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『削減による働き方改革』と『真の働き方改革』の違い

2020年1月6日 ホスピタリティビジネス 船坂光弘 SPECIAL
SPECIAL

ホスピタリティビジネスコンサルタント

ザ・ホスピタリティチーム株式会社 代表取締役 船坂光弘

「お金になるホスピタリティビジネス」構築の専門コンサルタント。ホテルやウェディングビジネスのみならず、異業種のホスピタリティを軸とした新ビジネス立ち上げも指導。

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『働き方改革』、中小企業の経営者にとって、このワードは頭の痛いワードでもあります。

比較的、人員的、業績的にも余裕がある一部大手企業であれば、IT等により効率化を図り、残業代を縮小する。

また、有給休暇を取得させて、残った人員で業務をこなすように工夫をする、テレワークを導入して自宅勤務を可能とする等は可能かもしれませんが、労働集約型のサービス業で、ただでさえギリギリの人員で現場を回して中小企業にとっては、対応に苦慮していることも事実です。

実際、先日も飲食業の社長からも、厨房の若手社員は、今まで始業までの時間は勤務時間外で、未熟な技術を磨く修行の場であったにも関わらず、これからは、その時間の残業代もつけなくてはならないので、総人件費を考えると、今までの仕込みは困難となり、生命線である料理の品質を下げざるを得ないと言っていました。

確かに世界から見ると『日本人は働き過ぎ』、『生産性が低い』と言われており、これからのグローバル化に伴って、それを是正しようとする政府の方針も分かるのですが、なかなか、現場の現状は定時で現場を回すことは何とかしても、未来の数字を創る為のアクション等まで手が回らず、長期的にみると明らかに企業全体が疲弊していく構図が見えてきます。

その分、増員で賄おうと採用募集をしても、人員が集まらない、ギリギリでやっているので売上を増やさない限り、人員も増やせないといった八方ふさがりの状態の中で、経営者の悲痛の声をよく聞くようになりました。

一方で、働く側にとっても、働きたくても残業代が出ない為、働けない、

効率化ばかりが求められて、黙々と仕事をしなければならない為、社員どうしの会話もできないような職場の雰囲気、

自分で新しいことをチャレンジしたくても、時間外になってしまうので、言われたことだけやるしかない。

といった、全てではありませんが社員にも働き方改革を歓迎しない風潮があることも事実です。

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このような施策で、日本は本当に『世界との競争力を増し、勝ち抜いていけるのでしょうか?』

私も50歳になり、自分の20代、30代を振り返った時に、時間を忘れて働いたことが自分の成長に繋がり、今の自分の仕事のベースとなっています。

その大切な時期を『働き方改革』という名の基に、若手の成長の機会を奪って、本当に大丈夫なのでしょうか?

但し、誤解しないでいただきたいのは、決して働き方改革がいけないと否定している訳ではなく、経営者の多くが『従業員の働く時間を減らして、休暇を取らせること』が働き方改革であると解釈しているのが現状であるということです。

では、私たちはどのようにすれば良いのでしょうか?

そもそも働き方改革により、企業はIT化や効率化等によって総労働時間の削減や、人員の削減を図り生産性を上げることが目的としては大きいはず。

私は、その『削減による生産性向上』が企業にとっても、従業員にとっても良い施策になっていないと考えます。

私の思う、生産性向上策は、

『自分にとっての仕事の意味を理解し、日々の仕事に誇りや、やりがいを見い出し、イキイキと主体的に働くことで生産性を上げること』

であり、このことを経営者がマネジメントすることこそが『真の働き方改革』だと考えます。

その為には、

〇 自社が何を目指していて、顧客や世の中にどのような貢献をしているのかを明確に伝え、そこに従業員の共感、共鳴があれば、自分の仕事に誇りを持ち、顧客や社会に貢献する喜びを糧に主体的に働くようになる。

〇 人は誰しも『成長したい』という欲求があり従業員の成長の機会を教育や評価で満たすことで、自分がより顧客や会社の為に貢献する為に主体性を持って働く。

〇 『自分が仕事でモチベーションが上がった時ってどんな時?』という質問をセミナー等でした際に『任された時』『上司に期待された時』という回答が圧倒的に多く聞かれます。即ち、言い換えれば『自分が承認されているかどうか?』が、従業員のやる気と密接に繋がっています。

従って、経営者と従業員のエンゲージメント(絆)を深くすることで、自社において、自分が承認されている、自分の存在意義を確認できることが重要です。

このように、『削減策』による生産性向上策ではなく、『従業員の心を満たす』ことで生産性を上げることこそが、会社も、従業員もHPPYになれる働き方改革であると思います。

このような経営を『ホスピタリティ経営』と呼び、従業員の幸福度の向上が業績向上に繋がっている企業が多くあることも事実です。

『会社良し、従業員良し、社会良し』が経営の根幹であり、真理です。

これに矛盾した施策はどこかで破綻しますよね。

あなたの会社は『削減策』による働き方改革をしますか?

それとも、『従業員の幸福度向上』による働き方改革をしますか?

令和も2年目、経営者自身が何の為にこの会社を経営しているかを考え、自分を信じて新しい一歩を踏み出しましょう!!

 

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【経営コラム】ホスピタリティで新ビジネスを生み出す視点

ホスピタリティビジネスコンサルタント

ザ・ホスピタリティチーム株式会社 代表取締役

船坂光弘

執筆者のWebサイトはこちら  http://www.thehospitalityteam.jp/

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