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「守る・捨てる・変える」が持続的成長を支える

SPECIAL

親子経営コンサルタント

ビジネス・イノベーション・サービス株式会社

代表取締役 

オーナー社長と後継者のための、「親子経営」を指導するコンサルタント。みずから100億円企業を築くも、同族企業ならではの難しさや舵取りの大変さで苦しんだ実体験を指導。親から子へ失敗しない経営継承の極意として「親子経営」を伝授する。

「守る・捨てる・変える」が持続的成長を支える

今日は親子経営企業の強みを活かし、その真価を発揮するとどのようなことができるのかの3話目になる。

【守る・捨てる・変える】

 企業が持続的成長を遂げるために何をしなければならないのだろうか。大手企業と違い比較的規模が小さい企業が多い親子経営企業では、企業として継続するための課題は多い。親子経営企業の代が変わっても、親子経営企業が持続的な成長を成し遂げていくにはどうすればいいのだろうか。

 それにはまず、「守る」ということが必要だ。、先代あるいは、それ以上の代から続いている企業、いわゆる老舗企業というのが結構ある。彼ら老舗企業が最も大切にしていることは何だろう。それは、代が幾代変わろうとも、守り続けるべきものは「守る」ということだ。

では、具体的に老舗企業はどのようなものを大切に守り続けているのだろう。例えば、老舗和菓子店ならそれは商品の「味」ではないだろうか。伝来の味を守り続けるための製法や技術といったものが、代々引き継がれてきているのではないだろうか。

また、寺社仏閣建築を専門とする老舗建築会社では、伝統的建築様式をを守るための工法が守り続けられている。さらに工法を維持するための技術、工具なども永く引継ぎ維持されている。

その他一般老舗企業ではどうだろう。例えば、社是、社訓のようなものはどうだろう。あるいは家訓を社訓としている企業もあるのではないだろうか。これまで幾度か紹介したことがある私の友人の会社の社訓などがそうであろう。

私の友人の会社の社訓は「最大の会社を目指さず、最良の会社を目指す」というものだ。創業者が掲げたものだ。これなどは、これからも代が変わろうが是非とも守り続けてもらいたいと思っている。

このように、親から子へ経営が交代されようが、是非に守り続けてもらいたいものがある一方、これは「捨てる」ほうがいいと思われるもの、ことがある。次に、「捨てる」必要があると思われるもの、こととはどのようなものだろう。

後継者が経営者となったとき、まずすべきは会社の現状を冷静に俯瞰し把握することである。各事業の洗い出し、各業務の洗い出しから始めることだ。そのうえで、必要のないものを「捨てる」ことになる。

先年、私の顧問先後継者が社長になったとき、私からアドバイスをし実行してもらったことがある。それは、保険の見直しをしてもらうことだった。会社の総資産規模からして明らかに突出して多い保険金がどうしても私には気にかかっていた。

経営交代がされたことでチャンスだと思い、後継者に話させてもらった。結果、後継者が動きすべての保険を洗い出し、見直すこととなった。検証を進めると、ほとんどが必要が無い保険だと分かり、解約作業が始まった。

解約することで多額の営業外利益が生じることになり、運転資金に余裕が出ることとなった。これには先代も反対することなく納得されていたようだ。貸借対照表、損益計算書などの財務諸表をじっくりと読むことで、必要のないもの、無駄なもの、価値が無いものなどを見つけ、「捨てる」ことができる。

最後に必要なのが「変える」だ。親子経営企業では後継者が社長となると、拙速にいろいろと変えようとすることがある。先代経営者にとっては、自分がしてきたことを否定されているかのようにも思われることなので、慎重な判断が必要なところだ。

できることなら、先代経営者とよく話をし、理解をしてもらったうえで、改革、変革に臨んで欲しい。どのような事業も多かれ少なかれ経年劣化を起こしている。いずれ見直しが必要であったはずである。

それが親から子へ経営交代する時期と重なることが多いようだ。これはある意味で必然なことかもしれないと思っている。経営者が自分で行う事業はそう数多くないだろう。中小企業なら、経営者一代で一つの事業というのが多いだろう。

なかには一つの事業から、成長発展を繰り返し、大きな事業に育てあげてきたという経営者もいる。しかし多くの経営者はやはり一つの事業をやり続けてきたことだろう。そして、すべての事業には必ず経年劣化が起きるものだ。

それが丁度、親から子へ経営交代がされる時期と妙に重なる所以でもある。先代が自分の事業を大幅に見直し、改革していくことは難しい。後継者にとっては、苦難な滑り出しと思えるかもしれない。

しかしながら、事業を継続し続けるとは本来そういうものだと割り切ることも必要である。後継者が自分の使命として経営を継続し続けるために事業を見直し、改革、改変することは必須事項だと言える。

親子経営企業のみならずすべての企業にとって、企業の持続的成長のために「守る」「捨てる」「変える」を実行することは必要であり、必然なことと思える。

 

 

 

 

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