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社員が動かない、組織が機能しない、その一番の理由は、文章!?

SPECIAL

年商10億事業構築コンサルタント

株式会社ワイズサービス・コンサルティング

代表取締役 

指導暦18年、これまでに200社以上の実務コンサルティング実績を持つ経営コンサルタント。「10億円事業構築」に強みを持ち、直近5年では、導入後数年で年商数億が10億越えをした企業は20社以上と驚くべき成果を出している。

朝パソコンを立ち上げると、販促物製作ネットサービスを展開するN社長からメールが届いています。
「先生、経営計画書をつくってみました。見て頂いてよろしいでしょうか。」
 
 メールに添付されたファイルを開きます。
そこには、全く整理はされていないものの、オリジナリティのある文章が並んでいます。文章量も申し分なしです。
 
 メールの最後に追記があります。
「いままでも経営計画書を作ってきましたが、それとは全く違うものです。文章をつくるということがこれほど苦しいものだということを初めて知りました。」


文章を書く目的、
それを理解しておくことは非常に重要です。改めて確認をしておきましょう。
 
 文章を書く目的、文章の効用は、いくつもあります。
しかし、『社長とって』という意味では、次のものが最大最高のものになります。
 
 『人に協力してもらうため』
 
 文章に書くものは大きく以下のものになります。
「その目的」、「それを実現する手段」
これは会社組織における全ての文章に共通することです。経営計画書、企画書、マニュアル、すべてが「目的」と「手段」を主軸として構成されます。
そこに必要に応じ「行動計画」や「予算」「考えられるリスク」「役割」などが加えられます。
 
 その書いたものを相手に手渡します。その相手とは、役員であったり管理者であったり、そして、社員であったりします。また、外部の専門家や業者に対してもそれを使います。
 
 その文章により、その相手は、「社長が何を考えているのか」、「何をしたいのか」を短時間で知ることになります。するとそれがスイッチとなり頭が動き出します。
「こういう場合はどうしたらよいのだろうか?」と質問がでます。
「こうした方が効率的でないだろうか」と策も浮かびます。
その結果として口を開くことになります。
知るから脳が動き、脳が動くから考えることができ、その結果として口が開くことになるのです。
 
 そして、口が開くと心が動きます。
その業務を自分事として受け取るようになります。そこに、責任感や使命感が生まれます。
また、理解も納得も深まります。
その結果、「やってみよう」と行動へのモチベーションが高まることになるのです。
 
 同時にそこでは、『協力』が生まれることになります。
その文章で同じ情報を得た者同士が、コミュニケーションを取るようになるのです。
「これはどのように理解したらよいだろうか」「これはこうしたらどうだろうか」
至極当然のごとく、口を開き意見を交わすようになるのです。
チームとしての仲間意識が生まれ、協働を始めることになります。
 
 文章により、人を動かすことができます。
また、チームをつくることができます。


文章の効用は、それだけではありません。
実は、その後ろで、もう一つの効用が発揮されることになります。
その文章を受け取った人からの「信頼を勝ち得ること」になるのです。
 
 相手に文章により、自分の考えや背景などの情報や依頼事項を伝えることは、相手に次のメッセージを発信することになります。
「貴方は重要な人です。貴方の時間は貴重なものです。貴方の力を借りたいです。貴方がその能力を忌憚なく発揮できるようにしたいです。」
だから、「私は文章にまとめ、文章で貴方に伝えている」のです。
 
 これは、相手に自分の誠実さを伝えることになります。また、相手はその能力の高さを感じることになります。その結果、貴方に対する信頼が高まることになるのです。
 
 文章により頭のスイッチを入れる、文章により信頼関係をつくる、
その結果、人と組織を動かすことになるのです。
 
 文章にしないということは、この逆を引き起こすことになります。
口頭で伝えている限り、相手の脳のスイッチを入れることはできません。出来たとしても文章に比べ、彼らが得る情報量は減ることになります。また、その理解度も納得度も落ちることになり、伝えるだけの時間と手間もかかることになります。
 
 その結果、社員が口を開くこともありません。
よく「社員から意見が出ない」や「社員が自発的に考えない」と嘆く社長が居ますが、まずは「文章」を渡しているかどうかを顧みる必要があります。
もし「文章」を渡していないのであれば、スタート地点にも立っていないことになります。
文章を渡しているが駄目であれば、そこに具体性がないなど、その文章の作りがダメな可能性があります。または、自分の態度に対し、彼らが萎縮していたり、言っても無駄という思いになっていたりする可能性があります。
 
 彼らは疑問を口に出すことも無ければ、意見やアイディアを出すこともありません。
当然、責任感や使命感は薄いものになります。結果、モチベーションも低い状態になります。
 
 そして、それが組織全体で起きることになります。
職場は『知り得ない者』の集まりになります。そのため、疑問点の解消や改善案の交換などが起きないのです。その結果、職場には本質的でない、上辺だけのコミュニケーションが蔓延することになります。
くどいようですが、組織全体がそのようになるのです。
 
 そして、社長が口で伝える、または、何も伝えず動けば、社員との溝は更に深まることになります。「自分たちは重要でない」「自分たちの時間は安い」「自分たちは頼りにされていない」とこちらの想いとは関係なく、受け取ることになるのです。
 
 彼らは「また社長が何かやり始めた(暴走し始めた)」と思うようになります。
そして、巻き込まれたら大変と口を閉ざすようになります。
そうして社長に対する信頼も失われていくのです。
 
 彼らは、考えないのではありません。考えようがないのです。意見を出すだけのスタートに立っていないのです。職場全体に「一緒に協力して良い仕事をしよう」という思いは生まれません。自分達で考え改善を続ける組織などにはならないのです。
 
 その理由は、『文章』がないから、唯それだけです。


「経営理念という文章がある」という声が聞こえてきそうなので、急いで補足します。
経営理念は経営者の理念であり、彼らの目的目標ではありません。また、明日からの行動の指針になるものでもありません。
彼らの求めるものは『具体性』です。具体性があれば動けるのです。
彼らは動きたいし、貢献したいと思っています。社長も彼らの幸せを本気で願っています。
でもお互いに不幸、こんな悲劇を繰り返してはいけないのです。
 
 冒頭のN社も、文章が無いことを起因として、次のような事象が起きていました。
 
 事象その1.社員が自社のこと、自社のサービスを説明できない。
N社長が、ある見込客の営業に同席したときのことです。先方の社長から訊かれました「御社の強みはなんですか?このサービスの特徴はなんですか?」。
N社長は当然すぐに答え出てくると思っていました。しかし、その営業担当はしどろもどろでまともに回答できませんでした。その社員は、営業担当になり5年目です。
 
 事象その2.経営計画書が活用されていない。
経営計画書を拝見すると、そこにあるのは「マネ」でした。いやマネどころか「パクリ」です。そこには、N社長やその業界では使わない言葉が並んでいます。その替わりに、社長向けの格言のようなものや社員の心構え、職場のルールが書かれています。
そこにオリジナリティも信念も感じることは出来ません。いろいろ書いてあるようで、何も書いていないのです。
これでは彼らの協力を引き出すことはできません。それどころか、社員からの信頼はダダ落ちすることになります。
絶対に、他者の経営計画書をパクってはいけません。
 
 事象その3.職場に覇気がない。
N社には、方針書もマニュアルもありませんでした。当然、そこで社員同士の意見交換がされることはありません。職場は「やっていることの意味が解らないまま、体を動かしている」社員だらけです。
その代わりに彼らは、「いままでそうやってきた」や「前の担当者がやっていた」という理由で体を動かすことになります。
ゾンビだらけの覇気のない職場はこうして作られるのです。
 
 これらは『文章』がないために起こる事象です。
逆を言えば、『文章』さえあれば、解決する事象であり、起きえない事象なのです。
 
 実の話をすれば、当社のコンサルティングで提供しているものも、少なくない部分はこれにあたります。次のように表現しても間違いではないのです。
・社員や組織を動かすための『文章の書き方』が身に付きます。
・社員を巻き込み、彼らの主体性を引き出す『文章の使い方』を習得できます。
そして
・管理者や社員がマニュアルや企画書をつくる『文章の書かせ方』を自社に導入できます。
 
 その結果、会社を大きく変えることになるのです。
管理者と社員と、そして、仕組みで回る会社になるのです。
そのために必要なのは、社長が『文章』という新たなスキルを獲得することです。
 
 しかし、文章を書くことは本当につらいことです。
文章を書くことに慣れている私でさえも、このコラムを書くのはしんどいものです。
毎週日曜日の夜には「明日はコラムを書かなければいけない」とサザエさんシンドロームになります。そして、実際に仕上げるまで合計6時間はかかるのです。
 
 しかし、書かなければなりません。
今までの年商数億、社員十数名までは、なんとかやってこられました。
全部の社員が目の届くところに居ました。そして、その場その時に、口で指示をすれば動いてくれました。彼らから社長の姿も見えます。
 
 しかし、その大きくなる過程で問題が起きているのも事実です。
「社員が考えない」、「何度も同じ問題が起きる」、「組織の一体感がない」。
これは、年商数億、文章を書かない社長の会社の共通の事象なのです。
 
 文章を書きましょう。
書けるようになりましょう。
 
 文章を書けるようになれば、社員を動かせるようになります。
正しい文章を書ければ、必ず組織が機能するようになります。

 

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