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多様化の時代、没個性とするか?スタートラインとするか?

SPECIAL

印象マネジメント「プライムイメージ」コンサルタント

株式会社プライムイメージ

代表取締役 

印象マネジメント「プライムイメージ」のスペシャリスト。
 社長個人はじめ、企業や事業部門を対象に、高度な印象マネジメント戦略を指導する専門コンサルタントとして活躍。主に、商品や物体、空間…を対象に行われるブランド戦略に対して、人物や服装、表情、所作…などに対しての、顧客が感じる印象に焦点を当てた、戦略的な施策指導を行うのが特徴。企業の業績向上に多大な貢献をしている。

「周りと同じで、考えなくていいのでラク――」 

就職活動真っ盛りの時期ですが、就職活動中の学生たちは、こんな思いで“無難な黒”のリクルートスーツを着用しているといいます。企業では、2005年からクールビズがスタートし、社員の服装はカジュアル化が進んでいるにも関わらず、リクルートスーツは、制服のように黒一辺倒となっています。 

実際に、大学生協を通して売れるスーツは、男性用6割、女性用のほほ全てが“黒の無地”。90年代前半は、女性の就職活動用スーツは、紺やグレーやピンクをはじめとしたパステルカラーも一般的で、今と比べると女性のスーツは確かに派手な印象を受けます。その後、就職氷河期にカラフルな傾向がなくなり、2000年以降は黒が中心となって、今に至ります。女性の活躍、多様性が叫ばれる現在、その象徴ともいえる服装が単一傾向になっているというのは皮肉なものです。 

みんな同じ黒というのは、没個性とネガティブに考えてしまいがちですが、学生にとっては制服感覚で着られるのでかえって楽な様子。だから、「考えなくて楽」という発想につながるのです。 

御社で新卒採用をしていて、社長自身がこのような昨今の黒のリクルートスーツの就活学生に違和感がなければ、問題ありません。もし、少しでも「いかがなものか?」と感じるのであれば、少し自社からのアピールを一般的なものから変えてみるのも一案です。わかりやすい例でいうと、あえて「スーツは黒でなくてもOK」としてみる、などです。

 実際に、「スーツではなく普段着で来てください」という通達した企業もありましたが、結局は、黒のスーツでやって来る学生が少なくなかったそう。大学へ行くような「普段着」と言っているのに、あえてスーツで来るのは、やはり、最初のセリフのように、「考えなくていいので楽」「とにかく無難」だから、ともいえます。 

とはいえ、学生の懐事情を考えると、普段着とはいえ目上の人に会う相応の恰好というと、手持ちは就活用スーツしかなく、「1着しかない」「黒以外ない」から、結局、黒のスーツになってしまう。リクルートスーツ以外というと、かえって敷居が高くなってしまうのかもしれません。 

そんな黒のスーツを着ている就活生に対して、「就職活動時、みんなが黒のスーツを着ることをどう思いますか?」と聞いてみると、いろいろなものが見えてきます。同じ色のスーツを着ていても、「制服だと考える」という人もいれば、「着ることでスタートラインに立つ」と捉える人もいます。シンプルな質問の先にある答えにはそれぞれの違いが垣間見れます 

学生を採用するとき、自社がどういうスタンスでいるのか、それを社長自身が明確にしておくことは大事なことです。優秀な人材が欲しいのはどの企業でも同じですが、「少しでも個性を求めたい」のか、「同系統の人を選びたい」のか。なんだかんだ言っても、面接で採用するとき、やはり服装や見た目は大きな判断材料であることは、少しでも採用に携わったことがあれば、実感できるはずです。 

採用担当者によっても大きく違ってきますが、このあたりは社長の求める人材と採用担当者が選ぶ人材の「いい人材」のコンセンサスをとっておくことも重要。黒一辺倒のスーツを「没個性」と思うか、「脱学生」と感じるかで大きく違うように、「こんな人に入ってほしい」を明確に言語化してアピールすることは、ミスマッチを防ぐためにも必須になります。 

ここまでは「選ぶ側」として話しをしてきましたが、売り手市場の現在、企業を選ぶのは学生の方でもあります。実際に働いている人を見た学生から、「ダークグレイのスーツの世界・・・」「将来に希望がもてない・・・」という何ともシビアな声もありました。

中小企業の場合は、経営者の存在が就活生にダイレクトに伝わりやすく、それが良くも悪くも求人の結果につながります。学生の黒いスーツの中からキラッと光るものを見分けるように、ダークグレイの世界からも自社独自のキラッと光るものを学生に見せつけたいものですね。

 

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