透明資産経営|なぜ、社員の意見を集めたのに、実行しない社長は二度と意見をもらえないのか?
こんにちは!企業の空気をおカネに変える専門家、透明資産コンサルタントの勝田耕司です。透明資産とは、業績に影響する「空気感」を意図的に設計し運用する仕組みのこと。透明資産を取り入れた透明資産経営は、お客様との絆が深まり、従業同士の信頼関係が築きあげられ、商品・サービスの独自性が強化されます。そして、持続的成長につながる経営の仕組です。
ー意見を、集めるだけ集めて、その後を、放置していないでしょうか
思い浮かべてみてください。あなたが、社員から、意見を、募ったときのことを。
「何でも、意見を、聞かせてほしい」「改善案を、出してくれ」。あなたは、そう呼びかけ、アンケートを、取ったり、会議で、意見を、集めたりした。社員も、期待を込めて、さまざまな、意見を、寄せてくれた。──ところが、その後、あなたは、どうしたでしょうか。集めた意見を、検討し、何かを、変えたでしょうか。それとも、集めたきり、何の音沙汰もなく、放置して、しまったでしょうか。
もし、後者だとしたら、次に、意見を募ったとき、社員の反応が、変わっていることに、気づくはずです。誰も、意見を、出さなくなる。当たり障りのないことしか、言わなくなる。──意見を、集めたのに、実行しなかった。そのことが、社員から、「意見を出そう」という気持ちを、根こそぎ、奪ってしまうのです。この、集めっぱなしが招く沈黙こそ、今日、お話ししたいことです。
ー「意見を集めて、放置する」ことは、「あなたの声は、聞く価値がない」というメッセージ
なぜ、意見を集めて実行しないと、二度と、意見を、もらえなくなるのか。
ここに、この連載だからこそお伝えしたい、空気の仕組みがあります。意見を、集めておきながら、それを、実行も、説明もせず、放置することは、社員に対して、「あなたの声は、聞く価値がなかった」という、残酷なメッセージを、送ることになる、ということです。
考えてみてください。社員は、意見を、求められたとき、期待を込めて、自分の考えを、寄せます。時間をかけて、考え、勇気を出して、声を上げる。ところが、その意見が、何の反応もなく、放置されたら、どう感じるでしょうか。「自分の意見は、無視された」「どうせ、聞くだけで、変える気は、なかったのだ」と、深く、失望します。そして、こう学ぶのです。「意見を出しても、無駄だ」と。一度、この失望を、味わった社員は、二度と、真剣に、意見を、出そうとは、しません。集めっぱなしの放置は、社員の、意見を出す意欲を、根こそぎ、枯らしてしまうのです。
普通の経営者なら、「意見を、集めれば、社員は、参加意識を持つ」と考えるでしょう。しかし、透明資産の視点では、意見を集めることは、諸刃の剣です。集めた意見に、きちんと、応えれば、社員の参加意識は、高まります。しかし、集めて、放置すれば、むしろ、集める前よりも、深い、あきらめの空気を、生む。意見を集めて実行しない社長が二度と意見をもらえないのは、その放置が、「声を上げても無駄だ」という空気を、決定的に、植えつけてしまうからなのです。意見は、集めること以上に、集めた後の、対応が、重要なのです。
ー集めっぱなしの放置が、生む、3つのあきらめ
意見を、集めて、放置する空気は、組織に、どんなあきらめを生むのか。三つお伝えします。
ひとつ目のあきらめは、「言っても、無駄、という空気」です。意見が、放置されると、社員は、「言っても、変わらない」と、学びます。この、あきらめが、組織に、広がり、誰も、意見を、出さなくなる。声を上げる意欲が、失われるのです。
ふたつ目のあきらめは、「不信の、増幅」です。「意見を、聞かせてほしい」と、言っておきながら、放置する。社員は、その言行不一致に、不信を、抱きます。「口では、聞くと言うが、本当は、聞く気がない」と。社長への信頼が、損なわれるのです。
みっつ目のあきらめは、「参加意識の、消失」です。意見を、放置された社員は、会社づくりへの、参加意識を、失います。「自分が、関わっても、意味がない」と。当事者意識が、消え、社員が、傍観者に、なっていくのです。
ー意見が集まり続けるのは、集めた声に、応える空気
社員が、意見を出し続けるか、沈黙するかを分けるのは、意見を集める仕組みではなく、集めた声に、きちんと、応える空気があるかどうかです。
集めた意見を、放置せず、検討し、応えているか。実行するものも、しないものも、その理由を、社員に、フィードバックしているか。二度と意見をもらえなくなるのは、集めた声を放置する空気が、「言っても無駄」という、あきらめを生んでいるサインです。集めた声に応える空気を育ててはじめて、社員は、安心して、意見を、出し続けます。
ー集めた意見には、必ず、応える
では、経営者は、何を変えればいいのか。意見を、集めるのを、やめることではありません。集めた意見に、必ず、応えることです。
まず、意見を、集めたら、必ず、それに、目を通し、検討する。集めっぱなしに、しない。次に、実行できるものは、実行し、「あなたの意見で、これが、変わった」と、社員に、伝える。小さくても、変化を、見せる。そして、実行できない意見にも、「これは、こういう理由で、今は、難しい」と、その理由を、フィードバックする。放置せず、応える。──こうして集めた声に応え始めたあなたは、「言っても無駄」という、あきらめの空気を、「言えば、変わる」という、希望の空気へと、変え始めているのです。
ーあなたは、集めた意見に、応えているでしょうか
最後に、お伝えしたいことがあります。社員が、意見を出し続ける組織になるかどうかは、意見を集める仕組みの立派さではなく、集めた声に、きちんと応える空気が、あるかどうかで、決まるということです。
思い返してみてください。あなたは、社員から、意見を、集めたきり、放置して、いないでしょうか。その放置が、社員に、「言っても、無駄だ」という、あきらめを、植えつけてこなかったでしょうか。もし、社員が、意見を出さなくなったと感じるなら、それは、集めた声への、応え方を、見つめ直すべき合図です。
このコラムを読み終えたあなたは、次に、社員から意見を集めたその後、ふと、こう思うはずです。この声に、きちんと、応えなければ、と。そして、集めた意見の一つひとつに、フィードバックする自分の姿が、もう浮かんでいるのではないでしょうか。意見は、集めるだけでなく、必ず、応える。それが、社員が意見を出し続ける空気を育てる、最も確実で、最も静かな一手なのです。
ー勝田耕司
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