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社長さん、役員報酬を2倍にしたいのでしたら、労働時間を2倍にするより,今儲かっている事業のお客数を2倍にする企画です。

SPECIAL

10億ビジネスの経営数値成長戦略コンサルタント

株式会社ノグチ経理相談室

代表取締役 

同族会社の業績を、10億20億事業に成長させる「経営数値」コンサルタント。客数や客単価・生産性などの業績を現す数値と、財務諸表の数値とを統合させることこそ、同族企業の成長の根源であると、「儲かる社長が押さえるべき商売7つの数値の法則」として体系化。頼りになる指導と、評価が高い。

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「経理に給与を増やしたいといったら、できないと言うのです。おかしくありませんか?

一生懸命働いて、売上は2倍になっています。今までの主力商品の他に、お客さんが次に手をだしやすい商品を仕入れて販売したので、客単価が上がっています。だから、経理に言ってやってください。

オレの給与を上げるべきだ、と。」

社長が手取りを多くしたい!だから働く!とてもイイ話です。

やる気が上がるのは、売上が上がって、給与も一緒にあがること。

給与アップでやる気が上がるのは、社長も従業員も皆同じ。

中小企業経営者の一族は、役員報酬といっても、従業員の給与水準とほとんど差異がないというケースが多くあります。

休日返上の仕事や、従業員が帰宅した後の書類整理点検など、労働時間の長さを考えると、従業員より低いと思う事さえあります。

ご相談の会社は、高級食品の製造販売を行っています。

この企業の主力商品は、2年ほど前まで、すべて卸売りでした。

百貨店が販売企画をするほど、品質はいいのに、卸売りだけでは、利益率が低い、儲からない、そこで、工場直売、自社での販売を開始しました。 

工場直売は、徐々にのびてきましたが、売上高は、卸売一件あたりの半分ほど。

わざわざ直販スペースを作ったのだから、もっと、売上高を伸ばせないか?

お客さまが手を出しやすい商品を同時に販売したらどうか?と考えました。

直売所に、来店するお客様目当てに、自社のロゴをいれたTシャツやバック、キーホルダーなどなど、雑貨を置いてみました。すると、驚くほどお客様の購入が進みました。

毎月の売上金額は、直販所の自社商品に匹敵するほどです。

自社店舗の売上が2倍になったから、給与も2倍にできる!はずです。

ですが、給与を2倍にするほど利益はない、と経理部門からの報告です。

経理が計算を間違えているんじゃない?と、社長さんは怪訝そうです。

 

《従前の売上の店舗収支》

   今までの売上 100      

   今までの原価  25      

   粗利益     75      

   役員報酬    50    

   販売費     25 

   利益       0 

 

《自店舗売上が2倍になった店舗収支》

   現在の売上  200

   現在の原価  100

    粗利益   100

   役員報酬   100    

   販売費     25 

   利益   △  25 

 

 

売上高が200%アップなのに、なぜに損がでるの?

給与は、粗利益から支払います。

粗利益こそ会社全体のエネルギー源、社長・社員みんなの給与の元です。

役員報酬を2倍にするためには、少なくとも粗利益は125(役員報酬+販売費)無ければなりません。

ところが、粗利益は100、確かに給与を上げると損失が出ます。

自社で製造販売している商品は、粗利益率が高いのが普通です。

自社のノウハウや強みを販売単価に加味できるからです。

それに引き換え、仕入れして販売する商品は、製造元・流通業者が利益をそれぞれ上乗せしていますから、当社の取り分、粗利益率が低くなるのです。

売上が倍になれば粗利益も倍になる、と思いがちですが、単純に倍になりません。

決算書の売上は、利益率が違う商品それぞれの販売金額の合計です。

決算書の粗利益も、利益率が違うそれぞれの商品の粗利益の合計です。

決算書や試算表では、売上も利益も合計された金額で表示されるので、なぜ売上が倍なのに、利益は倍にならないか、理由が分からないのです。

 

《売上2倍の時の商品ごとの粗利益計算》

自社製造販売粗利率    …75%  × 100= 粗利益 75

仕入れ販売商品粗利益率 … 25%  × 100= 粗利益 25

  売上2倍のときの 粗利益               100

 

社長の仕事は、かしこく儲かる仕組みを作り出すことです。

「かしこく儲かる」とは、どういう事でしょうか?

自社の一番儲かる可能性が高い事業に、中小企業の少ない資金と人材を集中させて、労働効率よく儲けることです。集中して単品で儲ける、主力顧客で儲ける、のです。

一番儲かる可能性が高い事業とは、一番利益額が多くて販売数量も多い商品、つまり当社の主力商品です。

社員は、主力商品を購入するお客様も、販売のノウハウも、なぜ購入いただけるかの理由も、よく知っているし、商品に自信があるから、一番販売しやすいのです。

では、この会社が選択すべきは、どの事業でしょうか?

それは、一番粗利益の出ている事業、直販所で自社製品を販売する事業です。

えっ、直販所は給与を上げられなかったのでは?

それは、利益をあげることにコミットしてなかったから、です。

ちょっと勘違いして、売上を上げることのみにコミットしていたから、です。

直売所の売上は2倍になりましたが、自社製品より粗利益率の低い仕入商品も販売したので、利益は思ったほど伸びなかったのです。 

行うべき戦略は、利益がでる直販所を2カ所に増やすことです。

100の販売で、75%の利益、これを2カ所にすれば、社長の思い通り2倍の役員報酬になります。

《自社製品販売店2軒 売上の店舗収支予算》

   2店舗合計売上 200      

   2店舗合計原価  50      

   粗利益     150      

   役員報酬    100   

   販売費      25 

   利益       25 

 

企画制作して、雑貨商品販売を伸ばした社長さんは、利益率が低いといわれ、報われない想いがありました。

ですが、直売所を増やすことは、直売所に来ていただくお客様数のアップ狙い、ファンを増やす仕組みです。

売上を伸ばすには、客単価をあげる事も大事ですが、客数を増やすことがもっと大事でインパクトあります。

すぐに、直売所を3店舗にする計画に入りました。

給与倍増計画は、この直売所倍増計画で実行できる予算が立ちました。

数字を見た社長さんは、にっこりです。

社長の仕事はかしこく儲かる仕組みを作る事です。

自社の中で儲かっている事業を「そのままコピー」して新店舗を作るも一つです。同じ商品の「販売方法を変えて」直販する、通販する、もその一つです。大きなイベントを企画して「期間限定販売」もその一つです。

せっかくの儲かる事業を、もう一つの仕組みにのせ変えると、売上は、もっともっと伸びていきます。

社長さんも従業員さんも皆が元気になるエネルギーの元「粗利益」を増やさない手はありません。

 

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