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初任給アップに対応する方法

SPECIAL

人事制度コンサルタント

株式会社ENTOENTO

代表取締役 

会社を成長させる人事制度づくりで、700社以上の指導実績を誇る日本屈指のコンサルタント。日本の過去50年間の人事制度のつくり方とは異なり、経営者の評価と賃金の決め方を可視化してつくる画期的な人事制度は経営者から大きな支持を得ている。

今年も新卒社員が入社されたでしょうか? 

今年もまた新卒社員の初任給が、前年度の初任給を上回りました。

4年連続初任給が上がったことに対して、段々社内の賃金の調整が難しくなってきたことでしょう。 

この初任給の変更は今後ずっと何十年も続くものと覚悟を決める必要があります。 

日本全体で労働力人口の減少、つまり、新卒社員の数も減ります。

この傾向が解消されない限りは初任給は毎年上がることを前提に対策が必要です。 

この時問題になるのは、昨年入社した新卒社員の賃金です。

昨年入社した新入社員の初任給が20万円で、今年採用した社員の初任給が205,000円であれば、少なくとも昨年入った社員は205,000円以上にしなければなりません。 

まさか昨年と今年に入った社員の賃金が同じでは、1年先輩の社員は納得することはないでしょう。

どのように賃金を上げるかを考えなければなりません。 

例えば初任給を5,000円上げたので、「全社員の賃金を5,000円上げる」と豪語した経営者もいます。それはそれで、その会社でその負担額を上回るだけの収益があるのであれば良いでしょう。 

つまりこれによって労働分配率が悪化しないのであれば、企業経営上は問題なしです。 

ただこれを毎年やることは到底無理です。 

そのため、基本的には最も労働分配率に影響の少ない方法を取ることになります。それには様々な方法があります。 

例えば一般職層の社員だけ、その初任給を上げた分だけの加算をする方法があります。 

例えば初任給を5,000円上げた場合、一般職層の社員だけ成長給を5,000円上げる方法です。

これが影響を最小限度にする方法の1つです。 

中堅職以上は自分の成長によって成長給がアップする階層であり、当然その初任給のアップした分を加算しなくても十分自分の成長によって昇給を得られる階層と考えられるからです。 

ここを曖昧な形にせず、会社で内容を決めたら全ての社員に発表することが大切です。 

この調整の仕方を曖昧なままにすると、それを探ろうとする社員が出ます。おおむね、自分は不利との結論になるでしょう。 

そうなってからの社員の不平・不満はより大きな問題になってしまいます。 

会社がどのようにその初任給のアップに対応していくのか、その方法やその理由について、会社で新入社員の初任給を開示する前に説明し対応する必要があるでしょう。 

つまり来年の初任給がアップする必要性があるとすれば、もう既に在職する社員に来年のことを説明しておく必要性があります。 

毎年上がる可能性があるこの初任給の見直し。会社として、一つのルールをつくってください。

 

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