透明資産経営|なぜ、部署の壁が高い会社ほど、伸びないのか?
こんにちは!企業の空気をおカネに変える専門家、透明資産コンサルタントの勝田耕司です。
透明資産とは、業績に影響する「空気感」を意図的に設計し運用する仕組みのこと。透明資産を取り入れた透明資産経営は、お客様との絆が深まり、従業同士の信頼関係が築きあげられ、商品・サービスの独自性が強化されます。そして、持続的成長につながる経営の仕組です。
ー「それはうちの仕事じゃない」が飛び交う職場
ある程度の規模になった会社で、経営者を悩ませる問題があります。部署と部署のあいだに、見えない壁が立ちはだかることです。営業と製造が対立する。本社と現場がいがみ合う。「それはうちの仕事じゃない」「あっちの部署のミスだ」という言葉が飛び交う。お客様からの問い合わせが、部署のあいだでたらい回しにされる。隣の部署が忙しくしていても、知らんぷり。──同じ会社の仲間であるはずなのに、まるで別の会社同士のように、互いに非協力的になっていく。
経営者は、もどかしさを感じます。みんなで力を合わせれば、もっとできるはずなのに、なぜ協力しないのか。そう考えて、部署横断の会議を増やしたり、組織図を組み替えたりする。しかし、壁はなかなか低くなりません。なぜ、部署の壁は高くなるのか。それは、社員の仲が悪いからではありません。協力しないほうが得をする「空気」が、組織の中に流れているからです。
ー部署の壁は、そのまま「お客様への壁」になる
部署間の対立を、社内だけの問題だと考えるのは、危険な誤解です。社内に流れる冷たい空気は、必ずお客様に伝わります。お客様の用件が、部署のあいだで押しつけ合いになれば、対応は遅れ、たらい回しが起こります。営業が約束したことを製造が知らなければ、お客様への提供はちぐはぐになる。「言った」「聞いていない」という社内の不和が、そのままお客様への不手際として表面化するのです。
お客様は、その会社の組織図を見ているわけではありません。誰が応対しても、「この会社」として受け取ります。だからこそ、部署のあいだに壁があり、連携が途切れている会社は、お客様から見て「まとまりのない、頼りない会社」に映ります。社内の冷たい空気は、社内にとどまらず、お客様との関係をも静かに冷やしていくのです。
ー部署の壁が生まれる「3つの要因」
なぜ、同じ会社の中に壁ができるのか。その三つの要因をお伝えします。
1つ目の要因は、「部署ごとの数字だけで評価されている」ことです。各部署が自分の数字だけで評価されると、社員は自部署の成果を最優先し、他部署への協力は「自分の評価につながらない余計な仕事」になります。全体の利益より、部署の利益。その空気の中では、協力しないことが合理的な行動になってしまいます。
2つ目の要因は、「部署をまたいだ関係性がない」ことです。普段、顔を合わせず、言葉も交わさない相手とは、信頼も生まれません。相手の事情を知らなければ、想像力も働かない。だから、ちょっとした行き違いが、すぐに「あっちが悪い」という対立に発展します。関係性の薄さが、壁の厚さをつくっているのです。
3つ目の要因は、「対立を放置する空気」です。部署間で問題が起きたとき、経営者が「当事者同士で解決しろ」と関与を避ければ、対立は水面下でくすぶり続けます。誰も全体最適の視点を持たず、それぞれが自分の立場を守ることに終始する。経営者が壁の存在を黙認していること自体が、壁を高くしているのです。
ー壁を壊すのは「評価」と「関係性」の空気
透明資産経営では、空気を「言葉」「関係性」「評価」「行動」「場」という五つの構造から設計します。部署の壁という問題で鍵を握るのは、評価の構造と関係性の構造です。部署の数字だけでなく、他部署への協力や全体への貢献が評価される仕組みがあるか。部署を越えて、互いの顔と事情を知る関係性が育つ場があるか。壁は、評価が「部署内の競争」を促し、関係性が「分断」されているときに高くなります。逆に、協力が報われ、互いを知る空気が流れれば、壁は自然と低くなり、組織は一つのチームとして動き始めます。
ー協力が報われる空気を、経営者がつくる
では、経営者は何を変えればいいのか。会議や組織図をいじることより先に、協力が報われる空気をつくることです。まず、部署の数字だけでなく、他部署を助けた行動を、はっきりと評価し、認める。
次に、部署を越えて社員が顔を合わせ、互いの仕事を知る機会をつくる。そして、部署間で問題が起きたとき、経営者自身が全体最適の視点で間に入り、「会社全体としてどうあるべきか」を示す。──協力が損ではなく得になる空気を整えること。それが、壁を壊す最も本質的な一手です。
ー会社の一体感は、空気から生まれる
最後に、経営者にお伝えしたいことがあります。部署の壁は、組織図を引き直しても消えません。協力を生む空気を整えてはじめて、低くなっていくということです。
今日、自社を振り返ってみてください。社員は、他部署を助けたとき、報われていると感じているでしょうか。それとも、「余計なことをした」と損をした気持ちになっていないでしょうか。部署を競わせるのではなく、協力が報われる空気をつくる。それが、組織を一つにまとめ、その一体感をお客様へと届ける、最も確実で、最も静かな一手なのです。
ー勝田耕司
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