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【感性を高める】組織力を高める茶道の教え

  「一流ビジネス」感性構築 小早川宗護 SPECIAL
小早川宗護 SPECIAL

「一流ビジネス」感性構築コンサルタント

茶人(ちゃびと) 代表 小早川宗護

究極のおもてなし「茶会」をベースに、一流ビジネスに必須の「感性」を磨く指導で定評。各ビジネスの感性の根幹となる起源に迫り、本物の上質、付加価値、空間、感覚…など、高級・ハイクラス化をはかるときの様々なビジネス要素を指導。

あなたは社長として、どちらのタイプの部下を好みますか? 
①空気を読まずに自分の意見をどんどん言う部下
②社長であるあなたの言う事に耳を傾け、忠実に行動する部下

②を選んだあなたの会社は、当然ですがあなたの経営センスのおかげで強烈な成長を遂げていることでしょう。それに対して①を選んだ場合、常に社内で活発な論議が行われ、新しい商品や取引のアイデアが生まれていることでしょう。

私は茶道師範として多くの弟子を育てております。茶道の点前には人間性が顕著に露出しますので、それらを修正することで、私は点前の指導を通じて人間性や考え方の指導を行っております。実際にそれで人生が非常に前向きに変わった弟子も少なからずおり、茶道教育は人間教育だな、と実感する機会を多々得ております。

そうした経験上、弟子を①と②のタイプで分けると、覚えの悪い弟子は②に集中しがちです。なぜなら彼らは自ら考えることを非常に苦手とするために、こちらが考え方の指導をしても、その通りに物事を考える事すら出来ないので、結果としてそれが点前に影響するのです。

例えば写真のような柄杓の構えも、茶道の思想=禅の思想が多分に含まれています。①のタイプの弟子は私の指導により禅の思想を自分なりに理解しようとするために、徐々にこの構えが上手になっていきます。ところが②のタイプの弟子は、私の指導に耳を傾けても、その表面的な型を真似しようとするだけに留まるので、結局いつまで経っても柄杓の構えが進歩しません。

この発想を経営に置き換えると、経営理念や方針の組織的実践力に直結します。社内に自由闊達な意見が飛び交う空気を創り出しておけば、自然と社長の意思を多くの人がみずから理解・実践しようとするため、単に社内の空気が良くなるだけでなく、意志がまとまれば一致団結して動きやすいものです。

それに対して②のタイプが多い社内の空気だと、意見を出すこと自体がはばかられてしまい、組織的な行動力があるように見えて実は行動力に全く欠けた組織になりがちです。その典型的なパターンが、大企業やお役所。

先日、とある新興大手リゾートホテルの講演に招かれました。拙著「接客は利休に学べ」を経営指針として盛り込んでくださっているそうで誠に光栄に感じたのですが、ところが現場に行くと「ガックリの連続」でした。

と言いますのも、前泊することが事前に伝えられていたのに関わらず、あてがわれたホテルは近所のビジネスホテル。別に泊まらせろ・良い思いをさせろとは言いませんし思いませんが、せめて講師には自分のホテルに前泊してもらい、現状を理解してもらいたいと言う気持ちがあって然るべきだったと考えております。

それだけでなく、昼食前の時間帯に到着したにも関わらず顔合わせで食事をとる時間すら与えられず、講師控室にはウォーターサーバーの水が紙コップに入れられただけで茶菓子の一つもなく、お手洗いに行きたかったのですが場所の案内も無く館内をウロチョロする羽目に。他にも挙げるとキリが無いのですが、とにかく「これはナメられたな」と怒りまで覚えてしまいました。

聞いたところによると、従業員はおしなべて真面目な人ばかりを採用しているらしく、言葉を変えると「応用が利かない」「機転が利かない」「組織の歯車人間」すなわち②のタイプばかりを採用しているのだとか。総支配人をはじめ、多くの役職者が外部の実績者を採用しているらしく、つまりは社長の剛腕・ワンマン経営のみで成長している会社と言う事になります。

そういう会社で出世できる「生え抜き人材」は、大概が「空気を読むのが得意な人」だったり「上司をヨイショするのが上手な人」ばかり。これまたそういう役職者に限って、同じように自分を立ててくれる部下を昇進させたがり、長期的に見れば組織の動きを劇的に鈍化・悪化させます。私はそういう人材を「組織のガン細胞」と呼んでおります。

①のタイプの人材はと言うと、最初は非常に苦労します。ところが一旦社長の考えに馴染むと、とてつもない力を発揮するケースが多いのは確実。茶道500年の歴史に例えると、歴史に名を遺す大物茶人達(私が知るだけで100名程度)を文献などから性格分析すると、たった一人の例外もなく①のタイプに当てはまります。②のタイプはただの一人としておりません。

ちなみに私が過去、とある震災復興支援イベントのリーダーになった時、私はボランティアスタッフたちに被災者の苦しみを徹底的に伝えました。それと同時に組織を作り、「仕事は自分たちで考えてくれ、自分たちの発想で被災者に元気を届けよう」と訴え続けました。気付けば②タイプのボランティアスタッフは全員抜けていき、①タイプばかりが残りました。

結果としてスタッフたちの能動的な動きが劇的に促進され、そのイベントは集客期間わずか二週間で2万5千人を集め、史上まれにみる大成功を収めました。もちろん私が作った組織が極めて自由闊達な意見を出し合える空気になっていたのは、言わずもがなです。

改めて社長であるあなたにお伺いします。①どんどん意見を出す部下と、②自分に忠実な部下。どちらがお好きですか? どちらのタイプを昇進させますか?

永続的な経営を行うためには、①のタイプを昇進させましょう。②のタイプを好んで昇進させるようでは、二流以下の経営と断言できます。

 

【感性を磨く】一流ビジネスをつくる心
小早川宗護

「一流ビジネス」感性構築コンサルタント

茶人(ちゃびと)代表

小早川宗護

執筆者のWebサイトはこちら http://jp.chabito.com/

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