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10社中8社が価格競争に沈む今、営業戦略で生き残る方法とは?

SPECIAL

銀行活用で新規開拓コンサルタント

株式会社結コンサルティング

代表取締役 

銀行活用で新規開拓の仕組みづくりを行うスペシャリスト。31年間の銀行員経験で、法人4,000社以上を担当、審査部担当者としての企業審査は1,000社超の実績を誇る金融のプロフェショナル。
売上が倍増した雑貨メーカー、バックメーカー、新事業を立ち上げた化粧品メーカー、更には海外進出に成功した事例など、累計で100社以上の会社を成功に導いた実績を持つ。

10社中8社が価格競争に沈む今、営業戦略で生き残る方法とは?

いや~、最近は新規案件の受注こそ増えているものの、なぜか利益が伸びない。むしろ、少しずつ利益率が悪化してきている──そんなお悩みを抱える経営者が、当社のセミナーでも急増しています。

「とにかく売上を確保しないと、会社が持たないと思って……。結果、競合他社との値下げ合戦に巻き込まれ、思うように利益が残せなくなってしまいました。このままでは本当に会社が危ないです……」
これは、実際に参加された建設関連企業の社長からいただいた切実なご相談です。

確かに、「売上を作るために多少の値引きは仕方ない」と考えるのは自然なことです。
しかし、気づかないうちに「安売りしかできない体質」に陥ってしまえば、会社は確実に衰退していきます。
そして、この問題の本質は、売上でも利益でもなく、営業戦略の不在にあるのです。

「売上を増やすか?利益を守るか?」という表面的な議論ではなく、
「なぜ8割の会社が価格競争に巻き込まれるのか?」
「そこからどうやって脱出すればいいのか?」
本コラムでは、そうした根本問題を解き明かしながら、
中小企業が価格競争に沈まず生き残るための営業戦略構築法をお伝えしていきます。

はじめに

今、世の中の中小企業はかつてないほど厳しい競争環境にさらされています。
市場が縮小し、顧客ニーズが多様化する中、「営業戦略を持たない会社は生き残れない」という現実がますます色濃くなっています。

実際、統計データを見ても、10社中8社が営業戦略を持たずに価格競争に巻き込まれ、利益を削りながら疲弊していくという驚くべき結果が出ています。
そして、そのほとんどが「売れればいい」「とにかく数をこなせばいい」という短期的な発想で動き、やがて競争に敗れて市場から姿を消していくのです。

もちろん、営業戦略があったからといって、すべてが順風満帆に進むわけではありません。
しかし、明確な戦略なしに今後の市場で勝ち続けることは、ほぼ不可能です。
この過酷な現実を直視し、自社なりの戦略を構築できるかどうかが、今後の明暗を分けるのです。

では、どうすればいいのでしょうか?
重要なのは、「今すぐに営業戦略を立てる」ことです。
しかも、単なる机上の空論ではなく、現場の実態に即し、会社全体が一丸となって推進できるリアルな戦略が必要です。
それがなければ、どれだけ営業現場が努力しても、どれだけ優れた商品を持っていても、成果には結びつきません。

このコラムでは、なぜ営業戦略がこれほどまでに重要なのかを改めて掘り下げたうえで、
「生き残る会社」が実践している営業戦略構築の考え方と行動パターンを、具体的に解説していきます。

今この瞬間から、勝つための戦略を動かす。
その一歩を踏み出すために、ぜひ最後までご覧ください。

1. なぜ8割の会社は価格競争に陥るのか?

市場環境が激しく変化する今、なぜ多くの企業が無謀な価格競争に巻き込まれ、疲弊していくのでしょうか?
この章では、その根本原因を3つの視点から紐解いていきます。

1.1. 「売れるなら何でもいい」営業の末路

中小企業が価格競争に巻き込まれる最大の要因は、「売れるなら何でもいい」という発想で営業活動を行ってしまうことにあります。
売上を作ることに焦るあまり、誰彼構わず商品やサービスを売りつけようとする。
この無差別な営業スタイルは、一時的には成果が上がることもありますが、やがて必ず重大な問題を引き起こします。

本来、営業とは「選ばれる理由」を明確に提示する行為です。
しかし、目の前の売上だけを追い求める営業は、商品・サービスの価値を正しく伝えることを怠り、「安ければ売れる」という誤った構造に陥ります。
すると当然、顧客も価格だけで比較するようになり、結果的に値引き合戦へと巻き込まれていくのです。

特に、価格しか差別化要素がない状態になってしまうと、企業は際限なく利益を削らざるを得なくなります。
それが続くと、社内には疲弊感が広がり、最終的には売上があっても利益が出ないという“地獄のスパイラル”に陥るのです。

売上を作るためにやった行動が、結果的に会社を弱体化させてしまう──。
これが「売れるなら何でもいい」営業の恐ろしい末路なのです。

1.2. 営業と経営戦略のズレが引き起こす悲劇

もう一つ見逃せないのが、営業活動と経営戦略の間に生じるズレです。
本来、営業は経営戦略の一部として機能しなければなりません。
「どの市場を狙うのか」「どんな価値を提供するのか」「どの価格帯で戦うのか」──これらを経営層と現場が共有し、一貫性を持って動く必要があります。

しかし実際には、多くの企業でこの共有がなされていません。
経営層はビジョンを語っているつもりでも、現場には具体的な指針が届いていない。
そのため、営業担当者は現場判断で無理な受注を繰り返し、結果的に価格を下げることでしか受注できない状況を作り出してしまうのです。

このズレが続くと、組織内には深刻な問題が起こります。
現場は「売上だけを求められる」プレッシャーに苦しみ、経営層は「利益が出ない」と嘆き、互いに不信感を募らせる。
やがて、社員のモチベーションは低下し、優秀な人材が離れていきます。

営業と経営がバラバラに動く組織は、例外なく価格競争に沈む。
この悲劇を防ぐためには、経営層が「現場のリアル」を理解し、戦略を共有しながら推進することが不可欠です。

1.3. “強みのない提案”は、結局「値下げ」しか選べない

もう一つ、価格競争に巻き込まれる根本原因が、「強みのない提案」をしてしまうことです。
かつては、良い商品を作れば自然に売れた時代がありました。
しかし、今はどの業界でも競合が溢れ、モノやサービスそのものだけでは簡単に差別化できません。

顧客が求めているのは、単なるスペックの比較ではありません。
「なぜ、あなたの会社から買うべきなのか?」という理由なのです。
ここに明確な答えがないまま提案を続けると、顧客の判断基準は必然的に「価格だけ」になってしまいます。

つまり、強みを打ち出せない会社は、最終的に値引きでしか勝負できない運命にあるということです。
これは一見すると「競争している」ようで、実は「自滅に向かっている」だけです。
しかも、値引きは一度始めると止めるのが難しい。
一度値下げを覚えた顧客は、次も当然のように値引きを要求してきます。

結果的に、どれだけ受注しても利益は減り、会社の体力はどんどん削られていきます。
これは、単なる売上不振よりもはるかに深刻な「経営危機」の入口なのです。

ここまで見てきた通り、
価格競争に巻き込まれる企業には、共通する“負のパターン”があります。
・目先の売上に囚われ、「売れるなら何でもいい」と考えてしまうこと
・営業と経営戦略がズレたまま現場任せになっていること
・顧客に対して「強み」を訴求できず、結局値下げでしか戦えないこと
これらが重なることで、8割の企業が価格競争の渦に沈んでいくのです。

だからこそ、今、営業戦略を本気で見直す必要がある。
このままでは生き残れない。
しかし、正しい道筋を描き直せば、未来は必ず変えられるのです。

2. 営業戦略がない会社が必ず直面する未来

戦略なき営業を続けた結果、企業はどんな未来を迎えるのか──。
この章では、営業戦略を持たない会社が必ず直面する3つの深刻な現実について解説していきます。

2.1. 営業努力が「消耗戦」へと変わる現実

営業戦略を持たない会社では、現場の営業マンたちが「とにかく売れ」という圧力のもとで動かされるようになります。
しかし、戦略なき営業活動は労力の割に成果が上がりにくく、やればやるほど疲弊していきます。

例えば、誰に向かって売っているのか、どんな価値を伝えるのかが曖昧なまま営業活動を続ければ、顧客とのズレは大きくなる一方です。
そのズレを力技で埋めようとすれば、さらに価格交渉に追い込まれ、収益性はどんどん悪化していきます。

一時的に売上が立っても、利益は出ない。
その悪循環が、社員のモチベーションを下げ、組織全体を疲弊させます。

やればやるほど会社の体力が奪われる──これが戦略なき営業の末路です。

2.2. 顧客離れと社員離職のダブルパンチ

営業戦略を持たずに無理な営業を続けると、次に待っているのは顧客離れ社員離職のダブルパンチです。

まず、顧客の立場から見れば、価格以外に何の魅力もない会社と長く付き合う理由はありません。
もし他社がより良い提案をすれば、あっという間に乗り換えられてしまいます。
一度離れた顧客は、二度と戻ってきません。

一方、現場で働く営業マンたちも、やりがいを失い始めます。
・「とにかく売れ」
・「数字を作れ」
・「方法は問わない」
そんな指示ばかり受け続ければ、営業職としての誇りを失い、離職を考え始めるのは時間の問題です。

顧客も社員も、戦略のない会社には未来を感じなくなる。
それが、営業戦略を持たない会社が辿る避けられない現実です。

2.3. 「安いから仕方ない」という悪評がブランドを壊す

営業戦略を持たない会社は、次第に市場でのポジションを失っていきます。
強みを訴求できず、価格だけで勝負し続けた結果、「あの会社は安いけど、質はイマイチ」という悪評が立つのです。

この悪評は非常に厄介です。
価格以外の魅力をアピールしようとしても、顧客の頭にはすでに「安かろう悪かろう」のイメージがこびりついています。
一度ブランド価値が毀損されると、それを回復するには莫大な時間とコストがかかります。

さらに悪いことに、安売り体質に陥った会社は、新たな成長戦略を描く余力も奪われていきます。
人も金も足りない。未来を描くどころか、今日の売上をつなぐだけで精一杯になるのです。

ブランド価値を失った会社は、どんなに努力しても過去の栄光を取り戻せない。
それが現実です。

営業戦略を持たずに闇雲に営業を続けた結果、
会社に待ち受けているのは次の3つの深刻な未来です。
現場が疲弊し、消耗戦に陥る
・顧客離れと社員離職が加速する
・ブランド価値が毀損され、市場での存在感を失う
これらは、いずれも一夜にして起きるものではありません。
徐々に、しかし確実に進行していきます。

そして気づいたときには、手遅れになっている──。

そうならないためには、今こそ「戦略的に営業を組み立て直す」決断が必要です。
次章では、具体的にどのようにして営業戦略を立て直し、生き残る道を切り拓くのかを解説していきます。

3. 生き残るために絶対必要な「戦略営業」の視点

価格競争に巻き込まれず、選ばれる会社へと進化するためには、
単なる「頑張る営業」から脱却し、「戦略営業」へと舵を切る必要があります。
この章では、戦略営業に不可欠な3つの視点について解説します。

3.1. ターゲット選定を徹底する

営業戦略において最も重要な第一歩は、ターゲットを絞り込むことです。
「誰にでも売りたい」「できるだけ間口を広げたい」──そう考えるのは自然なことですが、
結果的に誰からも選ばれない状態に陥る危険性が極めて高いのです。

今の時代、顧客は膨大な選択肢を持っています。
そんな中で曖昧なメッセージを発信しても、見向きもされません。
だからこそ、「誰に、どんな価値を提供するのか」を明確に定義することが、戦略営業の出発点となります。

たとえば、
・特定の業界に特化する
・ある業務課題にフォーカスする
・特定の年齢層、属性に絞る
このように「狭く深く」絞り込むことで、訴求力は格段に高まります。
ターゲットを絞る勇気が、生き残るためには不可欠なのです。

3.2. 「売り方」ではなく「価値の伝え方」を磨く

営業戦略を構築する際、ありがちなミスが「売り方」ばかりにこだわることです。
・どんなトークをするか
・どのタイミングでクロージングするか
・どんなキャンペーンを打つか
もちろん、これらも大事です。
しかし、もっと根本的に重要なのは「何を、どう伝えるか」です。

顧客は商品そのものではなく、商品を通じて得られる「未来」や「成功イメージ」を買っています。
つまり、単にスペックや機能を並べるのではなく、
「あなたがこれを使えば、こんな良い変化が起きます」というストーリーを伝えることが求められるのです。

そのためには、
・顧客が抱える本質的な課題を理解する
・顧客が求める理想像を描き出す
・商品・サービスがその架け橋になることを示す
この流れを作ることが不可欠です。
単なる売り込みではなく、価値を伝える営業。
これができるかどうかが、価格競争を回避できるか否かの分岐点になります。

3.3. 現場と経営が一体で動く営業体制をつくる

どんなに素晴らしい営業戦略を立てても、現場と経営層がバラバラでは成果は出ません。
営業戦略は、単なる「社長の考え」や「机上のプラン」では意味がありません。
現場の営業マンが「自分ごと」として受け止め、行動できる形にまで落とし込む必要があります。

そのために必要なのは、
・戦略の背景を丁寧に共有する
・なぜこのターゲットなのか、なぜこの価値訴求なのかを伝える
・定期的に現場の声を吸い上げ、戦略を柔軟に修正する
こうした双方向のコミュニケーションです。

現場に丸投げするのでもなく、現場を押さえつけるのでもなく、
「同じ未来を目指す仲間」として戦略を共有し合う組織をつくること。
それこそが、強い営業組織の絶対条件です。

現場と経営が一体となったとき、営業戦略は初めて真の力を発揮する。
これを忘れてはいけません。

生き残るための戦略営業には、次の3つの視点が不可欠です。
・ターゲット選定を徹底し、「誰に売るか」を明確にする
・「売り方」ではなく、「価値の伝え方」を磨き上げる
・現場と経営が一体で動く営業体制を築く
これらが揃って初めて、価格競争から脱し、
顧客に選ばれる会社への道が開かれるのです。

「頑張る営業」から「戦略で勝つ営業」へ。
この転換こそが、今求められています。

次章では、勝ち続ける会社が実践している営業戦略の習慣について、さらに踏み込んでいきましょう。

4. 勝ち続ける会社は必ずやっている営業戦略の習慣

「営業戦略を立てたら終わり」──それは大きな間違いです。
市場環境も、顧客ニーズも、競合の動きも常に変化しています。
変化に合わせて、営業戦略を進化させ続ける。
これが、勝ち続ける会社に共通する絶対条件です。
この章では、勝ち組企業が必ず実践している3つの営業戦略習慣について解説します。

4.1. 毎年営業戦略を見直す

勝ち続ける会社は、営業戦略を「一度作ったら終わり」にはしません。
むしろ、営業戦略は“生き物”であると捉え、定期的に見直しを行います。

市場環境が変われば、求められる価値も変わります。
競合他社の動きも日々変化し、昨日まで通用していた戦略が急に時代遅れになることもあります。
にもかかわらず、過去の成功体験にしがみついて戦略を放置すれば、確実に取り残されます。

具体的には、
・半年に一度、営業会議で戦略の現状確認
・年に一度、経営層と現場を交えて営業戦略の抜本的見直し
・大きな市場変化があった場合は、臨時で戦略再策定
こうした機動的な見直しを習慣にしている会社は、環境変化にも柔軟に対応できます。
営業戦略を常に新鮮な状態に保つ。
それが、変化の激しい時代に勝ち続けるための土台となるのです。

4.2. KPI(重要指標)を“営業現場目線”で設定する

営業戦略を実行する上で、KPI(重要業績指標)の設定は欠かせません。
しかし、ここでありがちなミスが「売上目標だけを掲げる」ことです。

売上はもちろん大事ですが、売上というのはあくまで結果です。
その前段階である、行動レベルの指標を設計しなければ、戦略は実行に移されません。

例えば、
・週に○件の新規アプローチ
・○%の初回商談獲得率
・既存顧客への定期訪問率○%
こういった具体的な行動ベースのKPIを設けることで、現場は「何をすればいいか」が明確になります。
これにより、営業マンは迷うことなく動き、マネジメント側も的確なサポートができるようになります。

現場目線で設定されたKPIは、営業戦略を“机上の空論”から“現場で機能する武器”へと進化させる。
これが勝ち組企業の共通点です。

4.3. 売れた理由・負けた理由を徹底検証する

営業活動を通じて得られる最大の財産は、「売れた理由」「負けた理由」の蓄積です。
ところが、忙しさにかまけてこれを軽視する会社は少なくありません。

売れたら万歳、負けたら反省会──この単純なサイクルでは、進化は望めません。
重要なのは、
・なぜ売れたのか?(顧客にとって何が決め手だったのか)
・なぜ負けたのか?(どこで信頼を失ったのか、競合に負けた理由は何か)
を徹底的に言語化し、組織全体で共有することです。

例えば、
・成功案件のヒアリング内容をデータベース化
・失注案件の原因分析レポートを定例化
・月次ミーティングで好事例と失敗事例を必ず取り上げる
こういった取り組みを積み重ねていくことで、営業戦略は“生きた知恵”に進化し、次の勝利を引き寄せる原動力となります。

勝ち続ける会社は、営業戦略に対して3つの習慣を徹底しています。
営業戦略を毎年、もしくは半年ごとに見直し進化させる
・現場目線のKPIを設定し、戦略を行動に落とし込む
・売れた理由・負けた理由を徹底的に検証・共有する
これらの習慣があるからこそ、彼らは「たまたま勝った」のではなく、
「勝ち続ける仕組み」を持っているのです。

戦略は、作っただけでは意味がありません。
進化させ続けてこそ、本物になります。

次章では、中小企業が「営業戦略」で勝ち抜くために社長がやるべきことに迫っていきます。

5. 中小企業が「営業戦略」で勝ち抜くために社長がやるべきこと

営業戦略を実行し、成果を出し続けるために、最も重要な役割を担うのは社長です。
なぜなら、中小企業ではトップの意志決定と行動が、営業組織全体の動きを左右するからです。

この章では、社長が本当にやるべき3つのアクションについて、具体的に解説していきます。

5.1. 営業戦略の立案を「現場任せ」にしない

中小企業にありがちな失敗は、営業戦略の立案を営業部門任せにしてしまうことです。
「営業のことは現場に任せる」──一見聞こえは良いですが、これは極めて危険です。

なぜなら、
・営業現場は目先の数字を追うことに忙殺されている
・戦略的視点よりも「今月どうするか」に意識が向きやすい
・全社のビジョン・経営計画を踏まえた大局観が持ちにくい
という現実があるからです。

だからこそ、営業戦略は社長自身が主導するべきなのです。
・どの市場を攻めるのか
・どの価値を磨くのか
・どの価格帯で勝負するのか
これらを経営の視点から定め、現場に明確に伝え、共有する。
社長がこの旗を立てなければ、現場は迷い、バラバラに動き始めます。

営業戦略を社長自身が立案に関わる──これが、勝ち残る企業の共通点です。

5.2. 「売上目標」ではなく「勝ち筋」を共有する

多くの中小企業では、毎月「売上目標」が設定されます。
もちろん目標設定自体は大切ですが、単に金額だけを掲げても現場は動きません。

大切なのは、「どうすれば売れるか」という勝ち筋を明確に示すことです。

たとえば、
・この業界のこのターゲット層に集中する
・この課題に特化した提案で勝負する
・この導入事例を武器にして提案を組み立てる
といった具体的な勝ちパターンを、社長自ら現場に共有することです。

これにより、営業マンは「どこを攻めれば成果が出るか」が明確になり、迷わず動けるようになります。
結果として、売上目標も自然と達成されやすくなるのです。

目標だけを与えるのではなく、勝ち筋を示す。
これが、社長にしかできない仕事です。

5.3. 戦略的失敗を恐れず、まず動き出す

営業戦略を立てるとき、多くの経営者が陥る罠があります。
それは「完璧な戦略ができるまで動かない」というものです。

現実には、どれだけ考え抜いても、最初から100%うまくいく戦略など存在しません。
重要なのは、仮説を立て、まず行動し、検証しながら修正していく柔軟さです。

たとえば、
・このターゲット層は反応が良いか?
・この提案メッセージは刺さっているか?
・この営業フローは機能しているか?
これらを小さなPDCAサイクルで回していくことで、戦略はどんどん磨かれていきます。

もし失敗したとしても、戦略的なチャレンジであれば、それは大きな財産になります。
成功したか失敗したかではなく、「どれだけ速く検証できたか」が、未来を分けるのです。

完璧を求めず、まず動く。
これが、戦略を本当に機能させる社長のあり方です。

中小企業が「営業戦略」で勝ち抜くために、社長がやるべきことは明確です。
営業戦略の立案を現場任せにせず、自ら主導する
・売上目標ではなく、勝ち筋を具体的に示す
・完璧を求めず、戦略的に素早く動き出す
これらを実践できるかどうかが、
会社の未来を大きく左右するのです。

営業戦略とは、単なる机上のプランではありません。
社長の覚悟と行動が、戦略を「現実の成果」へと変えていきます。

まとめ

いま、中小企業を取り巻く営業環境はかつてないほど厳しくなっています。
実際に10社中8社が営業戦略を持たないまま価格競争に沈んでいるという現実があります。

売れるなら何でもいい、という短期的な発想。
現場と経営のズレ。
強みのない提案──。
これらの積み重ねが、企業をじわじわと追い込み、やがて取り返しのつかない結果を招きます。

しかし、逆に言えば、
いまこの瞬間から「戦略営業」にシフトできれば、未来は変えられるということです。

そのためには、
・誰に、何を、どう届けるかを徹底的に絞り込む
・売り込みではなく、顧客の未来像を伝える営業に変える
・現場と経営が一体となって、戦略を共有・実行する
この3つの視点が不可欠です。
そして、戦略は作って終わりではありません。
勝ち続ける会社は、常に戦略を見直し、行動指標(KPI)を現場目線で設定し、成功・失敗を積み上げて磨き続けています。
これらを習慣にできるかどうかが、3年後、5年後の会社の姿を大きく左右します。

最後に、最も重要なポイントは、
営業戦略は社長自身が主導するものだという覚悟を持つことです。

営業を現場任せにせず、勝ち筋を明示し、完璧を求めずまず動く。
この姿勢こそが、会社全体を「勝つための組織」へと変えていく原動力となるのです。

価格競争に沈む8割に入るか、
戦略を武器に未来を切り拓く2割に入るか──。

選択肢は、あなたの手の中にあります。
今この瞬間から、未来を変えるための一歩を踏み出しましょう。

あなたは最高経営者として、どのような営業戦略で勝負しますか?

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