『社長の分身』はいらない──社員が辞めない組織は「考え方」と「仕組み」でできる

「昔は、本気で分身の術が欲しいと思っていました。」 コンサルティング終了後の食事会で、T社長は笑いながら、そう語りました。 T社は、特殊工事を手がける会社です。1年前には、施工、営業、管理、すべてを社長自身が担っており、現場を駆け回る日々でした。「もう一人自分がいれ...

「昔は、本気で分身の術が欲しいと思っていました。」 コンサルティング終了後の食事会で、T社長は笑いながら、そう語りました。 T社は、特殊工事を手がける会社です。1年前には、施工、営業、管理、すべてを社長自身が担っており、現場を駆け回る日々でした。「もう一人自分がいれ...

こんにちは、透明資産コンサルタントの勝田耕司です。 「高貴なる責任」──ラテン語で「ノーブレス・オブリージュ」と呼ばれるこの言葉は、元来、社会的地位や富を持つ者が負うべき倫理的義務や責任を指します。歴史的には貴族階級がその権力に伴う社会貢献を求...

「売上が減ることより嫌なのは、社員の家族から“あの会社、大丈夫なの?”と思われることなんですよね…」 先日、ある経営者がこんな胸の内を明かしてくれました。地方のとある中小企業で、数年前に比較的大きな回収騒ぎを起こしてしまい、信頼を大きく損ねてしまった会社の2代目社長です。...

こんにちは、透明資産コンサルタントの勝田耕司です。 あなたは、会議室に入った瞬間、「なんだか重い雰囲気だな」と感じたり、初めて訪れるお店で「ここは居心地がいいな」と心が和んだりした経験はありませんか? あるいは、プレゼンテーションで、話し手の言...

先日、ある60億円規模の企業の創業社長とお会いしました。 今は現場の采配を役員に委ね、ひとつ距離を置いた経営をされているとのこと。ソファにゆったり腰かけ、創業時の熱狂から現在までを語ってくださいました。 そして話が一段落したタイミングで、冷めかけたコーヒーに...

「ごもっともなんだけどさ、自分を支えてくれた社員を近くに置いておきたい経営者は多いと思うよ。」と前回のコラム「第123号:人を見る目が会社の命運を分ける」をお読み頂いた経営者から頂いた一言です。確かに、長年一緒に働いてきた社員や苦楽を共にした部下に対する情が強くなることは...

AIの話題が尽きない今日この頃ですが、ふと気になったことがあって調べてみました(いえ、AIに調べさせました)。2025年6月28日付の日経新聞によると、「経営者が生成AIを使う頻度は?」という調査結果で、実に39.8%の経営者が「毎日使っている」と回答しています。「2〜6...

よく話をする工場の役員さんから、在庫管理システムの導入後の話を聞く機会がありました。 いつも通り、ボヤキが始まります。 「在庫管理システムを導入したんですが、社員の作業が導入前より増えていて、省力化どころじゃなくなってるんです。それどころか、ピッキング間違いでトラブルまで...

こんにちは、透明資産コンサルタントの勝田耕司です。 「うちの社員はもっと主体的に動いてほしい」「なぜか離職率が高い」「会議では誰も意見を言わない」——経営者や管理職の皆さんの中には、このような悩みを抱えている方も少なくないのではないでしょうか。いくら優秀な人...

「伊東さん、お店がキレイな状態を維持してくれる良い方法はありますか」 ある社長からの質問でした。 昨今、異物混入事件が世間を騒がせています。 清潔さが損なわれてしまうと会社の命取りになりかねません。 これはただ単に「きれいな状態を維持しなさい...