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上司が“ストーリー”のあるものを持つビジネスでの効果とは?

SPECIAL

印象マネジメント「プライムイメージ」コンサルタント

株式会社プライムイメージ

代表取締役 

印象マネジメント「プライムイメージ」のスペシャリスト。
 社長個人はじめ、企業や事業部門を対象に、高度な印象マネジメント戦略を指導する専門コンサルタントとして活躍。主に、商品や物体、空間…を対象に行われるブランド戦略に対して、人物や服装、表情、所作…などに対しての、顧客が感じる印象に焦点を当てた、戦略的な施策指導を行うのが特徴。企業の業績向上に多大な貢献をしている。

「部下に語れるものを持っているかーー?」 

自分のことを語りたがる人は決して少なくありませんが、ここで言う「語れるもの」とは苦労話や経験ではなく“形あるもの”のこと。高級品である必要はなく、それを自分が持っている理由が「ストーリー」となり、人に言葉で伝えられるものを持っているか、という問いです。 

ここで言う「ストーリー」とは、そのアイテムに反映されたご自身の経験や思い入れ、という意味になります。ストーリーというと、7、8年前に『ストーリーとしての競争戦略』(楠木建・著)という本がベストセラーになりました。この本では、“話しが長いのには理由がある!”というキャッチーな前書きから始まっていましたが、ここでの「ストーリーがあるアイテム」については、話しが長くてはいけません。これは間違いなく嫌がられます。いかにコンパクトにインパクトのある、感動はしなくても印象深い話しができるか、これに尽きます。

現在は、社長や経営層になった方々も、新入社員だった時期があり、今の若手社員の姿に過去の自分を重ねることもあるでしょう。とはいえ、20代前半の若者たちと上司世代には、ジェネレーションギャップや世代間ギャップといわれる、年代による価値観や考え方の違いがあることは否めません。

上司世代のほうがこのギャップに対する気遅れがあるようで、「会話の糸口をなかなか見つけられない」「何を話していいのか戸惑う」といった声が聞かれます。彼らと向き合ったとき、ペン1本、腕時計1つでいいので、見せながら話せるストーリーのあるアイテムがあれば、それが会話の糸口となり、コミュニケーションの一歩になるかもしれません。

例えば、思い入れのあるネクタイについて。

あるIT系の社長は、絶対にまとめたい商談のときに決まって締めるのは、決まった紺色のネクタイ。過去の経験から、これを締めている日の成約率が非常に高いため、大事な日の勝負ネクタイになっています。「ちょっとくたびれ気味だけどね」と言いながら使い続けていて、この1本に代わるものがあれば「いくらでも出す!」と言い切っています。

あるマスコミ系管理職の方は、ハレの日につけるブランドネクタイがお嬢さん誕生の記念の1。卵から生まれたひよこや女の子をイメージするピンク系と、個性的な色柄ですが、その日、その1本を選んだ理由が相手に印象深く残るようです。こんなアイテムへの思い入れは、間違いなく相手に伝わり、その後の良好な関係につながるケースが多いということです。 

文房具や小物にこだわる方もいます。 

愛用されている万年筆は高級ブランドではなく、パーツを一つひとつ選べるオーダー専門店で購入しているという方、最近のエコ意識の高まりもあり、折りたたみ式でコンパクトに持ち運びができる高級素材のお箸を使っているという方。

こうしたお話をいきいきとご説明してくださる姿は、仕事で見せる顔とは違う一面を見せてくれる気がします。

激務を“見える化”していた方もいました。 

製薬会社の伝説の営業マンとして豊富な現場経験をお持ちの方の話。その頃の激務を物語っていたのが、たまる一方の飛行機のマイレージ。もちろん会社の許可あってのことですが、パスケースや書類入れなど、ポイントと交換した数々のビジネスアイテムは、その頃の移動距離の大きさの象徴でした。実際に手持ちの数々のアイテムを見せられた若手からは、「おお~!」という感嘆とも同情ともいえる声が出ていました。 

仕事の経験を積むことは、ストーリーのあるアイテムを1つずつ増やしていくことにつながります。「その目的は?」と考えると、他者とのコミュニケーション手段を超えて、職業人としてのご自身の歴史を“見える化”する一つの方法ともいえるのではないでしょうか。 

さて、あなたにはストーリーを語れるアイテム、いくつありますか?

 

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