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SDGsで商機を掴む

SPECIAL

オルタナティブ経営コンサルタント

合同会社オフィス西田

チーフコンサルタント 

カーボンニュートラル、SDGs、サステナビリティ、サーキュラーエコノミー、社会的インパクト評価などへの対応を通じた現状打破と成長のための対案の構築と実践(オルタナティブ経営)を指導する。主な実績は、増客、技術開発、人財獲得、海外展開に関する戦略の構築と実現など。

「西田先生、SDGsって難しいですよね。どうやったら社員に導入を理解してもらえるのか・・。」指導先の専務さんから言われたコトバです。どうすれば良いかを考えるお手伝いのためにこそコンサルタントがいるわけですから、ハウツーに関する話ならいくらでも頼ってください、でも最後は経営陣の覚悟次第です、と私は申し上げました。

企業にSDGs導入をご案内するとき、私が心がけていることがあります。

1. 導入目的をはっきりさせること。
 SDGs導入は「変化する社会への先行対応」を可視化して宣言することに他なりません。その意味で、若干ながら「ファースト・ペンギン」的な要素も伴います。そこで立ちすくまれるようでは話になりません。私はよく「SDGs=S社会のために、Dどんどん仕事を、G頑張る元気な会社であることを宣言するためのツール」という紹介をします。単なる語呂合わせですが、企業にとってSDGsが果たしてくれる役目を言い表しています。
 コロナの時代、温暖化と災害の時代、ビジネス環境はかつてない振れ幅で変化しています。その中で自らが変わることでしか企業の生き残りはありえません。どう変わるか?それをはっきりさせるための第一歩が、今まで漠然としていた社会と企業との立ち位置をはっきりさせることにある、というのが私の考えです。立ち位置を明確にすることの重要性を、まず経営がしっかりと認識することが何より大切なのです。


2. 経営者としてSDGsは「一つだ」と割り切ること。
 SDGsを巡っては、17のゴールがあって、その下に169のターゲットだ、220のインジケーターだという話があり、社会全体に渡る広範な話が盛り込まれています。話を小難しくするばかりの構造で、忙しい企業人からすると、とても手に負えないと見ただけで拒否感を感じる人もいるでしょう。細かい話は実務担当に任せて、SDGsもまたISO規格やごみの分別などと同様に、社会に対する約束を現した指標の一つであることを明確に認識できればそれで良いのです。


3. 参照すべき対象はSDGsだけで良いのか、全体観を持つこと。
 SDGs以外にも、パリ協定への賛同を表すTCFD宣言や、再生可能エネルギーへの転換を約束するRE100など、より具体的な指標は少なくありません。あるいはあしなが育英会やこども食堂などへの賛同も可視化しやすい取り組みと言えるでしょう。その中にあって、私がお勧めしているサーキュラーエコノミーは、SDGsに直結しておりビジネスとの親和性が高いという点で出色のテーマです。特に製造業・流通業との相性が良いのですが、経営としては社会への対応をどのように進めれば良いのかについて俯瞰的な視点を持っておくことが大変重要なのです。


4. ビジネスとのリンケージを考えること
 未だにSDGsはコストだ、としか考えない方が数多くいます。1~3を読んで感づかれた方もいると思いますが、ビジネスはあくまでビジネスであるべきで、①変化への対応、②そのための全体観、③SDGsの性格を理解したうえで、考えるべきは「変化する市場環境の中でどのようにビジネスを成功させてゆくべきか、そのためにSDGs(を含むさまざまなテーマ)をどう活用できるのか」、に尽きるのです。以下に述べるとおり、私は未来を読み商機を掴むためのツールとしてSDGsを使うべきだと思っています。


5. 未来を見つめて商機を掴むこと
 かつて、日本社会がタバコの煙に包まれていた時代がありました。街中はおろかオフィスでも、飲食店でも、公共交通機関でも、どうかすると信号待ちの交差点にも、そこかしこに灰皿が置かれていて、嫌煙権や分煙などが社会に行き渡る時代が来るとは想像すらできませんでした。10年単位で時間はかかりましたが、それでも確実に変化は起きたのです。これは「何とかしなくてはいけない」という問題意識に駆られたごく少数の国民(せいぜい2割程度でしょうか)が成しえた社会の変革だった、という説があります。「どっちでも良い」としか考えなかった残りの大多数は生じた変化に黙って追随し、相当な愛煙家でも、「分煙反対」の運動を積極的に推し進めた人はほとんどいませんでした。
分煙問題はすなわち、①意識の高い層が全体の2割居れば、そこに普遍性を持った知恵が生まれること、②喫煙者を含む残りの8割が積極反対派ではなく、「どっちでもよい」という、いわゆる無党派層であれば改革の障壁は脆弱なものにとどまること、の実例です。分煙反対運動が起きなかったのと同様に、SDGs反対運動もまた、極めて起きにくいはずです。その趣旨が社会善につながらないものは、絶対反対運動にはなりにくいのです。


 今や日本におけるSDGsの社会認知度は3割に達し、別の調査では18歳で気候変動を大いに意識する、と言う人も2割を超えました。特にSDGsの認知度はここ1年で10%も上昇したのです。

もうお分かりだと思いますが、社会が企業に対してSDGsを要求するようになる未来はすぐそこまで来ているのです。流れに乗り遅れることでチャンスを失うか、それとも先取りすることでチャンスをものにするか、まさに今が分水嶺にあるのです。
あなたの会社は、未来を先取りしますか?それとも座してそれを見逃しますか?

 

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