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話し相手がもたらす効能

SPECIAL

環境戦略コンサルタント

合同会社オフィス西田

チーフコンサルタント 

環境戦略アドバイザー。数々の多国間環境条約や、国連が提唱する2030年のための持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)を参照しながら、サーキュラーエコノミーなど企業として取るべき環境戦略や、環境対策を通じた長期収益構造の改善などをアドバイスしている。

難しい課題に出会ったとき、人と話をしていると自然に解決策が見えてきた、というような経験をされたことはありませんか?かつてない場面や初めての課題に対応するとき、経験値のある方にアドバイスを頂けるとしたらそれは素晴らしいことですが、たとえそうでなくてもだれか他の人に話を聞いてもらえる機会は、自身の考えをまとめたり、新しい見方を教えられたりする効果が高いとされています。できれば意識的にそういう機会を設けられると良いのですが、スピード勝負のビジネスの世界では、必ずしも高い優先順位が保証されている考え方とは言えないかもしれません。

そもそも、自身がそんな難しい課題に遭遇しているのかどう、日常的な場面が連続する日々の中ではしっかりと認識しづらいものです。他方で企業経営は、常に新しい課題への答えを見出し続ける必要があるという側面がついて回るため、経営者でいる限り「難しい課題」から逃げおおせることは不可能です。そしてその多くが、被雇用者である社員とは所詮共有できない、経営者一人がすべてを背負って解決しなくてはならない性格のものであることが多いのです。

そんな時に役立つのが、「話を聞いてくれる話し相手」を確保しておく、という方法です。相手は、あなたが孤高の経営者であることをわかってくれて、あなたの話を聞いてくれる人であれば、それ以上の資格要件を必要とするものではありません。場面に応じてそれは、人生の先輩だったり家族だったりしますが、あるいはスナックのママであったりするかもしれません。

いずれにせよ「ただあなたの話を聞く」というだけの役割なのですが、そういう人がいるだけで、あなたの心にある重荷がひとときでも聞き手の心に仮置きされ、あなたの心にほんの少しだけスペースが生まれます。実はこのスペースこそが最大の効用で、そうするとその空きスペースを活用して、あなたのアタマはいろいろな工夫を始めます。人と人の組み合わせを考えたり、ビジネスとビジネスの接点を検討するなど、それまで心にスペースがないためにできなかったあれこれが、まるで氷が溶けてゆくように働きだすのです。

これこそが、人と話すことで得られる最大のメリットであることを自覚している経営者は少なくありません。営業に係る大方の話であれば、社員がその相手という場合も少なくないかもしれません。でも経営者である以上、どうしてもそうできない部分は必ず手の中に残るはずです。資金の問題、相続の問題、事業承継の問題その他、そういう部分についてもなお、相談相手がいるだけで心の軽さがぐんと違ってくるのです。

 

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