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すごい未来を引き寄せる中小企業の考え方

SPECIAL

商品リニューアルコンサルタント

株式会社りぼんコンサルティング

代表取締役 

商品リニューアルに特化した専門コンサルタント。「商品リニューアルこそ、中小企業にとって真の経営戦略である」という信念のもと、商品の「蘇らせ」「再活性化」「新展開」…など、事業戦略にまで高める独自の手法に、多くの経営者から注目を集める第一人者。常にマーケティング目線によって描きだされるリニューアル戦略は、ユニークかつ唯一無二の価値を提供することで定評。1969 年生まれ、日本大学芸術学部文芸学科卒。

生来の大らかさで、先日ちょっとした失敗をしてしまいました。クリーニング店に出していた洋服を、数ヶ月預けたままにしていたのです。お店は連絡をくれていたようですが、手違いでメッセージが埋没していました。

もう20年以上お願いしている店です。衣替えだけでなく、人生の変化とともに、色々なものをお願いし、思い出のつまった店でもあります。

それなのに、忙しいかったこともありますが、どこかで取りに行くのが「億劫」になっていました。申し訳ないな、という気持ちでドキドキしながら取りに行きました。

すると、なじみの店主は、壁に貼ってあるチラシを指して「これ、ご存じですよね。保管料をいただきます」と言われ、金額を提示されました。預けていた点数と形状によって保管料金は異なり、しめて2,800円。

世の中、タダなものなど何一つありません。預かってもらっていた時間と場所にはお金がかかっています。期限内に気持ちよく仕上げてくれた仕事師の方達の思いもあります。支払いを済ませ、預けていた衣類を受け取ることができました。

翻って、わたくしどもコンサルティングビジネスも同じです。職能に対して、これまで積み上げてきた知識、経験、学び、考え方、実践の蓄積に対する時間や苦労に対して想像しない人、敬意を持てない人が一定数いらっしゃいます。

例えば、「〇〇ごちそうするから、ちょっと教えて」とか、「ちょっと相談に乗ってください。メールのやり取りで時間はとりません」と、稼働時間や拘束時間で報酬を減らそうといった依頼です。こうしたご相談には、説明をしてお断りするようにしています。

冒頭の話に戻って、クリーニング店の考え方も同じです。放置客は困ってしまうのです。ゆえに店内にチラシを貼って告知しています。正しい姿勢です。それを「知らなかった」「読まなかった」ということは許されないのです。

こうした体験を通して、お店をもっと好きになる場合があります。プロのこだわり、仕事に誇りを持っていることを知って感動する。「お客が本質的に喜ぶことは何か」を極め、商品サービスを提供している姿勢に共感するのです。

一方、お店のコミュニケーション次第では真逆の反応になることもあります。対応に傷ついて、「そもそも忙しいし、煩わしい。置配できるネット経由のクリーニングサービスはないか」と考え、お店から離脱してしまう場合もあるでしょう。

お客さまは、わがままであり、自己中心的です。身勝手です。正しさや合理性で人は買い物をしません。「好き・嫌い」、「気分が上がる」といった感覚、「あの店に行くと元気が出る」といった感情や気分で購買します。

そして、企業側も、すべてのお客様に「愛される」「好かれる」ことを望んだりしますが、それもまた無理です。クリーニング店であれば、基本は「地域」のお客さまです。自社が、だれに、何を提供し、何で喜んでいただきたいのか。「こうありたいという姿」を決めているかが問われています。

もしも、自社のキャッシュが尽き、国からの補助金もなくなり、金融機関からの融資も拒否され、目の前に借金だけが残ったとき、何をするか。あなただったら、何をしますか? この時はじめて、お客さまが来てくれることの意味を噛み締めるのです。

ジリ貧になってはじめて、自社商品サービスを買ってくださった、愛顧してくださった人たちのありがたさが身に染みるのです。自社は、商品サービスをお客さまが買ってくださっていることで、成り立っている。お客さまが自社を支配しているのです。

だからこそ、お客さまに働きかけるマーケティング活動は商品サービスと不離一体なのです。そして「SNSマーケティング」、「アンバサダーマーケティング」、「ファンベース」など、さまざまなネーミングのトレンドノウハウがあふれています。

こうしたトレンドノウハウも、分解をして紐解けば、本質は同じです。ただ時代に合わせてツールが変わっているだけです。「商売繁盛」の原理・原則は、いつの時代も同じです。それはなぜでしょうか。理由は簡単です。いつの世も「人間」に向かってビジネスをしているからです。

人間は生きものです。ロボットではありません。例えば、子供の行動は本能的で、時代が変わっても、「子供ってこういうものだよね」という原則は変わりません。「お弁当」を食べるとき、子供はまず「嫌いなもの」を取り除きます。ピーマン、しいたけ、グリンピース・・・、取り除いてから安心して食べます。

子供は威圧的な人よりも、太陽のように温かく、春風のようにやさしい人が好きです。怖い人の前では「従ったふり」をします。こうした感覚は大人になっても変わることはありません。

時代が情報過剰になっても、テクノロジーが進化しても「人間」はひとっ飛びに変化しません。「最近の人はどうなっちゃったの」と言われることもありますが、習慣が変わり「表現」が変わっただけで、人間の本質は、そうそう変わらないものです。

陰陽があり、善悪があり、プラスとマイナスが葛藤しながら、心を働かせ活動しているのが人間です。そして、多くの人が、より良くなるために活動しているのではないでしょうか。

異国で悲しい事故がありました。ハロウィンシーズン、この日本でもたくさんの人が街にくり出してイベントを楽しんでいました。日本の警察は、事故が起きないよう工夫し、人の波を誘導する様子がニュースで伝えられていました。

街角インタビユーでは、異国での事故を受けて「日本では、私たちが気をつければいいのではないか。自分たちにできることがあるのではないか」と話す人もいました。ハロウィンの仮装している20代の爽やかな笑顔が印象的でした。

子供のお弁当行動のように、人は「嫌いなもの」に注目してしまう性質があります。ですからマスメディアやSNSでは反応率を高めるために、ネガティブニュースをたくさん流すのです。しかし、その裏にはたくさんの「善いニュース」があります。グッドニュースは埋もれているのです。

中小企業も同じです。わたくしのコラムは本日で300話になります。この5年間、自然災害、疫病、戦争、そして不況など大きなうねりがありました。そうした中でも、「社会をより善くしよう」「楽しくしよう」「ワクワクを届けよう」と、智慧と工夫でお客さまと交渉を続けてきた企業、お店があります。

これまで「常識」とされてきた社会の価値観に対して、「不満」や「不快」を提示し、解決するための商品やサービス、コンテンツが注目されています。障がいのある人たちの活躍、ジェンダーレスな商品サービス、廃棄素材のリボーンなど、「やさしさ」の商品化が顕著です。

「やさしさ」が、これからの社会のキーワードになると確信しています。新しい時代にフィットした「やさしさ」の開発、「やさしさ」のリボーン(再生・再創造)が弊社の使命だと考えています。

わたくしも一人の未完成な人間です。未完成だからこそ、さまざまなことを考え究め、感情が生まれます。心で感じ、考え、実践の日々です。初心を忘れず、中小企業と日本の未来のために尽くしてまいります。

 

\\お知らせ//

来春、コラム300号特別記念セミナーを開催します。日時は、2023年1月19日午後3時〜5時。場所は東京・神田でオンラインも同時開催の予定です。スケジュール帳にチェックして、あなたのご参加をお待ちしております。

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