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第96号:幹部を育てるコミュニケーションのルール

SPECIAL

ミッションマーケティングコンサルタント

株式会社サンアスト

代表取締役 

これまで500社以上の支援から編み出した、顧客満足と収益の最大化を、同時に実現していく独自の手法「ミッションマーケティング」の創始者。飲食店、ホテル、住宅関連、サービス業、学習教育企業…など、お客様思考がなかなか利益につながらずに悩む経営者に、収益をもたらし大きな成長を実現させるコンサルタントとして評価が高い。

4店舗を経営する飲食チェーン店の経営相談の時のひとこまです。
「幹部社員の育成に苦労しております。自律的に考えることができず、現場指導においても何度も同じことを教えていますができるようになりません。何度も同じことを教え続けるしかないのでしょうか」という相談です。

店舗展開には3店舗から5店舗に壁があるといわれます。1~2店舗では、経営者が1から10まで指導できていたのが、3店舗から5店舗になってくると経営者の目が行き届かなくなるためです。それ以上の店舗展開には、自ら考えて行動出来る店長を育成できるかがカギになります。今までの延長線上のやり方では、限界が来るのです。この飲食チェーン店でも同様のことが起こっていました。

そこで私は、お店の「経営の目的」と「目標」は何ですかと聞きました。するとその経営者さんは各店の「コンセプト」と「売上目標」をお話しされました。店長さんが現場の仕事をするときの判断基準になるように、それをわかりやすく伝え続けているかとお聞きしますと、オープンのときにはコンセプトを伝えたが、最近では売上目標か現場の問題点の指導しかしていないとのことでした。そこに問題があるのです。

現場は「目的」「目標」「行動」と「思考」が繋がって的確な行動判断ができるようになります。売上未達成のお店は「目標」ばかりに目が行ってしまい、「目的」を見失いがちです。

目的とは、お客様の欲求に対しどんな満足を提供していくのかということです。この目的を全員が追求することで、顧客満足の向上につながり「リピート」「口コミ」「紹介」が増え、店長が自律していくのです。
しかし、目的の共有が薄く、目標ばかりに目を奪われると、すべてのお客様に満足していただくことを考え、結局、いずれのお客様の満足も中途半端になってしまい、売上も低下するのです。そのためにも、常に現場の幹部さんとは「目的」と「目標」でコミュニケーションを図る必要があります。

たとえば、メニューの改善の打ち合わせをする時であれば、まず「目的」と「目標」を共有してから議論をするのです。接客の指導する時も「目的」と「目標」を共有してから話をすることです。会議を行う時も「目的」と「目標」を共有してから行うのです。

このように、常に「目的」と「目標」の達成のためにどう判断するか、という考え方を育てることが大切なのです。

しかし、ほとんどの現場では「目標」と「方法」しか伝えられていないのが現状です。それでは、店長の意識は上司にしか向きません。自らが自律的に考える店長を育成するためには、方法を教えることではなく、目的を深く理解させるコミュニケーションが大切です。

 

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