその滝までよく部活のランニングをしていましたが、そのコースが渓谷沿いの道でした。等々力の渓谷にも、箕面の滝道のような空気感が漂っていました。意外や意外。しかし、見上げると環八通りという大きな道路が交差しており、不思議な感覚の場所でした。

 

↑都内の『渓谷』は環八通りと立体交差しています(等々力渓谷)

 

 

 

東京の街中の緑

 

都内では街中でも緑を感じる場所がたくさんあります。30年以上前から通っている場所もありますが、最近の方が植物の魅力を感じるようになったと思います。密集したビルだらけの街で、大通り以外は木を植えるスペースなどそもそも無いわけです。どうして緑が増えたのか?考えてみると、屋上・バルコニー・壁面での緑化が激増しているのです。

そういった緑化手法は、通常どおり地面に植えるのとは違って管理コストがかかるはずです。それなりに地価の高い街ですから、以前は珍しかった手法も一般化してきました。「居心地よくすること」でのプラスの経済効果も検証されたのでしょう。そして、何より参入者が増えたことで管理方法が確立されてきたようです。

植物元来が持つ都市での課題として「陽当たり」がありますが、屋上・バルコニー・壁面での緑化は日照を得るには抜本的な解決になるケースもあります。都では、ヒートアイランド対策として、緑化事業などさまざまな対策を推進していて、都や区単位で様々な助成金もあるようです。

 

↑今だけのプレミアムな日照と眺望(渋谷区の公園を含む再開発予定地)

 

↑壁面緑化は珍しくなくなってきました(渋谷の都営アパート近く)

 

 

助成金があるからか、小規模な建物にも壁面緑化が多く見られます。正直、条件の悪い場所に無理やりといったものも散見され、管理が大変そうです。五反田を歩いていたら、いかにも陽当たりのよくない中途半端なのを見つけました。これは過保護にしないと生きていけなさそうです。傍に目をやると、隣の建物の雨どい足元にたくましい連中がいました。誰の世話にもなっていなさそうですがしっかりしています。

人間の中にもこういった両者が存在することを想起させる景色です。

 

↑エントランスの壁面緑化(五反田の小さなビル)

 

↑傍にあった雨どい足元の天然緑化(こちらのほうが気になってしまいます)

 

 

 

東京の店舗の緑

 

東京滞在の間は、行った先々で色々なお店に入ってみます。概して女性客比率が高いほど、居心地や味の魅力度に長けている傾向があります。(価格は別としてですが) そういう人気のお店では、室内の緑もここのところ大胆になってきました。それこそ室内ですから日照条件は良いはずもなく、ほとんど陽がささない環境だってあります。

それにもかかわらず、店内が生きてる本物の植物で満たされている場所が多くなりました。また、そういったお店には大勢のお客さんが通ってきている様子も感じ取れます。気に入ったところには、自分も定期的に通ってみることにしています。そして、お店の人に管理の苦労を聞かせてもらうようにしています。

管理のことを尋ねてみても「早番」専門のバイトの人だったら全然わかっていない場合もあります。でも、日々管理に携わっている「社員」の人などと話す機会があると「よくぞ聞いてくださいました!」とばかりに、猛烈に語り出す人もいます。

そういった「苦労人」の話を総合すると、

 

●植物の特性に合った適材適所の計画
 ●環境維持のために必要な初期投資
 ●専門業者さんと店舗側の役割分担

 

といった点がポイントのようです。でも、それらの条件が整えば「意外といけるものだ」というのが実践している人達の、おおむねの見解です。以前でしたら、オープン直後は本物の植物で満たされていた店内が、徐々にフェイクに入れ替わっていくケースをよく目撃しましたものですが、こういった分野でも技術革新が進んでいるようです。

「需要」あるところに「進化」あり。です。

 

↑テーブルにバラの生花が生けてあります(南青山のお花屋さんがやっているカフェ)

 

↑お店の中に山の中がつくってあります(表参道のアウトドアショップ)

 

 

 

社長の会社では理想を掲げ、毎年そこに近づく努力をされていますか?難易度が高いからと、あきらめてはいませんか?

 

 

 

 

 

 

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