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価格設定の極意

SPECIAL

社内独立店開コンサルタント

株式会社ストアブレインコンサルティング

代表取締役 

経営コンサルタント。アパレル、小売、飲食チェーン指導などに強みを持ち、店長再生から店舗最盛へとつなげていく独自の「社内独立店開」手法を指導する専門家。
自らは店舗を持たない「販売・運営」に特化した経営スタイルに、多くの異業種経営者、店長が注目。路面店から百貨店、都心型SC、郊外型ショッピングモール…など、多様なチャネルで成果を上げ、店舗の強みを引き出す天才と称されている。

 

あなたの店の商品の値段はいくらですか?

それはどうやって決めていますか?

店舗ビジネスの経営においては、提供するモノ、サービスの価格戦略は最も重要な要素の一つとなります。「何を当たり前のことを…」と言う声が聞こえてきそうですが、わかっているのかどうなのか…という店が多いと感じます(安易な値下げが非常に多い)。

価格設定方法には、大きく分けると自社、競合、顧客それぞれの視点から見た3つの方法があります。

まず1つ目として、「自社視点」の価格設定方法であるコストプラス法です。これは一言でいえば、原価に対して自社が設定した利益率を乗せる方法です。一番簡単で、誰でもできる価格設定方法となります。一定の利益を得やすい反面、単純で機械的な値付けのため、価格と価値の関連性が薄く、顧客にとっても特徴が感じられない商品となる可能性もあります。

2つ目に、「競合視点」の価格設定方法として、市場における競合他社の価格を基準にする方法があります。すでにある市場で、その価格がある程度浸透している場合には、同程度かあるいは少し低めに設定することが多いでしょう。ただし、この方法だと値下げ競争に陥る可能性もあります。

3つ目に、「顧客視点」での価格設定方法で、“顧客がいくらならこの商品を買ってくれるのか”を重視します。調査やインタビュー、あるいは試験販売などで適正価格を把握し、そのうえで販売価格を決定します。

価格設定方法は細かく分けるとまだありますが、以上の3つが主な方法となります。どの方法にも良し悪しがあり、現実的には3つの組み合わせを状況に合わせて重み付けをしながら設定する方法を取っている店が多いでしょう。

 

例えば飲食店では、原価率が平均3割となっています。だからといって、全てのメニューを同率にしてしまうと、商品の価格差も大きくなり、お客様が感じるお得感もなくなり、何がその店の売りなのか、ということもわかりづらくなります。

したがって、原価自体は当然気にしながらも一品一品は原価率3割にこだわる必要はありません。どれが価格以上の価値を感じ人気の高い看板商品なのか。どれが平均的な基本となる商品なのか。どれが利益の大きい戦略商品なのか。これらを全体としてバランスを見ながら、お客様が注文する組み合わせとしては、最終的に原価率3割になるような価格設定を行う必要があります。

また、競合他社の価格も無視はできません。お客様は店を選ぶ際に価格も当然その条件に入っています。ただ安易に低価格路線で行くと利益が出にくくなり、価格で選ぶお客様が増えることになります。逆にライバルを意識しすぎてあまり不相応に高い価格にしてしまうと、今度はお客様が価値を感じにくくなるでしょう。クオリティに見合わない、やたらと高い店だ、と言う口コミで間違いなく来店数は減ります。

さらに、自社が提供する商品に、お客様が支払える金額をある程度把握することも忘れてはなりません。お客様は払いたいのに遠慮しすぎて価格を下げすぎれば、ムダに店舗の価値を下げることにもなります。逆に強気に出すぎて多くのお客様が払える金額でなければ、当然来店数が増えるわけはありません。何か勘違いしているのでは?と思われているのがオチです。

このように価格設定は非常にデリケートなものです。しかも静的ではなく動的で常に動いています。多方面からの視点が必要であり、苦労して決定した後も変動することが大半です。だからこそ、そこには軸が必要になります。

その軸こそが「理念」です。なぜこの店舗を始めたのか。その理由と目的は何か。この点が凝縮された「理念」が価格設定の根幹となります。原価や競合他社の価格、顧客の払える金額…どれも重要ですが、枝葉末節にこだわるとろくなことにはなりません。軸があって初めてその視点が生きてくるのです。

さて、経営者の皆さん。

あなたの店の商品の値段はいくらですか?

それはどうやって決めていますか?

 

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