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社長が、年商10億目指すと決めた時に、最初に獲得すべきスキルとは?

SPECIAL

年商10億事業構築コンサルタント

株式会社ワイズサービス・コンサルティング

代表取締役 

指導暦18年、これまでに200社以上の実務コンサルティング実績を持つ経営コンサルタント。「10億円事業構築」に強みを持ち、直近5年では、導入後数年で年商数億が10億越えをした企業は20社以上と驚くべき成果を出している。

専門コンサルティング会社のN社長は席に着くなり次の言葉を出されました。
「先生、すみません、また社員が辞めることになりました。」

N社をお手伝いさせていただくようになって2年が経ちます。
業績は昨年対比115%と大きくはないが伸びています。

仕組みも整備され、スタッフも増員しており、会社の状況は良いはずです。

しかし、社員が辞めるのです。それも優秀な社員がです。
私には、その理由が全く掴めずにいました。

この日の最後に来期の経営計画書について確認をしている時に、それが判明することになります。
驚くことにN社長は「社員に意見を求めることを全くしていなかった」のです。


チーム運営では、二つの成功を収める必要があります。
一つは、『コンテンツ』です。

そのチームでは、1年なり3カ月なりの期間、その目標達成のために活動します。
その結果、何かしらの成果を手に入れることになります。
「一つの現場を収めた」、「基幹システムの入替えが完了した」など。

その結果が狙い通りのものになっていること、すなわちコンテンツの成功です。

そして、もう一つは『プロセス』です。
その現場やシステムをつくる過程を指します。

人は、そのプロセスの出来次第で、やる気を出したり無くしたりします。
また、人は、そのプロセスにより成長をします。

この状態をプロセスの成功と言います。

このように、チーム運営においては、二つの成功が必要となります。
狙い通りの成果物を得た、参加した者のモチベーションも高く成長が出来た。
この二つを収めた時に、そのプロジェクトは成功したと言えるのです。

リーダーとは、この状態に導くプロフェッショナルだと言えます。
限られた資源と限られた時間のなか、どうすれば良いものを作れるのか。そのために、どのようにすれば彼らの力を発揮させられるのか。

そのために、メンバーを巻き込むためのプロセスを考えます。そして、実際にチームのメンバーを巻き込んでしまいます。その結果狙い通りの成果を得る、これこそがリーダーなのです。これこそがリーダーの力なのです。


会社として何かの施策を進める時には、社員の協力を得る必要があります。
それが出来ないと、一向に事は進まないことになります。または、社長自らが動くことになります。または、「脅迫」という手段を用いることになります。

彼らの協力を引き出すために、我々も『巻き込み』を考えます。
一つの施策を進めるうえで、社員を巻き込むタイミングは、大きく3つあります。

タイミング1.解決の方向性を決める段階
問題が起きました、または、それに気づきました。すぐにメンバーを招集することにします。
そのメンバーと共に、問題の分析から対策案を出し、重視する考え方を示し解決の方向性を決定します。

タイミング2.素案の段階
その解決策を企画書という形でまとめました。書面にすることで、その実行策はより具体的になっていきます。また、文章だからこそ、他の人と認識を合わせることができます。
その素案を持って説明し、メンバーに意見を求めます。

タイミング3.実行の段階
企画書が完成しました、いよいよ実行に移す段階です。
その実行に関わるメンバーを集めます。そして、その企画書を持って説明します。その内容は主に役割分担と作業手順です。

社員を巻き込むタイミングは、大きくこの3つがあります。
この3つの中から、「どのタイミングで社員を巻き込むか」を考えることになります。

当然、緊急の際には、1も2もありえません。そんな暇は無いのです。3のすべてが決まった後に社員に具体的な行動指示を与えることになります。
しかし、通常であれば、1の「解決の方向性を決める段階」か、2の「素案の段階」になります。

能力の高い社員がいれば1を選ぶのがよいでしょう。それほどでなければ2を選びます。
また、その事案が会社にとって重要であり、彼らがその結果に大きな影響を受けるのであれば巻き込むことが必須になります。

会社における施策の多くは、1か2でのタイミングでの社員の巻き込みによって、進むことになります。

この段階での巻き込みは、一見、手間と時間を喰うようにみえるかもしれません。
しかし、それ以上の見返りがあります。

社員の協力しようという意識は高まり、理解も深まることから、その実行力は格段に上がります。
また、その後も、業務改善のアイディアを出したり、何かおかしい時には報告をくれたりするようになります。そして、その後には、その主体は彼らに移ることになります。

社員がリーダーを務める際にも同じです。このプロセスを考え、その社員が周囲を巻き込めるように裏で動きます。
・その管理者には、メンバーと一度話し合いをするように指示を出します。その会に自分も参加するものの発言はできるだけ控えるようにします。そして、最終的な意思決定を行います。
・いち社員に工場のレイアウト変更の案を作らせます。その社員と打合せを行います。そして、工場の主要なメンバーを招集し意見を求めます。

このようにして、彼らのプロセスに関わり、巻き込みをサポートするのです。


その日のコンサルティングの最後に、来期の経営計画書について確認をしました。

私は、いつも通り「ぜひ素案の段階で彼らに意見を求めてくださいね」と言いました。

彼らとは、N社の幹部や管理者のことです。数名、人材がいるはずです。
経営計画書も同様に「素案の段階」で意見を求めることで、彼らを巻き込むことができます。

N社長は、私の「彼らに意見を求めてくださいね」という言葉を聞いて驚いた様子でした。そして訊いてきます。
「先生、彼らに意見を求めていいのですか?」

どうやら経営計画書は、社長が「すべて」つくるべきものと思い込んでいたようです。
確かに、経営計画書は社長が作るべきものです。しかし、そのプロセスは考える必要があります。
プロセスに彼らを巻き込むことで、その多くのメリットを得ることができます。

この説明を聞いて、N社長は感想を言いました。
「社員に意見を聴くなど、そんな考えは全くありませんでした。」

経営計画書を製本した後、すなわち、実行の段階で彼らにそれを見せるようでは、彼らの支持は得られないことになります。却って彼らは、「社長は俺たちに意見を求めない。俺達のことを当てにしていないのだ」と思うことになります。モチベーションは下がり、信頼も失うことになるのです。

私は、もしやと思いN社長に確認をしました。
「普段から、何かの施策を決める際に、彼らに意見を求めないのですか?」

N社長は、私の目を見返して答えます。
「はい、求めたことはありません。」

この2年間、N社は大きな変革をしてきました。
事業モデルを変え、その仕組みを作ってきました。
その検討をN社長だけでやってきたのです。頭もよく、文章もバリバリ書けるN社長です。
経営計画書だけでなく、新メニューの策定、案件管理の仕方、すべて社長が「完成」させ、社員には「実行」を依頼してきたのです。

これでは、社員の心理状態は良いはずがありません。
特に、N社は専門コンサルティング事業をやっているだけあって、頭の良い社員が集まっています。

彼らが、次のような状況に耐えられるはずがありません。
「新しいメニューです。明日からこれでお客様にご案内をするように。」
「案件の管理をこのシートでやるようにお願いします。」

彼らは、この変更の背景を理解することができません。また、その意味も知りようがないのです。
これでは、彼らは「口を出すな、頭を使うな」と言われているのと同じです。

その結果の退職でした。やはり、頭が良く、やる気のある者から去っていきました。
また、N社の社員の成長が遅い理由もここにあることが予測されます。

私の説明を聴き、N社長は口を開きました。
「私は、プロセスが苦手なのです。」

プロセスの苦手な社長は、少なくありません。今までは、自分で閃いて、自分で動けばよかったのです。それで十分回せてきたし、成果も出してきました。

しかし、事業が大きくなるとそれでは間に合わなくなります。
至る所で、確実な実行とスピードある改善が必要になるのです。
それを担うのが社員であり、それを支えるのが彼らの理解と納得なのです。

この先に進むためには、いままでの年商数億、社員十数名の規模のやり方ではいけないのです。
これからは、年商10億、社員数十名の経営のやり方を身に付ける必要があります。
その一つが、「社員を巻き込む方法」であり、プロセスなのです。

良いコンテンツをつくるためには、
正しいプロセスを踏むことが必要になります。

良い会社にするためには、
正しく社員を巻き込むことが必要になります。

社員を巻き込むという視点を持つこと、
そして、それを実際に行う力を持つこと、
それを得られれば、更に組織をダイナミックに動かせるようになります。

 

 

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