新規学校卒業者の初任格付けの決め方

  人事制度 松本順市 SPECIAL
松本順市 SPECIAL

人事制度コンサルティング

株式会社ENTOENTO 代表取締役 松本順市

会社を成長させる人事制度づくりで、700社以上の指導実績を誇る日本屈指のコンサルタント。日本の過去50年間の人事制度のつくり方とは異なり、経営者の評価と賃金の決め方を可視化してつくる画期的な人事制度は経営者から大きな支持を得ている。


人事制度の多くの本は大手企業をモデルに書かれています。

そのため、中小企業では到底考えられないようなことが、当たり前のことのように書かれています。

例えば、新規学校卒業者、つまり高卒、短大・専門学校卒、大卒の社員を採用するときの初任格付け等級です。

初任格付け等級とは、我が社に入社するとき最初の成長等級のことです。

この初任格付けを、例えば、「高卒は1等級、短大・専門学校卒は2等級、大卒は3等級」と決めている場合が多くあります。

なぜ、高卒、短大・専門学校卒、大卒で初任格付け等級が違うのでしょうか。一般的にはこれを「学歴による処遇の違い」と言います。

大手企業の多くは、確かに学歴によって処遇を決めています。例えば、高卒で入社した社員は、管理職層までステップアップできないケースもあります。

このように、昇進・昇格や、また昇給・賞与も学歴によって決めること自体は、何も不思議に感じないかもしれません。

厚生労働省の統計資料の中にも「基本給を学歴によって決めていますか?」という質問があるくらいです。

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「学歴で決めている」と答える会社は必ずあります。規模が大きいほどその割合が大きくなる傾向があります。

これを見て、中小企業の経営者が同じように学歴によって成長等級を決めたら、高卒の社員から質問が出る可能性があります。

「どうして高卒は1等級で大卒は3等級なのですか?」

もしこの質問に経営者が「学歴が違うから」と答えたら、どんな問題が生じるかお分かりになるでしょうか。

高卒の社員はがっくりと肩を落とします。
「この会社では自分は出世できない。成長しても限界があるんだ」
そして、成長する意欲を失ってしまいます。

中小企業で高卒と大卒の処遇を分けて考えている企業はどのくらいあるでしょうか。

私の経験では、学歴によって処遇を決めている中小企業は多くはありません。

成長等級とは、成長の階段です。学歴によって初任格付けが異なるということは、入社時の成長度合いが異なると考えているということです。

御社ではどうでしょうか。学歴によって入社時の成長度合いに違いがあると考えているでしょうか。

もしも考えていないのであれば、今回の初任格付けは学歴によって違ってはいけないと経営者が考えているということです。

その場合は、高卒も短大卒も専門学校卒も大卒もすべて1等級からスタートするという決め方もできるでしょう。

ただし、当然このときに考えることがあります。それは、高卒と短大・専門卒、大卒では初任給が違うということです。

初任給が違う理由をどう説明したらよいのか。実は初任格付けの成長等級が同じでも、初任給を変えることはできます。その方法を知らないだけです。

この場合、成長等級が同じで成長給は同じでも、最終学歴によって入社時の年齢が異なるため、年齢給が違うという説明をすることができます。この賃金の決め方であれば、学歴に関係なく成長等級を決めることができます。

もともと成長等級は成長点数によって決めるものです。成長点数によって決めるのであれば、初めて会社に入る新卒社員は「学歴に関係なく1等級」という決め方があると知って頂きたいと思います。

これがすべての社員に理解されれば、「成長点数が高まっていったら等級が上がる」という基本的な考え方に全社員が理解をし、一緒に成長していくことになるでしょう。

 


成長する企業のための、正しい人事制度の視点
松本順市

人事制度コンサルティング

株式会社ENTOENTO代表取締役

松本順市

執筆者のWebサイトはこちら http://www.1ess.com/

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