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資源循環と海外展開

SPECIAL

循環経済ビジネスコンサルタント

合同会社オフィス西田

チーフコンサルタント 

循環経済ビジネスコンサルタント。カーボンニュートラル、SDGs、サステナビリティ、サーキュラーエコノミー、社会的インパクト評価などへの対応を通じた現状打破と成長のための対案の構築と実践(オルタナティブ経営)を指導する。主な実績は、増客、技術開発、人財獲得、海外展開に関する戦略の構築と実現など。

  このところ、当社にも海外を巡る問合せがちらほらと入ってくるようになりました。折しも日本政府による国家戦略を下支えする「サーキュラーエコノミー加速化パッケージ」において、ASEANからの中古電子部品や基板を輸入しやすくするための施策などが盛り込まれていることもあってか、業界の関心は国境を超えて広がりつつあるようです。

 

 海外市場を相手にした資源循環を考えるとき、避けては通れないのがバーゼル条約による廃棄物の越境移動禁止という先行施策との調整です。この条約は、世界の途上国を対象として以下のような原則で運用されています。

- 有害廃棄物の発生を最小限に抑えること

- 可能な限り国内で処理すること(自国内処理の原則)

- 国境を越える移動には輸入国の事前同意が必要

- 不法な廃棄物取引を防止・処罰する

- 非締約国との取引は原則禁止

- 環境上適正な処理(ESM: Environmentally Sound Management)を推進する

 

 日本との間についてはまだ問題が少ないかもしれないのは、たとえばASEAN域内での越境移動に関する取り決めなどが、バーゼル条約のせいで一向に進んでいなかったり、日本へ輸入する場合においても積み替え港となる中国・韓国で政府の同意が必要だったりと、外国との調整や交渉が必要になる可能性が高い点にあります。

 

 これら積み替え国の同意については、本来の環境保護とは趣旨が異なる背景による影響もあるのではないかと言われており、なかなか悩ましいところです。他方で日本の港湾施設における大型船受入キャパは限られているため、どこか海外の積み替え港でフィーダー船に積み替えることが条件となっています。

 

 資源循環には無限の市場可能性があるという点に全く異論はないのですが、具体的にビジネスを進めようとするとどうしてもこういった点を克服しながら進めなくてはならなくなります。このような点を予めよく調べたうえで事業計画を作成されることをお勧めします。

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