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第63号:1人粗利の高い会社と低い会社の根本的違い

SPECIAL

高収益・高賃金企業づくりコンサルタント

株式会社ポリフォニアコンサルティング

代表取締役 

中小企業ではハードルが高いとされる社員1人粗利3千万円、平均年収1千万円越えの本気で儲かる組織になるための土台作りを指導。会社の「価値」に注目し、価格ではなく、組織全体で価値を高め・守り・売っていく仕組み作りで注目を集めている。これまで150社以上の様々な業種の中小企業を支援する中で、中小企業の業績・資金繰り・人材確保などの経営問題の背景には、「一見相反する会社と社員の利益双方を引き上げていく経営の仕組み」が欠けていることを発見し、その仕組み作りのノウハウを体系化。

「シライ先生、こんなに大きな数字になってしまうんですね・・」製造業を営むA社長は思わず声を上げます。私は「こんなに大きな数字になるようですね」とお答えし、しばし沈黙が流れます。

1人粗利を最大化していくための”はじめの通過儀礼”での一幕です。A社長を驚かせたものは、目標売上高の大きさです。A社長の望みである”常にドンと構えていられる経営”を目指そうとすると、とてつもなく高い売上が必要になることが分かった瞬間です。

数字は嘘をつきません。今のA社の1人粗利を基準にすると、どう考えてもそういう計算になります。必要売上を伸ばすために、社員数も増えていきます。

しかし1人粗利が小さいために、社員を増やし売上を上げても、会社の利益は僅かしか伸びない・・・いや、そもそもこんな採用難の時代に、今の賃金水準でこの社員数を確保できるのか?・・・こんな効率の悪いことをやっていたら、いつまで経っても豊かにならないのでは・・?A社長の頭は回転しています。

数字を構造的に見つめることは、社長に大きな現実を突き付けます。もしそれをせずに、”現状の延長線上”で経営した場合、会社はどうなっていくか?

答えは明快です。現状の延長線上で得られる結果しか得られません。シミュレーション値から言えば、売上高を前年比20%30%上げたところで、中身は殆ど変わらない、ということです。

ここから、1人粗利をはじめとする様々な経営指標を調整していくのです。現状の構造を変えて1人粗利を上げていくと、残る利益額は増え、必要売上高は下がります。それに応じた受注単価や粗利益率が導き出され、必要社員数も変わります。

こうして”売上、受注単価、受注数量、粗利益率、1人粗利、1人賃金・・・”などといった様々な数字同士の”関係性”を変えていくと、利益の残り方が大きく変わります。

売上を伸ばさなくても利益が残る、社員を増やさなくても売上が伸びる、ということが起こるように、”現状の延長”ではなく”儲けの仕組み自体の転換”が起こります。

この、”儲けの仕組み自体ををどう変えていくか?”を数字で設計することこそ、1人粗利を飛躍させ、少ない労力でドンと構える経営を実現していく会社がやっていることです。

多くの会社は、売上高や受注量という”単一指標”しか目標設定していません。他の指標を目標設定しているようでも、それは「管理用に設定しているが、売上高や受注量に比べれば、重要度の低い、意思のこもっていない目標」になっていることが殆どです。

これだとたとえ売上や受注目標は達成できても、「儲けの仕組み自体」は何も変わりません。

最終的な利益やキャッシュを増やしていくために重要なことは、売上という単一指標だけでなく、様々な指標同士の”連鎖連動”を設計することです。その”扇の要”となる重要指標が1人粗利です。

こうして、数字によって設定する新たな儲けの仕組みを描くことこそ、豊かな経営の入口です。すると、経営方針を導き出す問いも次のように変わります。

  • 1人粗利が○○円になるように売上をあげるには?
  • 1人粗利が○○円になるような組織をつくるには?
  • 1人粗利が○○円になるように業務を組み替えるには?

経営を変えるには、まず数構造の設計自体を現状から変えることです。そこで目指すべき数構造が明らかになるからこそ、”延長線上の経営”から、”非線形で飛躍成長する儲けの構造転換”を起こせるのです。

数字に強いということは、「数字同士の関係性を理解し、お金と利益が”残るべくして残るように”立体的に経営数字を設計する力がある」ということです。そして設計した指標数字が動くように、事業と組織を作り上げるのです。

あなたは、目指すべき”儲けの構造”を”数字”で描いていますか?

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