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経営改革を阻んでいる社内伝説をぶち壊す

  成長支援部づくり 岩井徹朗 SPECIAL
岩井徹朗 SPECIAL

成長支援部づくりコンサルタント

ヒーズ株式会社 代表取締役 岩井徹朗

会社の大元となる「総務」を革新すれば、すべての事業部に影響を与え、顧客志向になり、驚くほど業績が伸びる。経営者が着手すべき、「成長支援部づくり」を指導。

経営改革を阻んでいる社内伝説をぶち壊す

先日クライアント先で打合せをしている時、経営改革の一環として、ある業務でシステムを導入して仕事を効率化することが決まりました。

私は以前社長からお話をお伺いしていた内容を勘案すると、社長はシステム導入による業務効率化には積極的という印象を持っていました。けれども、社員は「えっ、システムを使ってもいいんですか?」と、やや驚きを持ってその決定を受け止めていました。

実は、その昔、会社で顧客管理システムの導入を検討している際、社長が「安易にシステムなんかに頼るな!」という主旨の発言をされ、システムの導入がちょっと先延ばしになったことがありました。

社長の発言の趣旨は、「きちんと要件定義をして、どのシステムが最適化をしっかりと検討するように」ということでした。しかし、社員の方では、「社長はシステムが嫌いだ」「社長はシステムにお金をかけるのは反対だ」というように解釈していたのです。

そして、それが都市伝説ならぬ会社伝説となり、社内の中で、できるだけシステムに頼らずに、人手でなんとかしようという雰囲気が醸成されたのです。

もちろん、システム投資にはお金が要るので、安易にシステム会社の提案を受けるのは避けなければなりません。特に社内にシステムに詳しい専門家がいない場合には、割高なシステムを購入したり、会社のやりたいことが実現できないシステムを使ってしまい、無駄な投資になる恐れがあります。

けれども、ITが日進月歩で進化し、人手不足が業績の足かせになりつつある中、システムの導入で効率化できることは徹底的に自動化して業務プロセスを見直すことは、会社の規模に関わらず必要なことです。

先の会社の場合、社員たちも薄々「ウチはもっとシステム化を図ったほうがいい」と感じていました。しかし、「社長はシステムが嫌いだ」という社内伝説が一つの壁になって、内心ではシステム化を推進したほうが良いとは思いつつも、社長に対して「ここは思い切ってシステム化して効率化しましょう」という提案をできないでいたのです。

中小企業では、社長の言葉は社長が思っているよりも、かなり重い形で社員に受け止められています。そして、中には表面的な言葉尻だけが一人歩きして、真意が伝わらないまま、社内伝説として代々語り継がれていることが少なくありません。

冒頭の社長と社員を交えた打合せの際にも、「社長はシステムを入れることに反対じゃないんですか?」という質問がありました。社長からすれば、「俺、反対したことなんかあったけ?」という感じでしたが、そこに社長の認識と社員の認識との間にズレが生じていたのは、紛れもない事実です。

社長としては何年も前に言った発言のことなどいちいち覚えてはいません。ましてや、「もう少し内容を詰めてから、再度提案してほしい」という意図が、システム嫌いとして捉えられているとは思ってもみないことです。

しかし、社内におけるミスコミュニケーションはちょっとしたことから起こります。特に怒りっぽいタイプの社長は、怒った口調で指示したことがねじ曲がって社員に伝わることが多いので、注意しましょう。

あなたの会社の経営改革を止めているのは、社長と社員との間で意図せずして生まれた社内伝説かもしれません。そして、その間違った社内伝説を打ち壊せるのは、新たな社長の言葉です。

 

【総務の革新】成長支援部づくりで業績を伸ばす経営視点
岩井徹朗

成長支援部づくりコンサルタント

ヒーズ株式会社代表取締役

岩井徹朗

執筆者のWebサイトはこちら https://www.heeze.co.jp/

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