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弱みを財産とする逆転の発想とは

SPECIAL

環境戦略コンサルタント

合同会社オフィス西田

チーフコンサルタント 

環境戦略アドバイザー。数々の多国間環境条約や、国連が提唱する2030年のための持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)を参照しながら、サーキュラーエコノミーなど企業として取るべき環境戦略や、環境対策を通じた長期収益構造の改善などをアドバイスしている。

皆さんは「SWOT分析」という言葉を聞かれたことがあるでしょうか。企業の経営分析で「強み」「弱み」「機会」「脅威」を抽出し、「強みを機会に投入する」という考え方で戦略案を作る手法です。

この方法だと、「今手にしている強み」がスタート地点になるため、どうしてもそこから将来を描く(フォーキャスティング)という議論になりがちなところがあります。

ところが環境ビジネスなど社会の持続可能性に深く関わる事業分野では、将来の議論について「ありたい姿」から逆算して考える、いわゆるバックキャスティングという手法を採用することが多いため、SWOT分析などフォーキャスティングにつながる方法論は馴染みにくいと言われてきました。

これら二つの異なるアプローチをつなぐのが、意外にも「弱み」の存在だったりします。炙り出された「弱み」をすべて克服課題と捉え、〇年後の姿を「弱みの克服」とすることで、バックキャスティングによる将来計画を無理なく描くことができるようになります。

これまでSWOT分析では、「弱み」というと何か添え物みたいな扱われ方をしていたのですが、むしろ「強み」よりも将来を考えるための有力な手掛かりとして注目されるようになりました。10年かけて弱みを克服するためのアプローチについて議論する。そんなやり方で将来を語り合うという取り組みは、やってみると実に有意義に感じます。

「弱みこそ武器だ!」というとやや大げさかもしれませんが、弱みの克服プロセスというものは、意外にも周囲の共感を誘う物語として成り立ちやすいという属性を持っています。たとえば片親家庭や元受刑者など、社会的には決して恵まれない立場はそれだけだと「弱み」として認識されがちですが、逆に言えばそこから這い上がって成功するという物語を描く起点にはなるのです。大金持ちのボンボンや高学歴な若者には、辿りたくても辿れないストーリーです。

このように、とある一瞬を切り取った分析に止まらず、時間軸を加味することによって、事業性も深く評価できるようになるのです。弱み⇒物語⇒共感、そして成功へ。新しい成功方程式が書けたような気がしませんか?

 

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