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SPECIAL

商品リニューアルコンサルタント

株式会社りぼんコンサルティング

代表取締役 

商品リニューアルに特化した専門コンサルタント。「商品リニューアルこそ、中小企業にとって真の経営戦略である」という信念のもと、商品の「蘇らせ」「再活性化」「新展開」…など、事業戦略にまで高める独自の手法に、多くの経営者から注目を集める第一人者。常にマーケティング目線によって描きだされるリニューアル戦略は、ユニークかつ唯一無二の価値を提供することで定評。1969 年生まれ、日本大学芸術学部文芸学科卒。

S食品の三代目、S社長の勢いがとまりません。祖業は地方の和食店でしたが、豆製品にこだわった製造メーカーに転じました。先代の時代は大量消費、大量生産の時代です。日配商品として卸していましたが、大手量販店の終わりなき価格競争に飲み込まれ、会社が疲弊しました。

専務だったS社長は、価格競争の現状だけでなく、異常気象、原油高による原材料高騰、物流費の高騰、環境変化による原材料調達の不安定さ、資源不足などの予兆をとらえていました。自分が道をつくる未来から逆算して、社長就任後は全商品をリニューアルしました。

商品リニューアルでは、原点に立ち返りました。疲弊している社員と自分自身に問いました。何のために家業を継いだのか、何のために商品サービスをつくっているのか、自社は何のために存在しているのだろうか、と。

S社長は、発想転換をしました。これまでの低価格商品を捨てました。価格競争を降り、高付加価値商品サービスで勝負に出ました。自社商品の軸である「豆」を“ハレの日”化しました。日常食という常識から、「特別な日にいただく豆」というコンセプトで、プレミアム商品をつくりました。お客さまに直販するシステムを構築し、動いて動いて動いて動いて、軌道に乗せました。

2店舗目出店の声も高まりましたが、S社長は「ない、です。2店目はありません」と断言します。「わたしたちはメーカーです。コザキ先生がいつも話しておられるように、第一の使命は商品開発です。お客さまの声を直接お聞きする仕組みをつくったことで、つねに開発テーマがあります。時代も刻々と変わっているので、商品開発に専念します」と力強い言葉です。

2020年以降の世界は、S社長の予兆が、現実になりました。そして、疫病や戦争の影響、国内人口減の減少をよそに、黒字を出し続ける企業や店舗があります。厳しい経営環境を克服するために、プライベートブランド商品、新規商品開発、フランチャイズ化、製造小売、M&A、ネット通販への本格化、そして海外事業の拡大など、体力のある大手企業が今、利益を生み出すために格闘しています。

中小企業は、大淘汰の時代を迎えています。本業以外の収入があって、本業で食べているわけではない層が大量に減っています。農業などでは顕著です。一般的には「農家の高齢化が進んでいる」「農家が大量に廃業している」と問題視されていますが、実のところは、農業一本で食べている、売上規模3000万以上のプロ農家は増加傾向にあります。自社商品開発を使命とするメーカーは、小さくとも強い切れ味をもった山椒経営なのです。

一方、先送りしてきた中小企業は大手企業に首根っこをつかまれ続けています。生殺与奪の権を握られた在り方は、今の環境下ますます苦役化しています。「体力のある大手企業が、利益を生み出すために格闘している」のは自社の利益確保のためです。一層の値入れ率改善や販促経費負担などを空気で伝える大手企業の「伝統芸」で、しわ寄せは全て下請け企業が負うているのです。そこに希望は見出せません。

わたしたち中小企業は、アイデアで戦える企業として存在しなければなりません。企業の価値観に共感して集まる時代です。自社のこだわり、質の高さ、挑戦を続けていくこと、自分たちの考え方とやり方次第でいくらでもユニークな商品サービスを生み出すことができます。いくらでも優位性を作っていくことができます。

その根源であり、使命は「商品開発」にあります。下請け企業ではなく、わたしたちは「メーカー」へ脱することが求められています。業種業態を問いません。時代の変化と化学変化させながら、商品サービスを開発していくことです。

これほど時代が変化して、戦後のビジネスモデルが崩壊している今でも、思考停止の社長が、迷走しています。「中小企業だからダメだ」「地方だからダメ」だそして「人口減の日本だからダメ」だという、ボヤキがたくさん聞こえてきます。

今、挫折しているならば、それはとてつもなくチャンスです。下請け企業でご苦労しているのなら、メーカーになればいいのです。創業のとき、あなたには自由な発想で、叶えてみたい夢があったのではないでしょうか。二代目として継いだとき、夢はなくとも、お客さまに喜んでいただくうちに目覚めた思いがあったのではないでしょうか。今こそ、原点に立ち返るときです。

時代があまりにも急変し、お客さまは困っていることで溢れています。ヒントを申し上げましょう。困りごとは新しいニーズです。あらゆる業種、分野から超ニッチなマーケットを見つけてきて生き残ってゆける、種です。

冒頭のS社長は、今も歩みをとめることなく、未来を創り出そうとしています。「夢ですか? 例えば今、修理修繕の時代ですが、職人の不足が叫ばれていますよね。弊社の業界も同じです。そして、日本だけでなく海外も同じで職人不足です。わたしたちは、サポートできる可能性に満ちています。アイデアと、お客さまとの直のつながりと、自社の仕組みで、新しい販路につながる醍醐味を今ようやく実感しています」と目を輝かせています。

あなたの業界に革命を!  今ある商品サービス、今ある技術、今ある人たちを基盤に、商品サービスを開発していく。あなたがつくる商品サービスを通して、お客さまが興味や関心を持ってくださる。商品サービスの背景に、あなたの会社がある。商品と企業は不離一体で、ひとつのイメージを形作ります。

単なる企業名だけに留まっている巨大ブランドがゴロゴロする中、わたしたちは小さくとも力強くスパイスを放つ山椒です。単なるブランド名だけに留まらない価値を感じてもらえるところに、わたしたち中小企業の価値があります。世界中にお客さまがいます。次は、あなたの番です!

 

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