透明資産経営|なぜ、社員のミスを、その場で指摘する社長は、成長を止めてしまうのか?
こんにちは!企業の空気をおカネに変える専門家、透明資産コンサルタントの勝田耕司です。透明資産とは、業績に影響する「空気感」を意図的に設計し運用する仕組みのこと。透明資産を取り入れた透明資産経営は、お客様との絆が深まり、従業同士の信頼関係が築きあげられ、商品・サービスの独自性が強化されます。そして、持続的成長につながる経営の仕組です。
ー人前で、ミスを、指摘していないでしょうか
思い浮かべてみてください。社員が、ミスをした、その瞬間を。
あなたは、気づいたことを、すぐに、その場で、指摘する。ときには、他の社員も、いる前で。「そこ、間違っているぞ」「なんで、そうなるんだ」と。──ミスは、早く、正すべきだ。その場で、指摘するのが、一番、効果的だ。あなたは、そう考えて、気づいたそばから、指摘する。的確で、迅速な、指導のつもりです。
ところが、その、その場での、人前での指摘が、社員を、萎縮させ、かえって、成長を、止めているかもしれません。指摘された社員は、うつむき、以来、ミスを、恐れて、萎縮するようになる。あるいは、ミスを、隠すようになる。──良かれと思った、その場での指摘が、社員の成長を、妨げている。この、指摘の仕方が成長を止める構図こそ、今日、お話ししたいことです。
ー「人前での指摘」は、学びよりも、恥と、恐怖を、植えつける
なぜ、その場での、人前での指摘が、成長を、止めるのか。
ここに、この連載だからこそお伝えしたい、指摘と空気の関係があります。ミスを、人前で、その場で、指摘されると、社員の心には、学びよりも先に、「恥をかかされた」という感情と、「またミスしたら、どうしよう」という、恐怖が、植えつけられる、ということです。
考えてみてください。他の社員も、いる前で、ミスを、指摘されたとき、社員は、どう感じるでしょうか。まず、「恥ずかしい」「みんなの前で、面目を、つぶされた」という、屈辱を、感じます。その屈辱で、頭が、いっぱいになり、肝心の、ミスの内容から、何を、学ぶべきかは、頭に、入ってきません。そして、「二度と、こんな恥は、かきたくない」という、恐怖が、残る。この恐怖は、ミスを、しないための、萎縮や、ミスを、隠す行動を、生みます。──人前での、その場での指摘は、学びの、機会になるどころか、恥と、恐怖を、植えつけ、社員を、萎縮させ、成長を、止めてしまうのです。
普通の経営者なら、「ミスは、その場で、指摘するのが、効果的だ」と考えるでしょう。しかし、透明資産の視点では、指摘が、成長につながるかどうかは、指摘の速さや、的確さではなく、それが、社員が、学べる空気の中で、行われているかどうかで、決まります。恥と、恐怖の空気の中では、人は、学べません。安心して、振り返れる空気の中でこそ、人は、ミスから、学び、成長します。その場で人前で指摘する社長が成長を止めるのは、その指摘が、学びの空気ではなく、恥と恐怖の空気を、生んでしまうからなのです。
ーその場での人前の指摘が、生む、3つの萎縮
ミスを、その場で、人前で指摘する空気は、社員に、どんな萎縮を生むのか。三つお伝えします。
ひとつ目の萎縮は、「恥による、思考停止」です。人前で、指摘され、恥をかいた社員は、その屈辱で、頭が、いっぱいになります。肝心の、ミスから、何を学ぶべきかは、頭に、入らない。恥が、学びを、妨げるのです。
ふたつ目の萎縮は、「ミスを、恐れる萎縮」です。「またミスしたら、恥をかく」という、恐怖から、社員は、萎縮します。新しいことに、挑戦しなくなり、確実にできることしか、やらなくなる。恐怖が、挑戦を、奪うのです。
みっつ目の萎縮は、「ミスを、隠す行動」です。ミスを、その場で、責められるのが、怖いから、社員は、ミスを、隠すようになります。隠されたミスは、放置され、大きくなる。指摘の仕方が、かえって、ミスの隠蔽を、招くのです。
ー成長を生むのは、安心して振り返れる空気
社員が、ミスから成長するか、萎縮するかを分けるのは、指摘の速さや的確さではなく、社員が、安心して、ミスを振り返れる空気があるかどうかです。
ミスを、人前で、その場で、指摘して、恥をかかせていないか。社員が、安心して、ミスから学べる空気の中で、伝えられているか。社員の成長が止まるのは、その場での人前の指摘が、恥と恐怖の空気を、生んでいるサインです。安心して振り返れる空気を育ててはじめて、社員は、ミスから学び、成長していきます。
ー「その場で、人前で」を、「後で、一対一で」に変える
では、経営者は、何を変えればいいのか。ミスを、指摘しないことではありません。指摘の、仕方と、場を、変えることです。
まず、ミスを、人前で、指摘するのを、やめる。他の社員のいない、一対一の場で、伝える。恥を、かかせない。次に、その場で、感情的に、指摘するのではなく、少し、時間を置いて、冷静に、伝える。責めるのではなく、一緒に、振り返る。そして、ミスを、指摘するときも、人格を、否定せず、「次に、どうすれば、いいか」を、一緒に、考える。──こうして安心して振り返れる空気をつくり始めたあなたは、恥と恐怖で止まっていた社員の成長を、もう一度、動かし始めているのです。
ーあなたの指摘は、学びを生んでいますか、恥を生んでいますか
最後に、お伝えしたいことがあります。社員が、ミスから成長するかどうかは、指摘の速さや的確さではなく、社員が、安心して振り返れる空気の中で、伝えられているかどうかで、決まるということです。
思い返してみてください。あなたは、社員のミスを、その場で、人前で、指摘していないでしょうか。その指摘が、社員に、学びよりも、恥と、恐怖を、植えつけ、成長を、止めてこなかったでしょうか。もし、社員が、萎縮していると感じるなら、それは、指摘の仕方を、見つめ直すべき合図です。
このコラムを読み終えたあなたは、次に、社員のミスに気づいたその瞬間、ふと、こらえるはずです。その場で、人前で、言う代わりに、後で、一対一で、伝えよう、と。そして、社員が、安心して、振り返れるように、寄り添う自分の姿が、もう浮かんでいるのではないでしょうか。その場での人前の指摘を、後での一対一の対話に変える。それが、社員の成長を促す、最も確実で、最も静かな一手なのです。
ー勝田耕司
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