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店舗マネジメントにおける「選択と集中」

SPECIAL

ストック型営業戦略コンサルタント

株式会社南澤コンサルティング

代表取締役 

売上増と安定を同時に手にできる「ストック型営業」の仕組みづくりコンサルタント。
26年間にわたるカーディーラーでの営業経験(その中で店長として5店舗を15年間にわたり統括)から得た知見と実践を通じて、「ストック型営業」の仕組みを独自に構築。「人」を最も重要な資源と位置づけながら、限られたリソースを最大限に活用し、機動的な戦略を決定し、実現するための仕組みづくりを推進することで定評。

 

 

「南澤さん、商品をどこまで絞ったらよいのでしょうか?」ーーーこれは、とある小売店舗の女性経営者の一言でした。

 

商品をどこまで絞るかは、実に難しい問題です。専門店であれば基本的には特定の商品に絞っていますが、専門店でない場合、その選択は極めて重要な問題となります。

 

一般的に、どのような品揃えを行うかは、製品ミックスと呼ばれます。製品ミックスは「幅」と「深さ」で成り立っています。

 

「幅」は扱う製品ライン数です。わかりやすくお伝えすると、例えば、ラーメン、餃子、チャーハンを扱うお店なら製品ラインは3つです。

 

「深さ」は、製品ライン内のアイテム数です。異なる仕様、サイズ、価格、スタイル、カラーなどがあげられます。例えば、ラーメンの味なら、しょうゆ、みそ、とんこつ、サイズなら普通、大盛、特盛などが深さに相当します。

 

これらをもとに品揃えを決定しますが、製品ラインを絞れば「専門店」になり、広げれば「総合店」となります。ラーメンに絞れば「ラーメン専門店」、餃子に絞れば「餃子専門店」、チャーハンに絞れば「チャーハン専門店」としてのアイデンティティを強化できます。

 

同様に、アパレルや装飾品なども「幅」と「深さ」で店舗のポジショニングが変わります。「靴専門店」、「鞄専門店」、「帽子専門店」など、特定商品に絞ることで専門性を持たせることが可能です。

 

逆に、靴も鞄も帽子も扱う総合店であれば、一か所で全てを揃える便利さを提供する一方で、店舗の規模により、それぞれの選択肢は狭まる可能性があります。

 

専門店では、製品を広げる必要はなく、特定の商品の深さを追求することで、尖った商売が可能となります。深さを追求することで、お客様は商品を見比べて買うことができ、専門性が高まり、商圏も広がります。

 

一方で、いたずらに商品のラインナップを広げても深さを追求できないため、商品を見比べて買うことが難しくなります。店舗が大きければ深さも追求できますが、そうでなければ見比べて買うほど商品を揃えることはできません。

 

製品のラインナップは小売店舗にとっては極めて重要です。商品の広さと深さによって、商圏も変わってきます。ターゲット顧客に合わせた商品を選択し、集中する必要があります。さらには、店舗のオリジナリティ、独自性が求められます。

 

そのオリジナリティ、独自性を出すためには「選択と集中」が欠かせません。「選択と集中」は小売店舗においては非常に重要です。特に規模が小さい店舗においては、より重要な要素となります。

 

「選択と集中」は、事業ポートフォリオの決定時に重要視されますが、このように製品ラインナップの決定においても極めて重要となります。

 

さらに、製品ラインナップだけでなく店舗経営におけるマネジメントにおいても、「選択と集中」は重要であると店舗経営コンサルタントの私は考えます。それは人材のマネジメントや販売活動においても当てはまります。日々の営業活動においても然りです。

 

例えば、スタッフにあれもこれも指示したらどうなるでしょうか?あれもこれも完璧にこなせるスタッフが揃っていればそれは成り立ちますが、現実的にはそうはいきません。何もかもやろうとすると、何もかもうまくいかなくなります。ここでは「選択と集中」が必要となります。

 

何もかもやろうとするのは、そもそも戦略ではありません。何をやるかを決定するのが戦略です。やらないことを決めることが戦略的に重要となります。

 

私自身も店長時代に、あれもこれも指示したくなるところを抑えて、何をやらないかを決めて指示することを常に意識していました。これにより、ターゲットを絞った効果的な戦術が可能となり、最終的には長期的な成果を上げることができました。

 

営業活動でいうと、地域の選択と集中もあげられます。重点エリアを絞り、資源を集中することで成果を出しやすくなります。他にも、どのような「顧客層」「顧客」に絞るかなどによって、戦術も変わってきます。

 

このように、店舗マネジメントにおける「選択と集中」は、ターゲットやするべきことを決めて、そこに資源と労力を集中することです。

 

そして、重要なのは、選択と集中は一度決めて終わりではなく、継続的に改善が必要であるということです。そのためには、改善を繰り返す組織、チーム作りを行う必要があります。

 

選択と集中の改善の一環として、顧客のニーズを定期的に分析することもあげられます。顧客のフィードバックを取り入れ、商品やサービスの見直しを行うことで、常に市場の変化に対応できる柔軟な戦略を持てます。

 

その戦略を浸透させて、実行することが不可欠です。現実には、多くの企業でその戦略を浸透させる仕組みが整っていません。戦略を浸透させることで、そこに対して資源、労力を集中することで成果を出しやすくなります。

 

貴社では、「選択と集中」を戦略的に行い、店舗マネジメントに活かしていますか?戦略と戦術を浸透させて実行する仕組みがありますか?

 

「選択と集中」の重要性を再確認し、実行するための体制を整えることが成功への鍵となります。

 

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