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使命を背負った会社が持つべき「企画力」の高め方

SPECIAL

商品リニューアルコンサルタント

株式会社りぼんコンサルティング

代表取締役 

商品リニューアルに特化した専門コンサルタント。「商品リニューアルこそ、中小企業にとって真の経営戦略である」という信念のもと、商品の「蘇らせ」「再活性化」「新展開」…など、事業戦略にまで高める独自の手法に、多くの経営者から注目を集める第一人者。常にマーケティング目線によって描きだされるリニューアル戦略は、ユニークかつ唯一無二の価値を提供することで定評。1969 年生まれ、日本大学芸術学部文芸学科卒。

刻々と外部環境が変化してゆく時です。自社商品サービスの再構築が迫られている状況、5月の連休からご相談が急増しています。給付金や融資で直近はなんとか、しかし、未来から逆算したとき立ちゆかなくなることは目に見えています。「スペイン風邪」の歴史から学べば「収束した」と気持ちがゆるんだ生活者が、日常生活を始めることで、第二波、第三波がやってきたことがわかっています。

もちろん科学の恩恵で治療薬リリースの時短が期待できます。しかし、それ以上にマスメディアやソーシャルメディアの影響で、わたしたちは「せっかち」になっています。贅沢も知り尽くしています。耐え忍ぶ力が脆弱なわたしたちです。総合的に考えれば、2022年頃までは、短い周期で自粛生活をくり返しながらの生活になると想像できます。

このように、まったく新しいライフスタイルの中で、新たな商品サービス、新たなジャンルのビジネスを生み出す大チャンスの時、それが今です。何をやっても正解はなく、成功パターンもないのですから、チャンスだらけです。ゆえに「自社が行こうとしている方向」を読み違えないことです。外的環境の様子を見ながら、といった姿勢も注意が必要です。変化の激しいときですので「完璧」を目指ざしてはなりません。とにもかくにも一歩踏み出しましょう。小さな手応えで良いから、「前進している」実感を得ることがモチベーションを上げます。

どのような時代になっても、考え方は不変です。わたくしどもが策定している商品リニューアルの構造が道しるべとなります。先ず「理念」です。自社の存在意義、使命を再確認します。逆境、苦境であればあるほど、不安や恐怖感が強ければ強いほど、自社の「理念」が希望の光であることをお感じになるはずです。反対に、理念がなかった、通り一遍の言葉だった、そうお気づきになるかもしれません。今一度、真剣に取りかかってください。

自社の理念を強く念じ、ハラにおとしてゆくことができた時、次は戦略策定と仕組みづくりに着手します。ライフスタイルが相当に変化しています。人の価値観、暮らし方の傾向=トレンドを見ていくことが必要不可欠です。順序が大事で、理念からの「逆算」で考えることです。そして仕組みを作り、実装してゆきます。この時には、「発想」や「企画」といったアイデアが土台となり、仕組みを支えてゆきます。

東京・本郷にある旅館「鳳明(ほうめい)館 森川別荘」をご存じでしょうか? 60年の和風旅館ですが、最近商品リニューアルをしました。それは「デイユースプラン“3密・心配ご無用! ”テレワーク応援」という商品です。これは、ビジネスホテルではよくある「個人向け日帰りプラン」の商品リニューアルです。

ただの日帰りプランではなくて、新働き方時代の “歩いて行ける和風旅館で集中テレワーク!!”という企画です。自粛生活が長引く中、狭い住宅事情で仕事に集中できない、毎日同じ環境でストレスがたまる、集中できる環境で仕事をしたい、といった不満や欲求に応える商品リニューアルになっています。もともとの「旅館」という土台、その魅力をふんだんに活用しています。

築60年の和風旅館、風が爽やかに通り抜ける畳の部屋で、落ち着いて仕事に打ち込める。コロナ禍のストレスを癒やしながら仕事もはかどる環境が良心的な価格で手に入るのです。かつては小説家や脚本家といった「文豪」たちが旅館にこもって執筆したものです。時代が変わって、いまやお客様は近隣のビジネスユースです。さらに同旅館では、都心にある地の利を生かして「電車通勤回避連泊プラン」も用意しています。

この鳳明館の企画は5月11日付日経流通新聞の小さな小さな記事「いち早Check」で紹介されています。実はここがとても大事なポイントです。仕掛けたからこそ、このように記事になっているのです。新しい発想で企画を起こす。仕組み化する実装する。第一歩として、世の中にコミットする。パブリシティ記事を打つ、SNSで発信していく・・・そんな小さなアクションを実践している。ここに学ぶべきエッセンスがあります。

この実践こそが中小企業の苦手とするところです。大手企業の場合には専門業者におまかせすることで、次々と企画を立ち上げ成果が出るところまで継続することができます。しかし中小企業の場合にはどうでしょうか?

経営者の頭脳にかかっています。酷い現状であればあるほど、考え組み立て、実践するバランス力が必要不可欠です。まずトップが企画頭脳でなければ新しい時代を乗り越えてゆくことはできません。

しかし実際には、考えること書くこと伝えることに強い苦手意識を持っておられる方が多いのです。思いつきを実装までの企画に組み立てることができません。言葉にできない、書けないとは、すなわち「何も考えてない」。考えていないから何を書けばいいのか、伝えたらいいのかがモヤモヤっとするのです。考えていない、は今の状況では「命取り」です。人のため世のために使命を持つ会社が、命を終わらせるようなことがあって良いのでしょうか? 

今、不安、恐怖、思考停止、イライラ、他者への誹謗中傷、足を引っ張るなど、エネルギーを別の方向に使っている人が増えていると言われています。そうしたネガティブなニュースの真偽はわかりません。

しかしこの渦中に入り込んで時間とエネルギーを浪費する人がいれば、企画力を高め実務に落とし込む社長もいらっしゃいます。苦境を成長ととらえてリボーン、新たな境地へと一歩ずつ階段を上り始めている経営者、企業があります。ここが大きな差になります。

勉強熱心な日本の中小企業経営者に足りないもの。それは、ダイナミックに「企画する力」です。ぜひ、この苦境を活かして企画力を高めましょう。そして、商品リニューアルの構造を活用して新たな商品やサービスを開花させ、新しい世界観を打ち出してゆきましょう。

 

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