オンラインで優れたコンサルティングを活用する!

/home/xb528411/jcpo.jp/public_html/wp-content/themes/jcpo_theme2020/lib/fc-class-layout.php on line 71
wrapper -post">
Warning: Undefined variable $count in /home/xb528411/jcpo.jp/public_html/wp-content/themes/jcpo_theme2020/lib/dx-breadcrumb-set.php on line 123

第24話 社長肝煎りの改善案が ”お蔵入りする” 本当の理由

スクリーンショット 2016-07-13 21.21.22-2

ソノダさん、‘プロセスマップ’が完成したのはいいのですが、どのように活用したらいいのですか?

顧問先の社長からの質問です。ここで言う‘プロセスマップ’とは、1日の出面数に応じて、業務内容・手順・担当を組み合わせてパターン化したものです。

実は、当該顧問先の現場では、仕事の繁閑を社員が勝手に判断し、やりたい仕事しかしない・・・というワガママがまかり通っています。その結果、本来なら1人の担当者で完遂できる業務を、複数の担当者で実施せざるを得なくなり、労働力の無駄遣いが生じ、慢性的な出面数不足に陥っているのです。

ですから、月次の勤務表を現場に周知する際に、‘プロセスマップ’に基づいて、やるべき業務・手順・担当を明示することで、ワガママ仕事を徹底的に排除し、出面数が変動する中でも、QCDの維持につなげていくことが急務なのです。

ところで、社長は、ここまでの理屈は十分に理解しているはずです。と言うのも、最近の社長は、現場の朝礼に参加したり、社員の働きぶりを観察したりして、ありのままに現実を直視し、業務の停滞や混乱の背後にある本質を見抜いて、社長肝煎りで‘プロセスマップ’を完成させたからです。

それでは、社長が本当にわからないことは何でしょうか?その答えは次の言葉にあります。

それは・・・”場”です。

‘プロセスマップ’の完成はスタートラインに着いただけです。その改善手法を実際の場面で活用するのは、社長でななく、現場の管理職です。つまり、彼らに、問題の本質を共有してもらい、改善手法を使う目的や方法を腹に落としてもらい、実行に移してもらう必要があります

そのためには、共有し、腹に落とすための”場”が、どうしても必要になるのです。例えば、”バラバラ仕事おまとめ会議”などの”場”を設けるのです。

こうした”場”を通じて、共有し、腹に落とした管理職こそが、改善の歯車を押し動かす力を発揮し、問題の悪循環を断ち切ってくれる切っ掛けをくれるのです。

しかし、これまでマネジメントを現場に丸投げしてきた社長は、こうした”場”を通じて、社長と管理職の意識を擦り合わせる重要性や、それぞれの経験を持ち寄ることで、改善策が形になっていく効果への実感がわかない可能性があります。

つまり、管理職と共有する意義や方法が想像できないまま、‘プロセスマップ’は社長の頭の中に暗黙知のまま留まって、その実行はお蔵入り寸前なのです。そして、‘プロセスマップ’を作ったけど、どうやって活用したらいいの?という、冒頭の問いにつながるのです。

もう少し穿った見方をすれば、”場”の大切さは薄々わかっていても、現場の管理職が上手にマネジメントしてくれるなら、ややこしいこと、難しいことは見て見ぬフリをしたい(=わからないフリをしたい)・・・これが社長の深層心理かもしれません。

なぜなら社長自身も、出面の一員に数えられ繁忙を極めている中で、設定したこともない”場”を設定したり、そこで建設的な論議を喚起したりすることに対して、大きな不安を覚えることは、想像に難くないからです。

もし、社長が、実感が湧かないからとか、不安だからとかいうことを理由に、”場”を設定せず、ワガママを許す風土を許したなら、真面目な社員だけに仕事のしわ寄せが行って、経営者への不信感を抱かせることになります。そして、ワガママ仕事しかしない社員は、社長や管理職の無能さだけをあげつらい、これからもワガママを辞めることなないでしょう。

さらに、マネジメントを乗っ取ろうとするブラック社員は、現場の混乱の責任は全て社長にあるように画策し、真面目な社員もワガママ社員もひっくるめて、社長に敵対するよう仕向けていくのです。

社長は、こうした敵対的な動きから、会社を守り抜かねばなりません。そのためにも、これまでのマネジメントスタイルや不安を乗り越えて、前述の”場”を誰よりも積極的に活用し、管理職はもとより、一般の社員もそこに参画させて、”経営は常に現場と共にある”というメッセージを発信し続け、プラチナ社員に育成していくことが肝要なのです。