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世界陸上から学ぶ“勝ち残る企業”の走り方

SPECIAL

循環経済ビジネスコンサルタント

合同会社オフィス西田

チーフコンサルタント 

循環経済ビジネスコンサルタント。カーボンニュートラル、SDGs、サステナビリティ、サーキュラーエコノミー、社会的インパクト評価などへの対応を通じた現状打破と成長のための対案の構築と実践(オルタナティブ経営)を指導する。主な実績は、増客、技術開発、人財獲得、海外展開に関する戦略の構築と実現など。

 世界陸上で繰り広げられた熱戦を見ていると、単なるスポーツの枠を超え、企業経営にも通じるヒントがたくさん隠されていることに気づきます。短距離走の爆発的なスピード、長距離走の持久力、そしてリレーでのチームワーク。勝ち残るための条件は、まさにビジネスの現場と同じです。しかし実際のところ、多くの中小企業はまだ「勝ち残る体制」を十分に整えられていません。今回は、世界陸上を題材に、課題をどう克服し、最短距離で成果に結びつけるかを考えてみましょう。
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1. 短距離型のスピード経営
 100m走の勝負は一瞬で決まります。スタートの速さ、加速の鋭さが命。これは企業にとって「市場参入のスピード」と同じです。時代の変化を先取りし、いち早く新しい分野に挑戦できる企業だけが主導権を握ります。


具体事例:EV市場と生成AI
 群馬県の自動車部品メーカーA社は、いち早くEV向けモーター部品の試作に取り組みました。大手メーカーからの受注が決まるまでにわずか半年。迅速な意思決定と開発スピードが、従来の下請け体質から脱却するきっかけとなりました。


 また、関西の物流企業B社は生成AIを活用し、配送ルート最適化システムを自社開発。燃料費を15%削減し、大手企業との競争でも優位に立ちました。スピード感ある挑戦が、競争力を一気に高めたのです。
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2. 長距離型の持久力経営
 一方で、マラソンは忍耐と持続可能性の勝負です。無理なペース配分は途中失速につながり、最後まで走り抜ける力が求められます。企業でいえば「財務の健全性」や「人材育成の一貫性」といった、長期視点での基盤づくりに相当します。

具体事例:SDGsと人材育成
 宮城県の食品加工業C社は、工場の電力をすべて再生可能エネルギーに切り替えました。初期投資は重荷でしたが、「環境配慮型商品」として海外市場での評価が高まり、新たな販路を獲得。結果として売上は5年で30%増加しました。


 また、長野県の老舗旅館D社は、若手人材の流出に悩んでいました。そこで「複合キャリア制度」を導入し、従業員が接客だけでなく企画や広報にも携われる仕組みを整備。働きがいの向上により離職率が半減し、地元からの採用も安定しました。
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3. リレー型のチームワーク経営
 リレー競技の見どころは、バトンパスにあります。どれだけ速い選手を揃えても、連携がうまくいかなければ勝てません。これは「組織の強み」とまったく同じです。


具体事例:産学連携と異業種コラボ
 大阪の化学系企業E社は、大学研究室と共同で高機能樹脂を開発しました。研究成果を量産化に結びつけ、大手家電メーカーへの採用を獲得。中小企業が持ち得なかった技術ブランドを手にしたのです。


 一方、福岡県の建設会社F社は、地元のITベンチャーと協力し、ドローンを使った施工管理サービスを開始。これにより工期短縮とコスト削減を実現し、自治体案件を複数受注しました。異業種との連携が、確かな競争力となったのです。
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世界陸上に出場する選手たちは、それぞれの種目で最適な戦略を選び抜きます。企業もまた、時には短距離型のスピード、時には長距離型の持久力、そしてチームワークを最大化するリレー型の発想を組み合わせながら走り抜くことが求められます。とはいえ、多くの中小企業は「勝ち残る体制」をまだ十分に整えていません。その課題を克服するためにこそ、コンサルティングを通じて最短距離のアプローチを学び、各地で生まれている具体的な成功事例からヒントを得て、自社に合った走り方を磨いていただきたいのです。

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