未来のご飯のタネを育てるには | 日本コンサルティング推進機構

本物のコンサルティングをより身近に。

未来のご飯のタネを育てるには

SPECIAL

マインドシェアNo.1ブランドコンサルタント

株式会社アトリオン

代表取締役 

国連が提唱する「持続可能な開発目標」SDGsのフレームワークを活用し、顧客にも社員からも永く愛される「マインドシェアNo.1ブランド」確立のための社内体制を構築する。会社の哲学、商品・サービスの優位性を明確にし、社員の意欲を引き出して、顧客のファン化を後押しするスペシャリスト。顧客と社員の双方の満足を循環させるES-CSチェーンを土台に、競合との圧倒的な差別化をはかり、会社のステージを上げたい企業から絶大な支持を集めている。

先日、SDGに取り組む会社の社員から、「突然、社長がSDGsの活動をやめると言い始めた」という話を聞きました。既存事業が急に忙しくなってきて、新規事業開発に相当するSDGs活動をやめて既存事業に注力するよう指示が出た、と。 

過去数カ月間、全力で活動を進めてきたご本人にとっては晴天の霹靂。そもそもの発端が社長の鶴の一声であったから余計にショックは大きいというわけです。 

経営資源がいっぱいいっぱいの中小企業ではありがちなことです。目の前にある利益が出る仕事に人を回したくなるのは当然です。特にコロナ禍で業績に悪影響が生じている昨今、折角訪れたチャンスをみすみす取り逃がすという選択肢はあり得ません。

他方、中小企業がなかなか新規事業を生み出せない理由もここにあったりします。仕事が薄くなったタイミングで新規事業の育成に取り組み始めると、しばらくして既存事業が忙しくなり、新規事業は一旦ストップ。また仕事が落ち着いてくると、改めて新規事業に取り組むといった具合。

もしかしたら、この社長、本当は社員に、既存事業をこなしながらSDGsに関わる新規事業にも注力して欲しかったのかもしれません。既存事業が今日のご飯のタネなら、新規事業は明日のご飯のタネ。両方必要なのはよくわかっています。

でも、昨今の働き方改革の波が目に入ると、そうそう社員に無理を強いることはできません。それで、どちらを選ぶかというと、直近の利益が上がる既存事業を選ばざるを得ないわけです。当たり前です。

もう一つ考えられるのは、そもそもの発端から、SDGs関連の事業に“流行に乗り遅れないように”取り組んだかもしれないということです。

SDGsという言葉がよく聞かれるようになった。金融機関も自治体も至る所でその言葉が語られている。競合も取り組み始めたようだ。うちもやらないとまずいかもしれない。○○くん、ちょっとやってみて」と。 

新しい事業を育てるとき一番大切なのは行動の段階です。事業の段取りを立て、資源を手配するところまでは頭のなかでできます。その構想がお客さんにとって適切なものなのかどうか、お客さんの課題を解決するものなのかどうかは、実際に行動をして反応を得てみるまでわかりません。 

スマートに市場調査をしたり、広告を打ったりするだけでは、お客さんの本音はわかりません。実際の営業活動を通して、お客さんがお金を払ってくれるかどうかというところで、事業の良し悪しが決まります。

結構大きな力とモチベーションが必要です。だからこそ社長の強力なバックアップが必要なのです。

SDGsISOBCPも、企画部門や製造部門や品質部門などの部門の担当者が一生懸命取り組んでいる。でも社長の関心が薄れているとなると、既存事業が忙しくなった途端に崩壊する危険性があります。特に中小企業では、社長に顧みられない事業は不幸です。程度の差こそあれ、社員はみんな社長に愛されたがっています。

SDGsは、より普遍的な言葉ではCSV(共有価値の創造)です。社会課題の解決を取り込む事業は、これから確実に主流になってきます。もちろん、いかなる事業も顧客の課題解決が主眼ではあります。そこから一歩、社会に視野を広げられるかどうか。弊社も含め、すべての中小企業に投げかけられている問いです。ぜひ一緒に考えていきましょう。

 

コラムの更新をお知らせします!

コラムはいかがでしたか? 下記よりメールアドレスをご登録いただくと、更新時にご案内をお届けします(解除は随時可能です)。ぜひ、ご登録ください。